山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

帯那山のシハイスミレ  平成28年4月17日

2016年04月18日 | 花・花・花
 嶺朋クラブのスミレ観察会はお昼頃に終わってみんなでガスト山に食事に行った。次の山行の予定などを皆で相談し、昨年訪れて驚いた黒富士から鬼頬山界隈の斜面一面を覆い尽くすエイザンスミレ大群落を見に行くことでほぼ決まった。かつては花見山行など皆無だった嶺朋クラブもずいぶんと変わったものである。藪歩きを全く苦とせず、むしろそのような山行を好むこの山岳会はルートを外れて歩いても全く問題無いところが強い。

 食事を終えて外に出ると青空が広がっていた。小雨がぱらついてはいるが、天候は回復に向かっている。この日見た珍しいスミレは凄かったが、そういえば数年前に帯那山でゲンジスミレの集落を見つけたのを思い出した。昨年もその場所を探したが一株も見つからなかった。今年はどうなのだろうか?時間は午後3時を過ぎてしまったがなんとか行けそうな時間だ。


    道の無いこの斜面の上にかつてゲンジスミレが多く生育していた。果たして出会えるか?


    足場の脆い土の急斜面をジグザグに花を探しながら登るが、あるのはタチツボスミレばかり。


    これはアカネスミレの葉か? 花茎が出ていない。


    もうすぐ上に抜け出てしまうが、ゲンジスミレらしきものは葉も含めて全く見当たらず。

 かつてのこの斜面は白い砂が混じったやや乾燥した斜面だったのだが、今ではやや湿り気の多い土の斜面に変わってしまっている。3年前の大雪で斜面が削れてしまったのかも知れないが、以前とはだいぶ環境が変わっており、ゲンジスミレが生育するような環境では無くなってしまっている。おそらくもうここで出会うことは無いのではなかろうか。


    もうすぐ電波塔のところだが、何も見当たらないので立ち寄らずに下山。


    尾根道のイバラの下ではシハイスミレが見ごろを迎えていた。


    小さくて可愛らしい花。


    下の林道沿いはもう終わりかけていたがここはちょうど見頃。


    今日の帯那山の収穫はこのシハイスミレ。

 林道ゲートに到着した頃にはもう午後6時を過ぎてしまっていた。もしこの場所でゲンジスミレに出会えたならば、もしやのカクマにも?と思ったが、2匹目のドジョウは居なかったようだ。帯那山はシハイスミレはもうすぐ終わってしまうが、これからヒナスミレやアケボノスミレがたくさん咲き出す。ヒゴスミレにも探せばきっと出会えると思う。
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嶺朋クラブのスミレ観察会  平成28年4月17日

2016年04月18日 | 番外編
 予定では兜山界隈のシハイスミレをはじめとするスミレと春の花の観察会を企画したのだが、この日の天候があいにくの曇のち雨。午後には上がってきそうだが、予定していた要害温泉から深草観音を越えてのルートだと土砂降りになった時に引き返すにもルートが長過ぎる。そこで当日の朝に予定を変更して、降られてもエスケープルートがいくつかある山に変更した。緑ヶ丘運動公園に朝7時半集合し総勢8人で出発するが、山に近付くと真っ黒な雲が空を覆い始めた。そして登山口に到着した途端にポツポツと雨が降り出してしまう。カッパを着て傘を差して歩き始め、一応は山頂を目指すがもはやこの時点で私は登る気無し。核心部のスミレだけ見て引き返そうと思っていた。その後も雨が降ったり止んだり、かと思えば青空が広がって陽が射し込んだりとなんとも不順な天候だ。


    咲き始めたアケボノスミレ。


    エイザンスミレ。この株は葉の幅が広いが、この界隈は細い葉のエイザンが多い。


    アカネスミレ満開。


    アカネスミレとエイザンスミレ


    マルバスミレ


    こんなところにあるのか? ゲンジスミレ。


    小さなゲンジスミレ。数は少ない。

 先頭を行く人たちが奇妙なスミレを見つけたらしく、呼ばれたので見に行ってみると・・・何じゃこりゃ?? 初めて見るスミレ、しかも図鑑ではほとんど目にすることが無い。これはきっと交雑種、しかも滅多に出会うことが無い代物だろう。


