氷点下10℃を下回る山上泊ではいつもならばシュラフ2枚を持って行くのだが、今回は荷物が多くてザックに入りそうもない。そこで今回はホカホカホッカイロ作戦。シュラフの中にホッカイロ6枚を貼り付け、さらに冷える肩の周りの衣服に2枚、足に2枚、計10枚のホッカイロを貼り付けて寝ることにした。これで寒ければテントの中でバーナーを焚いて温めるしかない。予想通り、-10℃まで測定できる時計の温度計は振り切っており、おそらく-12~13℃くらいまで冷え込んだのではないだろうか。しかしこのホカホカホッカイロ作戦はなかなか効果を発揮してくれて、3シーズンシュラフにシュラフカバーをかけた装備で比較的快適に寝ることができた。
11時ごろに寝て目覚ましは4時20分にかけたので、5時間寝るはずだったのだが3時半ごろに目が覚めてしまう。テントの外を見ると雲が広がり星空は少し見えるだけだ。特に肝心の富士山は大きな雲が巻いて全く姿が見えない。朝まではまだ時間がある、きっと晴れる、と願いながら早目の朝食をとる。未明4時半にテントの外に出ると、富士山にかかっていた雲は少しずつ小さくなってきており、だいぶ星空が見えるようになってきた。5時、そろそろ富士山の上に天の川が現われている頃だ。カメラを持ち出して撮影してみると、うっすらだが富士山の雲の上に天の川が写っている。しかし肝心の富士山山頂はまだ見えてこない。

未明5時、富士山にかかった雲の上にうっすらと天の川が現われた。

駿河湾の灯りの上にはさそり座が尻尾を雲に隠しながら昇っている。

そして遂に、富士山の山頂が雲の上に姿を現した。

雲巻く富士山と天の川
未明5時半、遂に富士山頂が雲の上に姿を現した。天の川も綺麗に写る。簡易赤道儀スカイメモはこの天の川を撮影するのが最大の目的で担ぎ上げたもので、急いでテントからスカイメモを持ってきてセットしようとしたその時、富士山の雲の中から明るい金星が姿を現した。ということは、月が姿を現すまではもうほとんど時間が無いということだ。スカイメモのセットを止めてボーグ天体望遠レンズを組み立てる。(このレンズは部品をつなぎ合わせて自分で組み立てるように設計されている。)まだ使い慣れていないしフラットナーの調整も済んでいないのでピント合わせに疑問が残る。しかも暗い中でファインダーを覗き込んでもピントが合っているのかどうかかなり疑わしい。セットしているうちに、あっという間に月が山頂に姿を現してしまう。

薄明の富士に輝く金星と天の川

薄明の富士山と金星

薄明のさそり座と明の明星金星

月が現われた、しかし使い慣れていないレンズはピントが合わない!!少しばかり焦る。

月の輝いている部分でライブビューを使ってピントを合わせる。

富士山頂に昇る月齢28の地球照の月

ブログ上ではきっちり撮れているように見えるのだが、パソコンに取り込んで拡大するとまだ甘かった。

山頂に出た薄雲のおかげでさらに雰囲気は良くなったが、大部分の写真はブレてしまっている。カメラの固定にも一工夫必要なようだ。
素晴らしい地球照の月が富士山頂に姿を現した。今まで何度も地球照の月の撮影を行ってきたが今回の月が一番美しく、山頂に出た薄雲のおかげで雰囲気も抜群だった。しかし・・・まだ使い慣れていないボーグ天体望遠レンズはピントがいまひとつ合っておらず、しかも長尺レンズなので三脚の固定が悪く、わずかな風で画像がブレてしまっていた。折角の景色だったのに撮影は決して満足できるものではなかった。レンズに習熟することと、固定にもう一工夫必要なようだ。場所を変えてこの美しい月と接近した金星、水星をさらに追いかける。

