甲斐駒ケ岳に登るのは今回で4度目となる。初めての登頂は北沢峠から双子山ルート、2度目は黒戸尾根、3度目は日向八丁尾根というバリアンスルートを登った。山頂の到着時間が遅い事もあるのだが、甲斐駒ケ岳山頂から見る鳳凰山越しの富士山は霞んだものしか目にした事が無い。今回はYBS関連会社に委託された南アルプスエコパークプロモーションビデオ作成の手伝いである。欲しい映像は甲斐駒ケ岳山頂の様子と山頂から見る富士山、さらに黒戸尾根側の9合目にある鉄拳の刺さった岩や8合御来迎場の石碑と倒壊した石鳥居の様子などである。黒戸尾根を登ることも考えたがルート的にかなり厳しく、機材を担ぎ上げるのは容易では無く、かつ今回同伴するカメラマンは登山経験がほとんど無い初心者である。仙水峠から駒津峰を超えて山頂に登ったほうが楽である。しかし、問題なのは富士山が見えるかどうかだ。時期が時期だけに、雲が湧いて見えない可能性がきわめて高い。勝負は遅くても午前9時までだろう。8時甲斐駒ケ岳山頂を想定して未明2時に起床して2時20分に仙水小屋を出発する。
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仙水峠から見る月光の摩利支天と甲斐駒ケ岳。想定外に天気が良い。これならば富士山が見えるかも知れない。
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東側を望む。町明かりを覆う霞の上にもうオリオン座が昇って来ている。
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駒津峰まであと30分ほどの地点。夜明けが迫り、仙丈ケ岳の上に綺麗なアース・シャドウが出た。
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朝日射す仙丈ケ岳と十六夜の月
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夜明けの仙丈ケ岳
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栗沢山・アサヨ峰と北岳
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夜明けの鳳凰山
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鳳凰山の横には霞の中に富士山が浮かんでいる。
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駒津峰山頂。向こうは鋸岳。
駒津峰山頂で夜明けを迎えたかったのだが15分ほど遅れてしまった。ここで朝食、仙水小屋で特別に用意していただいたおにぎりを食べて休憩する。この頃にはもう数名の登山者がやって来て先に山頂に登って行った。時間は午前5時を回っている.甲斐駒ヶ岳山頂は予定通り8時ごろになるだろう.想定外に良い天気となったこの日,これならばきっと鳳凰山の上に出る富士山が見られるだろう.
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超広角レンズで捉えた鳳凰山から北岳に至る南アルプスの山並.駒津峰から.
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朝もやに浮かぶ鳳凰山と富士山
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甲斐駒ケ岳から昇る朝日
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六方石から見上げる甲斐駒ヶ岳
駒津峰から急下りして六方石を過ぎた頃にはだいぶ日が差し始め,日の差す場所は暑く感じるようになってきた.途中にはヨツバシオガマやミヤマアキノキリンソウ,タカネツメクサなどの花が咲いていた.日なたを避けて日陰で休んでいると,突然目の前をライチョウが横切った.しかも親子連れ,雛が2羽に雌が1羽の3羽だ.甲斐駒ケ岳でライチョウに出会うことはきわめて稀で,聞くところによると1つがいしか居ないのではないかと言われている.夢中で追いかけて撮影する.
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タカネツメクサ(ナデシコ科タカネツメクサ属)と北岳
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突然ライチョウが現れた.親1羽に雛が2羽,見えますか?
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南アルプスをバックにポーズをとってくれたライチョウ.焦って撮ったので水平位置が曲がってしまった.
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摩利支天分岐を過ぎて山頂までもう少し.栗沢山・アサヨ峰と北岳の山並.
本命の撮影は黒戸尾根側なのだが,長野側も撮影しながら山頂を目指し,予定していた午前8時を少し過ぎた頃に甲斐駒ヶ岳山頂に到着した.既にたくさんの登山者が到着していた.雲が出始めていたが,鳳凰山の上に富士山が浮かんでいた.この季節にしては満点をあげでも良いような素晴らしい眺望だ.しばらく高い山に登っていない私に,山が「登って来いよ」と誘っているかのように思えた.