    アカネスミレ似の紫色の花。


    径の伸びた葉っぱ、裏が少し茶色。


    これは間違い無いだろう。


    「今度こそ角間君ですか~?」「スリムな花、茎の伸びた葉っぱ、これは・・・!?」「本物だろ~!」


    上がアカネスミレ、下がカ・ク・マ・スミレ。アカネスミレとゲンジスミレの交雑種。

 まさかの場所でこんなスミレを探し出してくれるとは、神懸り的な運の良さの嶺朋クラブだ。いや、運が良いというよりも雨を降らせてコース変更させて、神様がこの場所に導いてくれたのかも知れない。感激して、もう山頂など本当にどうでも良くなってしまった。雨足が強まりそうな気配があったので、もう少し先まで登って中腹で撤退した。

 車で移動の途中、一時雨足が強くなったが、高度を下げると青空が見え出した。もう1ヶ所、そろそろ満開を迎えているであろうカイイワカガミを見に行った。


    満開、ど真中。この場所はたくさん花を咲かせてくれた。


    素晴らしい!


    カイイワカガミ


    イカリソウも満開。


    イカリソウがたくさん咲きすぎてイカれそう(?)


    アケビの花。途中で雨に降られてレンズが結露してしまった。

 山頂には行けなかった(行かなかったと言ったほうが正解だろう)が、たくさんのスミレと満開のカイイワカガミをはじめとする花たち、そして驚きの交雑種のスミレと出会うことができて、私としては大満足な観察会となった。本来は山岳会の山行なので山頂に立つべきなのであろうが、私がリーダーをやるとこんな山行になりがちである。あしからず。



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満開のベニカヤラン 富士山北麓の森  平成28年4月16日

2016年04月18日 | 花・花・花
 何度も訪れているベニカヤランだが、何度撮影してもうまく撮れない。できれば東側から光が差し込む午前10時までにはその場所に到着したかったが、長者ヶ岳の花にすっかり魅了されて下山が遅くなってしまった。これもまた止む無し。食事が十分では無かったことがあって腹が減ったがそれよりもこちらが優先だ。そろそろ満開になっているはずだ。


    びっしりと咲いている。


    しかも満開。


    時間が遅くなってしまい、半逆光になってしまってなかなかうまく撮れない。


    トリーミング。この株は紫色の模様が入っている。


    別株。


    こちらの株は紫色の筋が入っているように見える。


    別角度から。


    同じ木の上部。


    これは緑色の花を付けているように見えるが、何度撮影しても鮮明な画像が得られない。


    別の木。


    これも紫色の筋。


    いつも撮影している株。


    この日は風で揺れまくり、再三撮影してようやくこの程度。

 今が見ごろのベニカヤラン。撮影するならやはり午前中で、風があまり吹かず空が晴れた日がおすすめだ。なかなかそういう日には当たってくれない。


     
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ダイヤモンド富士撮影のために長者ヶ岳へ。しかしまたしても・・・  平成28年4月15日‐16日

2016年04月18日 | 山梨百名山
 剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は朝霧高原ならば天候さえ良ければカメラ2台使用して確率8割程度まで撮影できるようになった。しかし本番の山の上からの割れるダイヤは身延山、七面山、行かなかったが三石山と失敗しており、全く撮影できていない。今回は長者ヶ岳でギリギリ割れそうな位置から太陽が昇る。天気予報は晴れ、今度こそはと撮影に挑む。

 のぞむ先生をお誘いして2人で行くことになったが、私は早朝起きられる自信が無く、前日からテントを担いで山頂泊することにした。田貫湖の湖畔を夕方5時半に出発するが、日中は青空が広がっていたのにその頃には空は暗い雲におおわれて富士山は見えなくなってしまった。富士山の上を流れる天の川を期待してスカイメモを積み込んだり、ボーグ天体望遠レンズを積んだりと、荷物は20㎏くらいになり、緩い傾斜の道でも結構きつい。途中で忘れ物に気付く。バーナーを積み忘れたが、ここで引き返して取りに行くと空身で往復したとしても心が折れてしまう。ラーメンは諦めて、持って来た弁当と行動食のパンでなんとか凌ぐことにして、それでも足りなければ明朝合流するのぞむ先生頼りだ。コースタイム2時間少々のところを3時間半かかって、9時にようやく長者ヶ岳山頂に到着した。


