山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

花と星の権現岳へ 令和1年8月11日ー12日(2日目 キレット小屋編)

2019年08月14日 | 八ヶ岳・秩父山系
 ペルセウス座流星群は撮影出来なかったが権現岳の朝は山々が雲海に浮かぶ素晴らしい夜明けだった。小屋に戻って朝食をいただいた後、キレット小屋に向かって出発する。ひとつは植物調査のため、そしてもうひとつは山梨県から依頼を受けた蝶類保全のための看板を小屋に届けるためである。


    権現岳小屋に設置してもらった蝶類保全のための看板。これをキレット小屋にも届けるのが今回のミッション。


    朝の権現岳と富士山


    赤岳と阿弥陀岳。その手前に立ちはだかるのが旭岳。あれを超えてさらにその先のコブを2つ超えた先にキレット小屋がある。遠い!


    まずは難関の長いハシゴを降りる。帰りにまた昇り返すかと思うと先が思いやられる。


    旭岳と赤岳。旭岳のピークは巻いて超える。


    ヤマハハコの群生


    チョウジコメツツジ


    あの看板のところがツルネ。キレット小屋はもう少し先だ。見えている山は左が阿弥陀岳、右が赤岳。


    ツルネからの眺望は素晴らしい。間近に見える赤岳と阿弥陀岳。


    鋭い岩が突き出している赤岳が格好良い。


    コマクサがたくさん咲いていた。


    振り返ってみるツルネ。帰りはあれを登り返す。下に生えているのはシコタンハコベ。


    以外にもたくさん生えていたシコタンハコベ。こんなにたくさんあるとシコタマハコベだ。


    まだ赤い葯を付けている新鮮なシコタンハコベ。


    気難しいトウヤクリンドウが花を開いていた。


    タカネニガナと奥秩父山塊


    こんなところに奇怪な腐った花が・・・


    もう花は終わってしまっているがオニク。これでも絶滅危惧種。


    そして今回の調査対象種のムシトリスミレ。もう結実している。


    キレットで見かけたクモマベニヒカゲ。ベニヒカゲは普通に見かけるがクモマはあまり見かけない。

 なんとかキレット小屋まで降りて小屋番さんに看板を渡し、さっそく小屋の中の壁に看板を設置していただいた。今回探していた別の花の情報を伺ったがどうもキレットの周辺には生育していないようだし、草地の中を覗き込みながら歩いてきたがやはりそれらしき葉や花は見つからなかった。探していたのは今年から新たに特定指定種に登録されたミヤマアケボノソウである。八ヶ岳の長野県側では見かけているが山梨県側では見たことが無く情報も無い。探すには苦労しそうな気配である。

 ヘロヘロになって権現岳小屋に戻ったのは予定時間を1時間ほどオーバーした11時だった。昼食に小屋でラーメンをいただき、水を十分に補給して休憩後、天女山の登山口に向かって下山である。

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花と星の権現岳へ 令和1年8月11日ー12日(2日目の夜明け編)

2019年08月14日 | 星空
 未明2時50分に目覚まし時計をセットしたが2時半ごろに目が覚めてしまう。布団からそっと置きだして小屋の外に出てみると雲海の上に南アルプスが浮かんでいるのが見える。月は沈んでいて月明かりの影響は無いが霞と薄雲が出ていて満天の星空というわけには行かない。しかしこれだけの空が見られれば上出来である。昨年と一昨年も同じ8月連休に権現岳小屋に泊まっているがいずれも悪天候で星の撮影には失敗している。今回がいちばん良い星空だ。さあ、ペルセウス座流星群は見られるだろうか?流れたとしてもカメラ1台での撮影ではほとんど運試しで捉えることは難しいであろう。


