山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

八ヶ岳に生育しているシダの仲間たち  令和1年8月25日

2019年08月26日 | 番外編
 シダの仲間はまだ全く勉強不足で8割は何だかわからないというレベルである。その中でも高山の岩場に付着しているシダは少しだけ勉強したので特徴のあるものだけは少し分かるようになってきた。今回訪問した八ヶ岳でもシダを探しながら不審者の如く岩の隙間を覗き込みながらカメラを構えて写真を撮りながら登った。通りがかりの登山者に「ヒカリゴケですか?」と聞かれたが、秘密の草だと答えてやり過ごす。(実際には何のシダだか分からなくて答えられなかったこともある。)


    中腹にあったシダの仲間。ヒカゲノカズラ(ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)。この科のシダは特徴的な形をしているので調べ易い。


    良く似ているが胞子葉が柄を出さずに葉の先に付く。マンネンンスギ(ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)。


    こちらは葉が細くて平べったい。アスヒカズラ(ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)。山梨県絶滅危惧Ⅱ類。


    岩にたくさん着生したシダ。山中の岩場で良く見かけるシダ、ミヤマウラボシ(ウラボシ科ミツデウラボシ属)。


    胞子嚢群


    北岳で出会ったトガクシデンダに良く似ているが葉の尖り方が少し違うような気がする。


    胞子嚢群


    裏から透かして見た感じ。おそらくこれはナヨシダ(イワデンダ科ナヨシダ属)だろう。北岳にもあるらしく前回訪問時に見たものの中に混じっているようだ。


    普通に見かけるシダに混じってこれだけ葉の形が違っていた。(普通に見かけるシダも名前が分からないのだが・・・)


    おそらくヤマヒメワラビ(イワデンダ科ナヨシダ属)と思われる。マイナーなシダらしいが全く確信持てず。


    探していたのはこのシダ。


    平成23年に登った際にそれらしきものが写真に写り込んでいた。


    ヤツガタケシノブ(ホウライシダ科リシリシノブ属)。特徴的な形をした小さなシダ。


    胞子嚢群は巻き込んだ葉の辺縁に付く。

 他にもたくさんのシダを見てきたがほとんど何だか分からない。特に普通に生えているシダほど同じようなものが図鑑やインターネットにたくさん載っておりむしろ分からない。まずは分かりやすい特徴的なシダの仲間から少しずつ知識を広めて行きたいと思う。

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八ヶ岳に咲くミヤマアケボノソウ  令和1年8月24日

2019年08月26日 | 高山に咲く花
 今年から山梨県の特定指定種に指定されたミヤマアケボノソウであるが山梨県での生育地の情報はほとんど無く、八ヶ岳キレットあたりが怪しいかと思って権現岳からキレット小屋の尾根を探したが発見できなかった。もう1ヶ所ありそうな場所を花仲間が調査に行ってくれ、見事に探し出してきてくれた。間近で見られる場所では無く近付き難い急斜面の草地の中だと聞いたので200㎜望遠レンズを持って出かける。


    登山口付近から見上げる赤岳。山頂小屋が見える。


    尾根まで登って見上げる赤岳。「聳え立つ」といった感じの格好良い雄姿である。


    天候に恵まれたこの日は雲に浮かぶ富士山を望むことが出来た。


    眼前に赤岳が迫る。いよいよここからが本格的な登りになる。


    途中に立っているお地蔵さんは何者かに頭を持ち去られて代わりに石が置いてあった。


    おそらくこちらの尾根にもあるだろうと探していた花。もう結実しているがミヤマフタバラン。


    急斜面の尾根脇にもあった。


    コフタバランも結実して既に種を飛ばした後のようだ。

 核心部の登りは急峻な岩の斜面に長い鎖が取りつけられている。前回この尾根を訪れたのは記録を見ると平成23年7月だった。しばらくぶりに訪れるとこんな急峻なところがあったことをほとんど覚えていない。ミヤマアケボノソウが咲くという草地はその上にあるはずだ。


    急峻な鎖場を何本か登る。登りよりも下りのほうが怖い。


    その急峻な岩場にこんな贅沢なクロクモソウが咲いていた。


    クロクモソウとミヤマダイモンジソウ


    ハナイカリと咲き終えたムラサキタカネアオヤギソウ


    タカネコウリンカ


    トリカブト。高度的にホソバトリカブトだと思うが葉の幅はやや太め。


    花穂の毛は直毛だった。キタダケトリカブトはどうなっているのか、見に行ってみたいが行けるかどうか?


