水曜日。半日のドライブを楽しんでの帰りがけ、
道の駅『鄙の里』で、地元のミカン=『地ミカン』を買う。
そこに、三芳・方言の会『三芳村のことば』(2022年12月発行・1500円)
の冊子があったので、こちらも買ってかえる。
『三芳村のことば』。大きさが週刊誌サイズ。全185ページ。
字も見やすい大きさ。スペースも適度で読みやすく老眼の味方。
凡例をひらくと、
「アクセントは『新明解国語辞典』にならって数字で示して・・」
とありまして、正確を旨としており、単なる読みやすさだけじゃない。
凡例の8を引用してみます。
8・ 連母音の『長拗音化』という用語は一般でなく・・・・
例えば、『来年』(rainen)の訛りは
『りゃーねん』(rya:nen)とも『れゃーねん』(reya:nen)とも
表記できます。
また『お前』(omae)の訛りは
『おみゃー(omya:)とも『おめゃー(omeya:)』とも表記できます。
これらの『rya:』『mya:』に基づき『長拗音』という用語を用いました。
例えば『無い』の訛りは
『ねゃー』(neya:)であって『にゃー』(nya:)ではありません。
・・・・・ 」
はい。私には詳らかには分からないながらも、理解したことにして
こうして、本文をひらくのですが、これがめっぽう面白い。
面白いので、どこを引用しようか迷います。
はい。今回はあきらめて最後をひらくと、会の人たちの短文が並んで
おりました。うん。どなたのも言葉に重さがあって好きなのですが、
ここには、吉野さんの文を引用することに。
「私は生まれも育ちも三芳で、社会人になってからも三芳の中に勤務し、
60歳定年退職後も生まれ育った所に住んでいます。したがって
三芳から外に出て生活した経験のない者です。
父は昭和36年、私が小学校5年で10歳の時に病死し、
祖父は私が4歳の時に他界していました。
祖母は父が死亡した5年後の私が高校1年の時に病死しました。
祖母は同じ集落内から嫁いできていましたので、
一生地元で過ごした者です。
母は静岡県浜名湖のほとり、温州みかんの産地の三ヶ日から
戦後間もなく三芳に嫁いできています。・・・・・・
中学校は三芳ですので、友人仲間とも当然方言だらけの会話でした。
高校に行くと、安房地域全域からの集まりですので、
友人仲間から三芳の方言を指摘され、
特に『猫語』が多いと言われました。
日曜日に友人から海釣りに行こうと誘われても、
『日曜は田植えん(田植えの)準備で、田んぼん(田の)仕事が
あっから(あるから)、おいねゃー(いけない)』となる。
否定の『ない』は『ねゃー』となるので、
会話の中では頻繁に『ねゃー』が出現します。
私は『猫語』を改めることなく・・・
使い続けていた記憶があります。 」( p177 )
藤平さんの文のはじまりは
『私はこの会が平成15年(2003年)に発足した時から参加しています。』
とあります。『三芳・方言の会』が発足して今年で20年。
10年ひと昔
12年ひとまわり
25年四半世紀
~30年一世代
何だか20年過ぎて、同じ景色が新鮮にみえてくるのかも。
そんなことを思ってしまう、この頃です。ということで、
貴重さに敬意をこめて『ねゃー』猫語入門の新刊本紹介。
コメントありがとうございます。
『一生懸命読み進めて』いただき、
keiさん、ありがとうございました。
この本を紹介したくなりまして、
つい、肩に力がはいったのかも。
この発信を丁寧に受信していただき、
感謝します。ありがとうございます。
はい。20年という熟成期間をかけて、
ゆっくり稔った一冊を手にしました。
なんだか、その気持ちが伝わったようで、
手わたせたかのようにうれしくなります。
「猫語」
「にゃー」ではなくて「ねゃー」ですね。
うん、「猫語」と言われるのですね。
「長拗音化」の箇所ですね。
一生懸命に読み進めていきまして~、なんかクスッと
しないこともなくって~。
いいですね。
地ミカンもおいしいでしょうけど、こうした地の言葉、大切にしていけるといいですね。
『猫語入門の発音読本』とは、これがまた面白みがあっていいですね。
いいです子ばかりですが、思い伝わるといいです。