三ツ峠での高山植物勉強会の続きである。今回は着生植物と腐生植物について記載する。特に2018年レッドデータブック書き換えで2種類の着生ランが新たに登録され、絶滅危惧DD類(情報不足)だったムギランがⅠB類になったのでそれらの画像を提示する。
フガクスズムシソウ(絶滅危惧ⅠA類):富士山麓の広葉樹林の木の上に生育している植物。空気湿度が生育する上で大きく関与しており、霧が発生し易くて雨の多い樹林帯を好む。大部分がツガの植林帯になっている富士北麓だが、その中に残っている広葉樹林の森にわずかに生育している。
フガクスズムシソウ(富士北麓) 苔の生えた高い木の上に生育している。
形はスズムシソウに良く似ているが別物である。
ツリシュスラン(絶滅危惧ⅠA類):フガクスズムシソウと同じく空気湿度の高い富士山麓の広葉樹林の森にわずかに生育している。
ツリシュスラン(富士北麓)
平成28年は特別にたくさんの花を咲かせたがその翌年は葉のみで花は咲かせなかった。
マツラン 別名ベニカヤラン(絶滅危惧ⅠB類):今年から新たに絶滅危惧種に登録された植物である。富士北麓の森に生育しておりハウチワカエデを好んで着生している。
マツラン(富士北麓) ハウチワカエデの高い位置を好んで生育する。
樹皮の隙間に根を延ばして着生する。
ポリネーターの蜂が吸蜜している。
花が終わりの頃には紅色に変わる。
ムギラン(絶滅危惧種ⅠB類):2008年版のレッドデータブックでは絶滅危惧DD類(情報不足)だったが2018年版でⅠB類となった。南部町の川沿いに生えた木に稀に着生している。
ムギラン(南部町)
木の幹にびっしりと着生している。
豆のような偽球茎から葉を出している。まだ蕾の花茎も偽球茎から分枝しているように見える。
マメヅタラン(絶滅危惧種ⅠB類):レッドデータブック2018年版から絶滅危惧ⅠB類に登録された植物。ムギランと同じく南部町の川沿いの木に稀に着生している。
マメヅタラン(南部町)
びっしりと花を付けるその姿は圧巻だが、距離が遠いので双眼鏡で覗かないとその姿は見られない。
着生植物は高い木の上で生活するので食害とは無縁であるが、木が倒れたり枯れたりすることで生育が脅かされること、また数が少なく種を飛ばして木から木へ生育範囲を伸ばすことも確率的に難しいことが難点であろう。ただし、空気湿度を必要とするので地球温暖化には強い(むしろ好都合な)植物と言えるのではないかと思う。
次に腐生植物についてである。名称が菌従属栄養植物に変わったようであるが、今回は使い慣れている腐生植物の名前を使わせていただく。
トラキチラン(絶滅危惧ⅠA類):富士山山梨県側の寄生火山での生育が確認されているがそのほかに御坂山系や南アルプスでも見つかっている。いずれの場所も個体数は少なく年々減少傾向にある。
トラキチラン(富士北麓)
葉緑素を持たない腐生植物。半透明の花がなんとも言えない魅力的な美しさを持つ植物。
キバナノショウキラン(絶滅危惧種ⅠA類):富士山麓で生育が確認されているが近年花数が激減している。ナラタケの菌に従属している。
キバナノショウキラン(青木鉱泉)
レッドデータブックに記載の無い場所でも発見されている。
ミヤマツチトリモチ(絶滅危惧種ⅠA類):一見花とは思えないような形をしている。雌花は見つかっているが雄花は見つかっていないまだ不明なところが多い植物である。
ミヤマツチトリモチ(青木鉱泉)
一見キノコのようだがこれでも列記とした花である。こんなものを食べる虫も居る。
腐生植物は従属する菌によって個体数が大きく変わるので、数的な変化を見るには何年か経過を見て行かないと推移を見極めるのは難しいかと思う。しかし、トラキチランに関しては山梨県だけでなく八ヶ岳界隈の生育地も明らかに数を減らしているように見受けられる。どうすれば保護できるのかは全くわからない。
