和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

川柳と新聞。

2021-03-25 | 詩歌
3月の新聞購読は、
産経新聞から、読売新聞へと1カ月間かえてみました。

新聞がかわると、何か新鮮な感じで、
新鮮な目で、紙面を見渡ような気分。
1カ月たつので、来月はどうするか。
そろそろ判断をしなくちゃいけない。
ひきつづき読売新聞を講読するのか。
はたまた、産経新聞を講読するのか。

じつは、私は産経新聞を講読してるのですが、
ネットでもって、新聞はあと10年でなくなる
のじゃないかという、推測が話題になった際に、
読売新聞だけは、別だという指摘があったのでした。

それもキッカケとしてありました。
知り合いでは、朝日新聞をやめて、
読売新聞を、とっている方が多い。
うん。産経から読売にかえると、
まず気づくのは、さすが全国紙。
全面広告が、産経よりはなやか。
ということは、どうでもいいか。

新聞一面コラムのなかでは、
読売新聞のコラムだけは、他とちがい
コラム文字数が少なくなっております。

それでなのか、どうなのかしれませんが、
今月の一面コラム「編集手帳」には
川柳が3回登場しておりました(3月9日・20日・25日)。

それで、思い浮かんだ本がありました。
野村胡堂著『胡堂百話』(中公文庫)。
はい。銭形平次の野村胡堂です。
ルパンに登場するのは銭形警部で、こちらは、
江戸時代の銭形平次の子孫という設定でした。

もどって、『胡堂百話』に川柳を取りあげた箇所があり、
印象に残っておりました。

「 時事川柳(一)

大正6年だったと思う。私は、新聞社の社会部長だった。
ちょうど、新聞社の販売競争が、火に油をそそぎはじめたころで、
どこの社でも新しい企画に知恵をしぼり合っていた。
 
『何か変わった企画はないものだろうか』
そこで、私は、言下に答えた。

『川柳欄をつくったらどうだ』

『川柳?』
編集の幹部たちは、妙な顔をした。
あんな、古くさいもので、読者がついてくるだろうか、
というのである。しかし、私は、自信があったから、

『決して、川柳は古くない。新しい人が、
新しいセンスで作りはじめたら、これは、大きな流行になる』

『しかし、差し当り、どうなのだ。欄を作った。
一句も集まらない。というのでは、恥さらしになる』

『そんな心配は、絶対にない』

『誰が、選をする?』

『むろん、私が引受ける』」(p149~150)

こうして、賞金をつけて、はじまるのでした。
せっかくなので、つづけます。

「  するが町たたみの上の人通り

見方によれば、三越の宣伝みたいでもあるが、
近代的デパートの黎明期で、広い、畳敷きの店内を、
客に、ずかずかと通らせた。上がり口には下足番がいて、
洋服の客には、靴カバーというズックで出来た馬のワラジ
みたいなものをはかせた。大正初期の和洋折衷の不思議な文化が、
あますところなく描かれている。

さて、大正12年の大震災で、古い東京は灰になった。
見渡す限り、焼野が原である。

   するが町広重の見た富士が見え

私は文句なしに天位にした。建ち並ぶ高楼が煙と消えて、
その昔、広重が描いた通りの富士山が、日本橋から丸見えになった。
・・・・それから20幾年たって、再び焼野が原になろうとは、
むろん、その時は思わなかったが・・・・」(p149)


はい。来月も読売新聞を講読することに。







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2 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-03-25 16:13:02
我が家もずっと朝日新聞だったのでしたが、元連合赤軍闘士だった人に朝日は偏っていると教えられ産経に変えました。新聞によってこれほど違うことをいうのかと驚きました。以来ずっと産経です。読売は購読したことがないのですが、いま一番のこりそうな新聞ですか?
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う~ん。 (和田浦海岸)
2021-03-25 16:31:54
こんにちは、カミナリビコ2さん。

朝日新聞は、全ページ一丸となって、
洗脳体制をとるので、一面見出しだけでなく、
天声人語をはじめ文化欄・声欄・生活欄までもが
その指示にしたがっての紙面構成に
ついていけないのでした。
せいぜいが、ののちゃん四コマが救いでした。
あまりに、鬱憤がたまりすぎるので、
健康のために、朝日新聞の購読をやめた
そんな体験があります。

え~と。なんでしたっけ。そうそう、
読売新聞は、赤字じゃなさそうです。
産経新聞を、応援したいのですが、
今回、来月も読売新聞にしてみます。
ということで、また読売新聞ネタで、
当ブログを飾ることが出来そうです。
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