    緩い登りの道でも結構辛い。


    9時に長者ヶ岳山頂に到着。雲の上に富士山が姿を現した。

 空気は霞んでいたが月明かりに照らされた富士山が雲の上に浮かんでいた。少しずつ雲が晴れて行くように見える。これならばきっと明日はダイヤモンド富士が撮れる、そう確信して夜11時に寝る。


    月光照らす山頂の森


    富士山を巻いていた雲は少しずつ晴れて行く。


    左手に昇って来たのはこと座のベガ。天の川がそろそろ見えてくるはずだが、空が霞んでいて写らず。これならば明日の朝は大丈夫と思ったが・・・

 目覚ましを4時半にかけておいたが、3時半に目が覚めた。テントの外に出ると霧が立ち込めている。富士山はうっすらと見えてはいるが、きわめて透明度が悪い。もちろん、星空など撮れるような状態では無い。バーナーを忘れてきたので、持って来た弁当の3分の2を前夜に食べ、朝は残りの3分の1とおやつで済ませる。5時を過ぎた頃にのぞむ先生が山頂に登って来た。しかしその頃には・・・長者ヶ岳は完全に霧に巻かれて視界は20mほどしか無い。もちろん、富士山はどこへやら、太陽すら見えそうも無い。


    未明4時ごろは視界は悪いながらもなんとか富士山は見えていた。


    5時50分ごろ、そろそろダイヤの時間だが真っ白な景色。


    ボーグ300㎜天体望遠レンズ。何も映らない。


    ダイヤが終わって10分ほど過ぎた頃に太陽が見え、田貫湖の湖面が光っていた。真ん中の富士山はどこへ???

 ということで、身延山、七面山に続いて長者ヶ岳のダイヤも不発に終わってしまった。止む無し、そのうち良い写真が撮れるだろう。

 テントの中で休憩し、のぞむ先生においしいドリップコーヒーをご馳走になった。そしてもうひとつのお目当て、この界隈に多く咲くトウカイスミレを二人で探しに行く。隣の天子ヶ岳のあたりにもたくさん咲くらしいが、そこまで行く根性と元気が無い。稜線を目を凝らして探すと、あっさりとそのスミレに出会うことができた。しかもちょうど見頃、キクザキイチゲやナガバノスミレサイシンもたくさん咲いていて、花探しのほうは十分に満足した。


    あっさり見つかりました、トウカイスミレ。


    とても小さくて可愛らしいスミレ。


    ちょうど満開。


    こちらはナガバノスミレサイシン。


    このあたりに咲くナガバノスミレサイシンは少しピンク色がかっていて、一見ヒナスミレかアケボノスミレのように見える。


    1時間ほど花撮りをして山頂に戻ると、雲の上に浮かんだ富士山がお目見え。なんでもう少し早く姿を現してくれないのかね~。

 テント撤収して9時に下山開始。夜間に登って来る時にキクザキイチゲが出ているのは目についたが、花は一部しか開いていなかった。日が射してきたことだし、きっと下山では全開いているだろう。満開のキクザキイチゲ、トウカイスミレ、ナガバノスミレサイシン、そして中腹で見つけたカタクリを撮影しながら、存分に花を楽しみながら下山した。


    登山道脇に咲いていた全開のキクザキイチゲ。


    満開。


    綺麗な白い花です。


    トウカイスミレ。こちらも満開。


    かなり数はあります。


    ナガバノスミレサイシン


    中腹で見つけたカタクリ。この場所はまだ咲き始め。


    カタクリ。森の斜面に咲くこの雰囲気が良い。


    休憩ベンチのところから見る富士山の眺望。まわりの木を切り倒して眺望を良くしたそうだ。

 11時10分、のぞむ先生とともに無事に下山した。食料はなんとか足りた。またしても撮れなかった山上からのダイヤモンド富士だが、そのうちきっとすごい写真が撮れると信じている。ダイヤは撮影出来ずとも見頃を迎えた花がたくさん咲いていて疲れは吹き飛んでしまった。懲りずにまた大荷物を担いで山に登りたいと思う。まだまだ挑戦は続く。

 
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