山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

御坂山系のカモメたち  平成28年6月1日

2016年06月02日 | 番外編
 御坂山系の山に咲くカモメの花が激減しているとの連絡を受けた。昨年踏み荒らしが酷く、盗掘にも遭ったということで今年から一部だけではあるがロープが張られたはずだ。どれだけ効果があるのかは不明だが、踏み荒らしの防止には少しは効果があると思うのだがいかがなものか?見に行ってみることにした。


    ミツバツツジはもう終わりかけている。


    一見緑豊かな林床のように見えるのだが、生えているのはトリカブト、ヤブレガサ、ヤグルマソウなど、あまり鹿が好まない植物ばかり。


    山の斜面を覆い尽くすようなヤブレガサの大群落。さすがにこの下では日照が悪く、カモメたちは生き延びて行けないだろう。


    数年前はカモメたちの葉がびっしりと生えていたはずだが、だいぶ数を減らしてまばらになってしまっている。


    花咲くカモメたち


    こんなところが快適なのか?


    数株並んで咲いているが、写真を撮り易くするためか周辺の草が取り払われて花が斜面にさらけ出されている。


    踏まれてしまっているカモメ。可哀そう。


    ここはあまり人に気付かれずに快適に過ごしているらしい。


    元気なカモメたち


    今年から保護ロープが設置された場所。中央部に大きな通路が出来てしまい、その周辺のカモメたちは激減してしまった。


    ロープのギリギリのところまで葉が出ており、数株踏まれたものもあった。勝手ながらポールの位置を10㎝ほど外にずらした。


    これからも元気に咲いて欲しい、カモメたち。

 報告を受けた通り、かなり減少しているように見受けられる。その一つは人が入ることによって起こる踏み荒らしと、踏んではいなくとも地面が圧縮されて固くなり花が生育できなくなることだろう。そしてもう一つは鹿の食害による山の植生の変化と、それによって起こる山肌の乾燥化だろう。かつてはカイフウロやクガイソウ、フシグロセンノウなどのお花畑が広がっていた山頂付近は今ではすっかりテンニンソウやヤブレガサなどの斜面になってしまっており、ユキザサの群落もすっかり消失してしまった。花を守るには、保護柵の設置が必要だろう。しかし、貧乏な山梨県がどれだけの予算を付けられるか、かなり難しい問題だろう。


    この山にはちょっと変わったカモメも住んでいる。

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引き続き南アルプス前衛の山の花調査  平成28年5月28日・29日

2016年06月02日 | 山梨無名山
 見つからない花の調査を引き続き行い、2日間道無き山腹を歩き回ってみた。今回は新たな情報をいただき、数は少ないながら昨年までは確実に花が存在していたという場所を集中的に調査してみた。しかし結果は・・・

 5月28日

 当直疲れが抜け切らず10時過ぎまで寝て遅めの出発となる。かつ、夕方から集会が入っており、入山できる時間は4時間ほどに限られてしまう。情報をいただいた斜面をジグザグに歩いて花探しするが・・・。


    急斜面をジグザグに歩いて花探し。先週は沢の源頭を歩いたが見つからず、今回は雑木林の林床を探る。


    ササバギンランは比較的多く見かける。


    そして相変わらずたくさんあって、花が咲き始めたクサタチバナ。


    イカリソウはもう終わりだが、食害に遭っているのか数は少ない。


    フタリシズカとクサタチバナ。


    少し薄暗い林床の中も生えているものはあまり変わらない。


    クサタチバナ群落


    古木(ブナ?)の周辺


    日当たりの良い斜面


    平坦な草地


    ヤマツツジとウツギ

 いずれの斜面を探しても同じような草ばかりで、探し物は見つかる気配が無い。時間切れで撤退。


 5月29日

 前日よりは若干早くスタートして、前日探した斜面の尾根を隔てた反対側とさらにその上を歩いてみた。


    本日は沢を登って斜面に取り付く。


    日当たりの良い雑木林の林床


    ヤマブドウのツルが絡み合うジャングルのような森


    やや日当たりの悪い少し湿った林床


    枯れた沢のいちばん上で見つけたミゾホオズキ(ハエドクソウ科 ミゾホオズキ属)。


    ミゾホオズキ

 前日と反対側の斜面でも見つけることは出来ず、ちょっと珍しいと言えばミゾホオズキくらいだ。尾根に取り付いてさらに高度を上げて、昨日歩いた斜面の上を大きくトラバースしながら歩いてみた。


    相変わらずのクサタチバナ群落


    日当たりの良い斜面に群生


    満開のクサタチバナ


    バイケイソウ咲く斜面


    岩ゴロゴロの斜面


    クワガタソウがちらほら


    フタリシズカ


    元気の良いバイケイソウ


    下の谷も、向こうの尾根も、その向こうの谷も探したはずだが・・・

 残念ながら2日間探したが探し物は見つからず、稀少植物も何も出会うことが出来ない。かつては植生豊かな山だったはずなのだが、今ではほとんど何も無い山に変わり果てているような気がする。

 次週はいよいよ山梨県山岳連盟の有志が集い、この山の探索調査が行われる。その前になんとか探し出しておきたかったのだが、ありそうな斜面の目途すら立たずに調査の日を迎えることとなりそうだ。しかし、かなりの精鋭部隊が集まる調査会なので、ひょっとしたら最後の最後で逆転劇が待っているかも知れない。
    

 



コメント (2)
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