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甲斐駒ヶ岳山頂から見る鳳凰山と富士山
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8時を少し過ぎてしまい、雲が湧き出してしまったがなんとか間に合った。
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アサヨ峰山塊と北岳山塊
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駒津峰,双子山と仙丈ケ岳
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鋸岳とその向こうには御嶽山,乗鞍岳,北アルプスの山並がずらりと並ぶ.夏のこの季節にこれほどの眺望が得られるのはきわめて稀である.
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北岳をバックに記念撮影.
この季節に富士山を撮影するのは難しいのだが,まずは山頂での撮影はクリアできた.思い残すことなく存分に撮影した後,黒戸尾根を降りる.かなりバテ気味な登山初心者のカメラマンを連れて無事に下山できるのだろうか?本当に大変なのは登らせることよりも下ろすことである.(後篇に続く)
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仙水峠から見る月光の摩利支天と甲斐駒ケ岳。想定外に天気が良い。これならば富士山が見えるかも知れない。
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東側を望む。町明かりを覆う霞の上にもうオリオン座が昇って来ている。
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駒津峰まであと30分ほどの地点。夜明けが迫り、仙丈ケ岳の上に綺麗なアース・シャドウが出た。
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朝日射す仙丈ケ岳と十六夜の月
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夜明けの仙丈ケ岳
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栗沢山・アサヨ峰と北岳
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夜明けの鳳凰山
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鳳凰山の横には霞の中に富士山が浮かんでいる。
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駒津峰山頂。向こうは鋸岳。
駒津峰山頂で夜明けを迎えたかったのだが15分ほど遅れてしまった。ここで朝食、仙水小屋で特別に用意していただいたおにぎりを食べて休憩する。この頃にはもう数名の登山者がやって来て先に山頂に登って行った。時間は午前5時を回っている.甲斐駒ヶ岳山頂は予定通り8時ごろになるだろう.想定外に良い天気となったこの日,これならばきっと鳳凰山の上に出る富士山が見られるだろう.
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超広角レンズで捉えた鳳凰山から北岳に至る南アルプスの山並.駒津峰から.
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朝もやに浮かぶ鳳凰山と富士山
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甲斐駒ケ岳から昇る朝日
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六方石から見上げる甲斐駒ヶ岳
駒津峰から急下りして六方石を過ぎた頃にはだいぶ日が差し始め,日の差す場所は暑く感じるようになってきた.途中にはヨツバシオガマやミヤマアキノキリンソウ,タカネツメクサなどの花が咲いていた.日なたを避けて日陰で休んでいると,突然目の前をライチョウが横切った.しかも親子連れ,雛が2羽に雌が1羽の3羽だ.甲斐駒ケ岳でライチョウに出会うことはきわめて稀で,聞くところによると1つがいしか居ないのではないかと言われている.夢中で追いかけて撮影する.
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タカネツメクサ(ナデシコ科タカネツメクサ属)と北岳
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突然ライチョウが現れた.親1羽に雛が2羽,見えますか?
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南アルプスをバックにポーズをとってくれたライチョウ.焦って撮ったので水平位置が曲がってしまった.
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摩利支天分岐を過ぎて山頂までもう少し.栗沢山・アサヨ峰と北岳の山並.
本命の撮影は黒戸尾根側なのだが,長野側も撮影しながら山頂を目指し,予定していた午前8時を少し過ぎた頃に甲斐駒ヶ岳山頂に到着した.既にたくさんの登山者が到着していた.雲が出始めていたが,鳳凰山の上に富士山が浮かんでいた.この季節にしては満点をあげでも良いような素晴らしい眺望だ.しばらく高い山に登っていない私に,山が「登って来いよ」と誘っているかのように思えた.
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甲斐駒ヶ岳山頂から見る鳳凰山と富士山
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8時を少し過ぎてしまい、雲が湧き出してしまったがなんとか間に合った。
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アサヨ峰山塊と北岳山塊
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駒津峰,双子山と仙丈ケ岳
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鋸岳とその向こうには御嶽山,乗鞍岳,北アルプスの山並がずらりと並ぶ.夏のこの季節にこれほどの眺望が得られるのはきわめて稀である.
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北岳をバックに記念撮影.
この季節に富士山を撮影するのは難しいのだが,まずは山頂での撮影はクリアできた.思い残すことなく存分に撮影した後,黒戸尾根を降りる.かなりバテ気味な登山初心者のカメラマンを連れて無事に下山できるのだろうか?本当に大変なのは登らせることよりも下ろすことである.(後篇に続く)