山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

三ツ峠清掃登山(その2) ~植生保護と維持のための清掃と花たち~  平成28年6月12日

2016年06月16日 | 番外編
 昨年・一昨年と山梨県山岳連盟主催の三ツ峠清掃登山に参加させていただいており、今年も花見隊をはじめとする知人の方たちをお誘いするつもりでいたのだが、今年は山岳連盟の別の会が三ツ峠で開催される運びとなり一般募集の清掃登山は日程的に困難となってしまった。そこで今回は私が個人的に声をおかけして混成チームで出かけることとなった。もちろん、花見隊を含めて花好きの人たちばかりであるが、花を観察するだけで無くて花の咲く植生を理解すること、そしてその植生を維持するためにはどのような取り組みが必要なのかということを知ることは、これからどのように花たちが変わって行くか、花たちを守るためにはどんな取り組みが必要なのかを知るうえで大変重要なことである。鹿の保護柵を全国に先駆けていちはやく設置し、テンニンソウや笹の除去を行うことで植生の保護と維持に取り組んできた三ツ峠は、それらを勉強するには絶好の場所であり、中心人物である三つ峠山荘の中村さんのお話はこの上ない参考となりこれからやるべき道を示唆してくれる。

 御坂側の三ツ峠登山口に8時半集合し出発。今回は数日後に5歳の誕生日を迎える幼稚園年中さんの子供と小学生の参加もあり、途中でおんぶして登るのを想定していたのだが、以外にも元気で、自力で山頂まで歩いてくれた。とにかく花好きのメンバーばかりが集まったので、全く急ぐことも無くわいわいがやがやと雑談しながらの楽しい登山で、ほとんど疲れることなく2時間ほどで三ツ峠山荘に到着した。


    登山道では咲き始めた矢車草がお出迎えしてくれた。


    三ツ峠山荘前から見る富士山。心配していた天候も大丈夫そうだ。


    アヤメは踏み付けに強いそうで、道の脇に元気に咲いている。

 小休憩してさっそく中村さんの案内で富士山形成の歴史や植生の変化、そして保護柵の中に入れていただき、マルハナバチによるアツモリソウの受粉の仕組みやツラスネラ菌とアツモリソウの共生関係、盗掘によって山にどのような変化が起きたか、さらには植生保護のために行っているテンニンソウや笹の除去とその効果などについてお話を伺った。今回は花好きで熱心なメンバーが多かったこともあり、中村さんのお話も熱が入っていたように感じた。


    ここに咲く花たちは本当に皆元気そうだ。


    大きな葉を出してみずみずしいオオバギボウシの群落。


    このような環境の中にあってこの花が元気に咲いてくれる。


    オオバギボウシとは仲が良いらしい。


    笹が茂っているところもあるが、この中にもまだ若い葉がいくつか生えていた。菌の活性が保たれる環境があれば育ってくれるようだ。


    お話を聞いた後に参加者全員でテンニンソウの除去作業を行う。根がはびこるテンニンソウは地下茎まで除去するのはかなり大変。

 清掃作業で軽く汗をかいた後、三ツ峠山荘前のベンチをお借りして昼食となる。わいわいがやがや、話は尽きない。その後、山頂に登ってみんなで記念撮影を行った。


    山頂で咲かせたバンザイの花。皆さん満足気な良い表情をしています。

 

    ツツジもいろいろ咲いている。サラサドウダンツツジ。


    シロバナ🎐ツツジ


    ムラサキ🎣がねツツジ

 今回もたいへん勉強になり、いろいろと刺激を受けた三ツ峠清掃登山だった。来年は山岳連盟主催で開催できると思うのだが、もし出来ないとしても今回のように有志を集めての清掃登山は行って行きたいと思う。

 参加してくださった皆様、ご苦労様でした。そしておつきあいいただいてありがとうございました。
    
コメント (2)
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