山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

遥か北の大地へ サハリン黒川湿原  平成29年6月28日

2017年07月01日 | 圏外編
 所属する山岳会嶺朋クラブのメンバーが主体となってサハリンのフラワートレッキングに行くツアーが特別に予定され、お誘いを受けた。5月には学会で出張したばかりだし、すぐには返事が出来なかったが、夏休みをもう5年ほどまともにとっていないことだし、おそらく今回行かないともう行く機会は無いだろう。とりあえずは参加枠だけとっておいてもらってあったが、正式な返事を必要とするギリギリのところで行くことに決める。参加者は私を含めて13名、そのうちの8名が嶺朋クラブのメンバーである。アルパインツアーで企画するこのツアー、おそらくゆっくり花の写真を撮っている時間は無いだろうが、それを承知で参加した。

 予定では6月27日の夕方4時半に成田を出発し、28日の朝から黒川湿原を3~4時間かけてゆっくり散策する予定だった。27日に飛行機に搭乗したまでは良かったが、2時間経っても飛行機が飛ばない。時々入る機長からのアナウンスもロシア語で何を言っているのかわからない。そのうち日本語でアナウンスが入り、電気系統の故障であと20分ほど、さらにあと40分ほど修理に時間がかかりそうだという。結局3時間近く機内で待機したが、最終的にその日は修理が完了せず、出発が出来なくなった。航空会社の手配でホテル日航成田に宿をとってくれて、飛行機が飛び立ったのは翌日28日の午前9時半になった。2時間ほどでサハリンのユジノサハリンスク空港に到着するが、2時間の時差があり空港到着は現地時間で午後の2時半になってしまった。

 天候が良かったので空港でバスに乗り、そのままユジノサハリンスクの北にある黒川湿原に移動する。移動に1時間以上かかり、黒川湿原散策は約1時間ほどしか時間がとれず、周回の予定が途中で引き返すことになってしまった。これも止む無しだろう。


    6月27日、サハリン行きの飛行機には登場したものの・・・電気系統の故障で飛行機は飛ばず、出発は翌朝となる。


    6月28日、今度は無事に飛んだ。下に見えるのはサハリンの南の端、海岸沿いに細い道が走っている他は道も家も何も無い。今は誰も住んでいないそうだ。


    ユジノサハリンスク到着。向こうに見えるのはスキー場のある朝日山、中央の銅像が立つのがレーニン広場。


    ユジノサハリンスク空港。建物は地味だが、空港は広い。ユジノサハリンスクは人口19万人のサハリンの首都、サハリン全体で約70万人の人口がある。


    ユジノサハリンスク郊外の田園風景。町の中にも普通にキンポウゲ(サハリンキンポウゲ)が生えているのには驚いた。


    サハリンキンポウゲが広がるお花畑の中には牛が放牧されている。

 4時半、黒川湿原に到着し、ワシリーさんという現地ガイドさんに案内していただき湿原に入る。この湿原は泥炭地という泥沼になっていて、長靴に履き変えて湿原の中を進む。


    当然ながら萼が反り返った西洋タンポポ。


    コウリンタンポポはまだ咲き始めたばかりでほとんどが蕾。


    サハリンキンポウゲはあちらこちらにたくさん咲いている。


    オオハナウド。茎に細かい棘があり、有毒で刺さると1ヶ月くらい腫れるらしい。


    オオイヌノフグリに似ているが、カラフトヒヨクソウという花。


    エゾムラサキ。別名ミヤマワスレナグサ。


    オオヤマフスマだと思う。


    ヤナギランがたくさん生えていたが花はまだ咲かない。


    いよいよ泥炭地へ踏み込む。場所によってはくるぶしあたりまで泥にハマる湿原を行く。


    カラフトイソツツジの大群落がある。


    カラフトイソツツジと湿原の沼。


    ホロムイイチゴ。石狩の幌向で最初に見つかったことからこの名前があるらしい。


    ホロムイイチゴ。キイチゴのような赤い実をつけるが、日本ではあまり食用にはされない。そもそも、個体数が少ないようだ。


    種になったヤチツツジ。


    幸運にも一輪だけ咲き残っていたヤチツツジの花。ヨウラクツツジに似ている。


    ヤチヤナギも花は終わっている。


    ツルコケモモ。サハリンではコケモモジャムだけでなくこのツルコケモモのジャムもあるらしい。


    時間は5時半近くなった。空は青空なのに、ここまでで撤退となる。

 時間の制約があり、湿原の半分も進めないうちにタイムアップとなってしまう。モウセンゴケがちらほらと生えていたが撮り忘れた。ここにはナガバノモウセンゴケも生えているらしいが、おそらくはもっと先のほうなのだろう。見ることが出来なかった。


    ユジノサハリンスクへの帰り際にバスを止めてこの景色を撮影させてくれた。


    驚いたのが道端に普通に咲いているこの花、オニシオガマ。デカい!

 予定通りに27日に飛行機が飛んでいればこの日は午後から市内観光があるはずだったが、そちらは中止となり、そのままユジノサハリンスク市街のレストランで夕食となる。メインはカツレツだったが、そのほかの何を食べても美味しい。特にハッシュドポテトがとても美味しかった。しかし、話には聞いていたが綺麗なお嬢様2人が料理を運んでくれたが、噂通り全く微笑むこともない接客は日本から行くとかなりの違和感を覚える。他の店もほとんど同じような接客なので、ロシアの飲食店は標準的にこのような愛想の無い接客なのだろう。


    少し時間があったので、レストランの向かいにあるレーニン公園に立ち寄った。既に時刻は9時近い。


    未明3時40分、ホテルの窓から見る景色。昨日とは打って変わって曇り空、前日は見えていたチェーホフ山も雲に覆われている。朝8時に出発の予定だ。
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