富士山頂に輝く月齢28の月と金星・水星。細い枝の間で明るく輝くのが金星、少し太い枝の突起の下で小さく輝いているのが水星。

細月と金星。水星は枝の中に隠れてしまっている。

月と金星・水星。水星は月と金星を結んだ線の中央部下に小さく輝いている。1等級の明るさがある水星も金星に比べるとこのくらいの輝きしか無い。

アップするとなんとなく水星も見える。

夜明けの光の中に月と金星、水星の輝きは消えて行く。
苦労して担ぎ上げたスカイメモの出番は無かったが、苦労して登って余りある素晴らしい天体ショーを楽しむことができた。心残りなのは前述の如くボーグ天体望遠レンズがうまく使えなかったことだ。機会があれば、また山上からの撮影に挑みたい。
雨ヶ岳山頂でのダイヤモンド富士はもう終わってしまっており、この日はタカデッキあたりで丁度真ん中あたりからのダイヤになるはずだ。しかし今から移動してもとても時間的に間に合わない。されど、白山岳あたりからのダイヤならば樹林帯の中で展望が得られれば撮影可能なはずである。朝食はもう摂ったことだし、カメラと三脚とGPSを持ってダイヤモンド富士の撮影に出かける。(2日目後編に続く。)
11時ごろに寝て目覚ましは4時20分にかけたので、5時間寝るはずだったのだが3時半ごろに目が覚めてしまう。テントの外を見ると雲が広がり星空は少し見えるだけだ。特に肝心の富士山は大きな雲が巻いて全く姿が見えない。朝まではまだ時間がある、きっと晴れる、と願いながら早目の朝食をとる。未明4時半にテントの外に出ると、富士山にかかっていた雲は少しずつ小さくなってきており、だいぶ星空が見えるようになってきた。5時、そろそろ富士山の上に天の川が現われている頃だ。カメラを持ち出して撮影してみると、うっすらだが富士山の雲の上に天の川が写っている。しかし肝心の富士山山頂はまだ見えてこない。

未明5時、富士山にかかった雲の上にうっすらと天の川が現われた。

駿河湾の灯りの上にはさそり座が尻尾を雲に隠しながら昇っている。

そして遂に、富士山の山頂が雲の上に姿を現した。

雲巻く富士山と天の川
未明5時半、遂に富士山頂が雲の上に姿を現した。天の川も綺麗に写る。簡易赤道儀スカイメモはこの天の川を撮影するのが最大の目的で担ぎ上げたもので、急いでテントからスカイメモを持ってきてセットしようとしたその時、富士山の雲の中から明るい金星が姿を現した。ということは、月が姿を現すまではもうほとんど時間が無いということだ。スカイメモのセットを止めてボーグ天体望遠レンズを組み立てる。(このレンズは部品をつなぎ合わせて自分で組み立てるように設計されている。)まだ使い慣れていないしフラットナーの調整も済んでいないのでピント合わせに疑問が残る。しかも暗い中でファインダーを覗き込んでもピントが合っているのかどうかかなり疑わしい。セットしているうちに、あっという間に月が山頂に姿を現してしまう。

薄明の富士に輝く金星と天の川

薄明の富士山と金星

薄明のさそり座と明の明星金星

月が現われた、しかし使い慣れていないレンズはピントが合わない!!少しばかり焦る。

月の輝いている部分でライブビューを使ってピントを合わせる。

富士山頂に昇る月齢28の地球照の月

ブログ上ではきっちり撮れているように見えるのだが、パソコンに取り込んで拡大するとまだ甘かった。

山頂に出た薄雲のおかげでさらに雰囲気は良くなったが、大部分の写真はブレてしまっている。カメラの固定にも一工夫必要なようだ。
素晴らしい地球照の月が富士山頂に姿を現した。今まで何度も地球照の月の撮影を行ってきたが今回の月が一番美しく、山頂に出た薄雲のおかげで雰囲気も抜群だった。しかし・・・まだ使い慣れていないボーグ天体望遠レンズはピントがいまひとつ合っておらず、しかも長尺レンズなので三脚の固定が悪く、わずかな風で画像がブレてしまっていた。折角の景色だったのに撮影は決して満足できるものではなかった。レンズに習熟することと、固定にもう一工夫必要なようだ。場所を変えてこの美しい月と接近した金星、水星をさらに追いかける。

富士山頂に輝く月齢28の月と金星・水星。細い枝の間で明るく輝くのが金星、少し太い枝の突起の下で小さく輝いているのが水星。

細月と金星。水星は枝の中に隠れてしまっている。

月と金星・水星。水星は月と金星を結んだ線の中央部下に小さく輝いている。1等級の明るさがある水星も金星に比べるとこのくらいの輝きしか無い。

アップするとなんとなく水星も見える。

夜明けの光の中に月と金星、水星の輝きは消えて行く。
苦労して担ぎ上げたスカイメモの出番は無かったが、苦労して登って余りある素晴らしい天体ショーを楽しむことができた。心残りなのは前述の如くボーグ天体望遠レンズがうまく使えなかったことだ。機会があれば、また山上からの撮影に挑みたい。
雨ヶ岳山頂でのダイヤモンド富士はもう終わってしまっており、この日はタカデッキあたりで丁度真ん中あたりからのダイヤになるはずだ。しかし今から移動してもとても時間的に間に合わない。されど、白山岳あたりからのダイヤならば樹林帯の中で展望が得られれば撮影可能なはずである。朝食はもう摂ったことだし、カメラと三脚とGPSを持ってダイヤモンド富士の撮影に出かける。(2日目後編に続く。)