    岩場に付着したムシトリスミレの群落


    こんな変わったシダにも出会えた。

 さて、目的の草地に到着した。急斜面で下りるのは命がけになりそうなので、双眼鏡を使って草地の中を覗き込む。草むらから顔を出して咲いている黒い花が何株か見える。間違い無し、探していたミヤマアケボノソウだ。しかし距離が遠過ぎて200㎜望遠レンズでも追い切れない。


    探していた花は赤岳山頂直下の切れ立った草地の中に生育していた。


    ここを下りて探す気にはとてもなれない。


    黒い花が何本か草むらから顔を出して咲いている。200㎜望遠レンズでやっとこのくらいの距離。


    トリーミング。間違い無し、探していたミヤマアケボノソウだ。


    いちばん近い場所に咲いていた株だが、100㎜マクロレンズでは歯が立たない。


    200㎜望遠でやっとこれくらい。


    トリーミング。これならばなんとか来年の山岳レインジャー説明会で使えそうだ。

 ようやく出会えたミヤマアケボノソウだがそう簡単に近付けるような場所には咲いておらず、これが山梨県でこの花が発見されない理由であろうと思われる。斜面がきつく鹿もそう簡単に登って来そうな場所では無く、この花は地理的な条件で出来た天然の要塞に守られている花という印象を受けた。満足な撮影が出来たとは言えないが、とりあえずは今年の課題であった山梨県に咲くミヤマアケボノソウに出会うことが出来た。持つべきは良き花仲間である。

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富士山麓の寅探し  令和1年8月24日

2019年08月26日 | 山に咲く花
 何年ぶりかで訪問する富士山麓のトラキチランだが、訪問するたびに数を減らしているように見え、かつ、毎回いちばん良い時期を過ぎた頃に訪れているために新鮮な株を見ていない。今回は少し早いかも知れないこの時期に訪れてみた。


    古い作業道らしき道は倒木だらけで歩きにくく、これを上に巻いて尾根筋を行こうと目論むが・・・


    さらに倒木だらけの斜面に突入してしまい突破に一苦労する。


    林床に咲いていたギンリョウソウ。時期的にギンリョウソウモドキのほうか?


    シャクジョウソウの咲き残り。


    探し物の花と紛らわしい咲き終えたギンリョウソウ。


    ヒメミヤマウズラ


    森が乾燥化して苔が減りこの花もだいぶ少なくなったような気がする。

 GPSの登録地点に到着し周辺を念入りに探すがなかなか見つからない。やっと見つけた1本はまだ開花していなかった。これはフライングだったか?と思ったが・・・。


    やっと見つけた1本。


    しかしまだ開花直前の蕾。


    さらに探してみるとようやく開花したばかりの個体に出会うことが出来た。


    見つかったのは先ほどのものとこれの2つのみ。


    以前訪問した際は10本以上固まって咲いている株があったが、今回は見当たらず。


    見られただけでも良かったのだろう。

 山梨県では極限られた場所でしか見ることが出来ないこのトラキチランだが、いずれの場所でも個体数はかなり少なく咲かない年もあるようだ。この富士山麓の場所は山肌が乾燥化しつつあり、確実に個体数を減らしている。入山者の踏み荒らしだけが原因とは考えにくく、気象の変化の影響とシカ食害の2次的な影響が大きいだろうと考えている。


    本日は天候が良く暑さもそれほどでは無かった。森の中から見上げる富士山。


    クルマバナの咲く草原


    ヨツバムグラ?枝分かれが多いような?


    ミゾソバ

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