3月の読売新聞。一面コラム「編集手帳」のはじまりで、
印象に残る箇所を並べてみることに。
「『銀河鉄道の夜』に難しい植物の名をしるす一節がある。
〈 青い橄欖(かんらん)の森が・・だんだんうしろの方に
いってしまい 〉」(3月4日)
「・・・宮沢賢治が銀河を走る汽車からの風景に織り込んだのは
『青いオリーブの森』と解してよいらしい。・・・・
宮城県石巻市の復興事業でオリーブの栽培が成功間近だという。
その名も『北限のオリーブ』・・・」
このくらいにして、次は、はじまりのみを
「馬糞(ばふん)で作った堆肥にはえるキノコが美味である
ことを発見したのは、古代ローマ人といわれる。いわゆる
食用マッシュルームの起源である。日本では馬糞茸と呼ばれ、
昔から存在は知られていたという。」(3月19日)
「ヤマイモはむずかしく言えば自然薯(じねんじょ)。
すりおろすと、途端にトロロと名を変える。」(3月23日)
野球からはじまるのは3月12日でした
「元広島監督の達川光男さんは1973年の夏の甲子園で、
広島商を頂点に導いた«優勝捕手»である。それが縁で
一昨年の決勝では始球式の大役を務めた。・・・・・」
うん。3月11日の編集手帳は、ちょっと断片というわけにも
いかないので全文引用してみることに。
「おとといの夕食は?と聞かれ、即答できる人はそうはいまい。
人間は出来事の大半を1日のうちに忘れてしまうという。
平穏な日々の何げないことほど、きれいに忘れるものだろう。
宮城県亘理町の高橋ひろみさん(56)は携帯電話を
長女のひな乃ちゃんに渡し、遊ばせていたことを長く忘れていた。
約10年を経て思いだし捜して見つけだすと、5歳の娘が打った
たどたどしいメッセージがメール画面にいくつも残っていた。
『ままだいすき』に始まり、
『おはなばたけであそぼうね』といったお誘い。
『あさごはんわめだまやきでおねがいします』というお願いもあった。
ひな乃ちゃんは幼稚園の送迎バスが津波にのまれ園児7人とともに
亡くなった。〈 口を出てまだあたたかきことばかな 〉(山口優夢)。
どれほど遠く離れた場所にいようと、電源が入っていようとなかろうと、
母と娘を温かくつなぐ携帯電話が忘却のなかに埋まっていた。
『天国で会ったときに《楽しかったよ》と言えるよう
精いっぱい生きていく』とひろみさんは話す。
そのことばは返信ボタンを押さずとも、
ひな乃ちゃんに届いているだろう。」
うん。写しとっておきたい言葉ありました。
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