山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花と星の北岳へ 令和1年8月3日‐4日(2日目 後編)

2019年08月06日 | 高山に咲く花
 北岳2日目の朝、日の出前から東の空に昇るオリオン座を眺め、日の出を見てから山頂を目指して登り始めた。交換電池を3本持って来たと思っていたのだが1本は車の助手席に忘れてきてしまったようで、北岳山頂を目前にしてカメラの電池切れを起こしてしまった。途中で遅れて出発してきた山岳レインジャー隊のメンバーが追いついて来た。山頂で集合写真を撮ろうと思っていたのだがそれもままならず。さて、どうするか?


    残った電池でなんとか撮影したキタダケキンポウゲ。このカットを最後に撮影不能となる。高山性シダ撮影目的で持って来たマクロレンズで撮った唯一のカット。

 山岳レインジャー隊は北岳山荘まで下りるというので山頂で一旦別れ、私は山頂からトラバース道周辺の花と高山性シダの観察に行く。途中でもうキタダケトリカブトが咲き始めている姿を目にしてなんとか撮れないものかと考えに考えて・・・今まで一度も使ったことが無いスマホのカメラを使ってみることにした。電池残量は40%、何枚撮れてどのくらいの画質が得られるのかも全く分からず、その前に使ったことが無いので操作が分からない。スマホのカメラを起動すると何故か自分の顔が画面に写っている。これはどうやって切り替えるのか?そんなことから始まって、いろいろいじっているとなんとか撮影の仕方が分かってきた。ここから先は全てスマホで撮影した画像である。


    中腹の八本歯コルと北岳山荘分岐付近から見る間ノ岳。そこそこに写るじゃないか。


    キンロバイのお花畑


    タカネシュロソウ(ムラサキタカネアオヤギソウ)咲くお花畑


    シナノキンバイ


    キタダケトリカブトと間ノ岳


    ミヤマムラサキ


    タカネナデシコ


    咲き始めたシラネヒゴタイ


    ハゴロモグサ

 スマホのカメラだと風景はそれなりに写ってくれるが花の接写はなかなかうまく行かないことが分かってきたが撮れるだけ増しである。

 高山性のシダは予想では4種類見られるだろうと思っているがそれを確認するため不審者の如く岩の隙間や岩の下を覗き込みながら探してみると、やはり思っていた通りの4種類が確認された。


    昨年の秋にキタダケデンダだと思って撮影してきたシダはタカネシダだった。


    胞子嚢群は葉の中央付近に寄って配列している。


    葉の切れ込みが深いトガクシデンダ


    胞子嚢群は切れ込んだ葉の真ん中あたりに配列している。


    いちばん確認したかったのがこのシダ。昨年はタカネシダだろうと思っていたのだが画像を見直してみるとどうも違うようだ。


    胞子嚢群の配列を確認。やはり線状の胞子嚢群が葉の中央付近に配列している。これはアオチャセンシダだ。


    そしていちばん見たかったこのシダ、キタダケデンダ。


    胞子嚢群は葉の辺縁付近に配列し毛が生えている。

 山岳レインジャー隊と別行動にしてもらったのはこの4種類のシダを確認したかったからで、レインジャー隊のスピードで歩くととてもではないが岩の隙間に咲くこのシダを見て歩くのは不可能だったからである。胞子嚢群の配列は確認できたがまだ未熟なので出来れば9月に再確認に訪れることが出来ればと思っている。キタダケトリカブトと思っている個体の中にはキタザワブシやホソバトリカブトが混ざっているらしく、それらを見分けるのも今後の課題である。

 トラバース道の北岳山荘側で待っていると予定通りに山岳レインジャー隊が10時前にやって来た。合流して4種類のシダを案内しつつ下山の途につく。足の遅い私は寝不足の疲れが出たのもあって途中でペースに付いて行けず、1時間ほど遅い4時半の最終タクシーに乗って芦安駐車場に戻った。


    シロウマオウギ。リシリオウギもあったそうだが判別できず見落とした。まだまだ勉強不足。


    モミジカラマツがこんなに咲いているとは今まで気がつかなかった。普通のミヤマカラマツだと思って通り過ぎていた。

 カメラの電池切れで目的のひとつだった高山性シダの撮影はままならなかったがひとまず確認は出来た。星の撮影は想定していた以上の星空が広がってくれてそれなりに撮れたと思う。ミッションはコンプリートとは言えないが、ほぼ達成である。日差しが強くて顔と首が激しい日焼けを起こして痛くなり、少しばかり速足で歩いたので翌日は筋肉痛を起こした。しかし、今回も北岳は期待を裏切らず素晴らしい姿を見せてくれた。


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花と星の北岳へ 令和1年8月3日‐4日(2日目 朝の部)

2019年08月06日 | 星空
 目覚まし時計は3時15分にかけたが2時半に目が覚めた。もう少し寝ようと思ったのだが寝られそうも無く3時前に置き出してそっと布団をたたんで外に出る。水平線が白々としており東の空を見るとオリオン座の四辺形がもうすぐ全容を見せそうである。カメラ一式とザックを持ち出し、いつでも登山に出発できる体制にして撮影に取りかかる。


    東の空に昇ってきたオリオン座。雲海がうまく甲府盆地の明かりを遮ってくれた。


    西側の仙丈ケ岳の上には天の川が流れる。織姫星(ベガ 中央)と彦星(アルタイル 左)が輝く。


    水平線が次第に赤く染まってきた。


    薄明のオリオン座と富士山


    日の出を見るために山頂を目指している登山者のライトが輝いている。


    夜明け前の空のグラデーション


    雲海に浮かぶ朝富士


    鳳凰山の上から光が放射する。もうすぐ日の出を迎える。


    鳳凰山観音岳の上に真っ赤な朝日が昇る


    同上

 時刻は朝の5時、小屋の朝食はこれから始まるが、私は弁当にしてもらって山岳レインジャー隊よりも一足先に山頂目指して出発する。レインジャー隊は足が速く写真を撮っているとあっという間に姿が見えなくなってしまうので、一足先に出発してタカネマンテマなどを撮影しておこうという作戦である。


    朝日射す仙丈ケ岳。ほとんど焼けなかった。


    ミヤマオダマキ


    タイツリオウギ、ミヤマシオガマ、ハハコヨモギ


    目的の花のひとつ、タカネマンテマ。花期が遅れていてまだほとんどが蕾だった。


    高山性のシダを発見。おそらくトガクシデンダ。

 ここでカメラの電池切れになる。夜の星の撮影を行ったのもあるがフルサイズミラーレスカメラは電池の消耗が早く既に3個の電池を使ってしまった。もう1個持って来たはず・・・とカメラポーチの中を探すが交換電池が見つからない。どうやら充電してきたが車の助手席に置きっぱなしで持って来るのを忘れたようだ。さあ、どうする??まだ今回の目的のキタダケデンダを含めた高山性のシダの撮影が終わっていない。ピンチ!!(2日目後編に続く)

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