フガクスズムシソウ(絶滅危惧ⅠA類):富士山麓の広葉樹林の木の上に生育している植物。空気湿度が生育する上で大きく関与しており、霧が発生し易くて雨の多い樹林帯を好む。大部分がツガの植林帯になっている富士北麓だが、その中に残っている広葉樹林の森にわずかに生育している。
フガクスズムシソウ(富士北麓) 苔の生えた高い木の上に生育している。
形はスズムシソウに良く似ているが別物である。
ツリシュスラン(絶滅危惧ⅠA類):フガクスズムシソウと同じく空気湿度の高い富士山麓の広葉樹林の森にわずかに生育している。
ツリシュスラン(富士北麓)
平成28年は特別にたくさんの花を咲かせたがその翌年は葉のみで花は咲かせなかった。
マツラン 別名ベニカヤラン(絶滅危惧ⅠB類):今年から新たに絶滅危惧種に登録された植物である。富士北麓の森に生育しておりハウチワカエデを好んで着生している。
マツラン(富士北麓) ハウチワカエデの高い位置を好んで生育する。
樹皮の隙間に根を延ばして着生する。
ポリネーターの蜂が吸蜜している。
花が終わりの頃には紅色に変わる。
ムギラン(絶滅危惧種ⅠB類):2008年版のレッドデータブックでは絶滅危惧DD類(情報不足)だったが2018年版でⅠB類となった。南部町の川沿いに生えた木に稀に着生している。
ムギラン(南部町)
木の幹にびっしりと着生している。
豆のような偽球茎から葉を出している。まだ蕾の花茎も偽球茎から分枝しているように見える。
マメヅタラン(絶滅危惧種ⅠB類):レッドデータブック2018年版から絶滅危惧ⅠB類に登録された植物。ムギランと同じく南部町の川沿いの木に稀に着生している。
マメヅタラン(南部町)
びっしりと花を付けるその姿は圧巻だが、距離が遠いので双眼鏡で覗かないとその姿は見られない。
着生植物は高い木の上で生活するので食害とは無縁であるが、木が倒れたり枯れたりすることで生育が脅かされること、また数が少なく種を飛ばして木から木へ生育範囲を伸ばすことも確率的に難しいことが難点であろう。ただし、空気湿度を必要とするので地球温暖化には強い(むしろ好都合な)植物と言えるのではないかと思う。
次に腐生植物についてである。名称が菌従属栄養植物に変わったようであるが、今回は使い慣れている腐生植物の名前を使わせていただく。
トラキチラン(絶滅危惧ⅠA類):富士山山梨県側の寄生火山での生育が確認されているがそのほかに御坂山系や南アルプスでも見つかっている。いずれの場所も個体数は少なく年々減少傾向にある。
トラキチラン(富士北麓)
葉緑素を持たない腐生植物。半透明の花がなんとも言えない魅力的な美しさを持つ植物。
キバナノショウキラン(絶滅危惧種ⅠA類):富士山麓で生育が確認されているが近年花数が激減している。ナラタケの菌に従属している。
キバナノショウキラン(青木鉱泉)
レッドデータブックに記載の無い場所でも発見されている。
ミヤマツチトリモチ(絶滅危惧種ⅠA類):一見花とは思えないような形をしている。雌花は見つかっているが雄花は見つかっていないまだ不明なところが多い植物である。
ミヤマツチトリモチ(青木鉱泉)
一見キノコのようだがこれでも列記とした花である。こんなものを食べる虫も居る。
腐生植物は従属する菌によって個体数が大きく変わるので、数的な変化を見るには何年か経過を見て行かないと推移を見極めるのは難しいかと思う。しかし、トラキチランに関しては山梨県だけでなく八ヶ岳界隈の生育地も明らかに数を減らしているように見受けられる。どうすれば保護できるのかは全くわからない。