    雲海に浮かんだ南アルプスと中央アルプス。権現岳小屋の前から。


    展望台に移動する。赤岳(右)と阿弥陀岳(左)。阿弥陀岳の上に輝くのが北極星。カメラ2台持って来れば1台はこの構図で流星群狙いだが今回は1台なので出来ず。


    ギボシの空を流れる天の川。右上で切れてしまっているのがペルセウス座流星群。画角に入らず残念。


    権現岳と富士山、そして東の空に昇って来たオリオン座。


    オリオン座と奥秩父山塊。


    権現岳と富士山、そして甲府盆地の町灯り。


    再びギボシと天の川。今度は夏の大三角形がきっちりと画角に入る。左上の白い線は残念ながら人工衛星。


    水平線と雲が明らみ出し、薄明の青い空が始まる。


    10分間この画角で固定してインターバル撮影。権現岳の上に1個だけ小さな流星が写っていた。


    赤岳と薄明の空


    星の輝きは次第に消えて行く


    権現岳と南アルプス


    雲海の富士山


    朝焼けの空と雲海の富士山


    権現岳と雲海の富士山


    朝焼けと赤岳


    朝日が昇る


    朝焼けの権現岳


    朝日差す雲海と富士山


    朝日差す雲海の南アルプス

 朝食は5時半なので日が昇った5時に撮影を切り上げて小屋に戻る。雲海の広がった山並と町明かり、そして星空を存分に楽しむことが出来た。ペルセウス座流星群は1時間で10個近く肉眼で見ることが出来たが満足な流星はカメラの視野で捉えることは出来なかった。カメラ2台を担ぎ上げて夜通し撮影を行えばそれなりに撮れるのであろうがとてもそんな体力は無い。

 小屋で朝食をいただいて、いよいよ難関のキレット小屋に降りる。往復4時間を想定していたが・・・そんなに甘くはなかった。


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花と星の権現岳へ 令和1年8月11日ー12日(1日目)

2019年08月14日 | 八ヶ岳・秩父山系
 今回の権現岳山行は植物観察(調査)もあるのだがそのほかに夜の星空とペルセウス座流星群、さらには山梨県からの依頼を受けて特定指定種蝶類保護のための看板を3ヶ所の山小屋に届けるというミッションがある。巨大な台風10号が遥か南の海上をゆっくりと北上して日本に近付きつつあるが8月3連休の山梨県にはまだ影響は及ばなそうで、むしろ空が晴れて星が期待できそうである。問題なのは猛暑だろう。山仲間4人で観音平から青年小屋を経て権現岳小屋に1泊の予定で入山する。


    朝7時半、観音平の駐車場はほぼ満車で道路まで車があふれていた。


    雲海展望台は雲が出て展望は無し。木がだいぶ伸びてきて展望が悪くなっている。


    押手川の編笠山分岐点。たくさんの登山者が休憩中だった。

 編笠山を越えても良かったのだが自分たちの体力とスピード、さらに暑さを考慮してここは編笠山に登らず巻き道を使って青年小屋まで行くことにした。お目当ての花の一つであったミヤマフタバランはそれなりの個体数が見つかった。


    ミヤマフタバラン。風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


    次々と見つかったミヤマフタバラン。昨年以上にたくさんの個体に出会えた。


    接写


    ミヤマフタバランの近くにはたいていキソチドリが咲いている。


    探していたが見つからなかったこの花、まさかここで出会えるとは。


    リンネソウ


    別の場所でも群生していた。


    木陰にひっそりと咲いていたミヤマシグレ。県によっては絶滅危惧種に指定されているが山梨県では指定無し。

 お昼頃に青年小屋に到着しコーヒーをいただきながら大休憩する。ここでまず1枚目の看板を小屋に届ける。ここから先は本日のハイライト、権現岳ザレ場のお花畑が待っている。途中から三脚を出して登山道を登る。


    ヒメシャジン。後ろに見えるのはギボシ(左)と権現岳(右)。


    タカネナデシコ


    ギボシ斜面とイブキジャコウソウ


    ヒメコゴメグサ


    岩の隙間に生えたタカネツメクサ


    ミヤマダイモンジソウ


    ミヤマヒゴタイ。後ろの編笠山は雲に隠れてしまった。


    そして見たかった花の2つ目、シコタンハコベ。


    こんな岩ゴロゴロの場所を好んで咲く。


    ミヤマアキノキリンソウと権現岳小屋。

 同行したメンバーから1時間近く遅れて4時半に権現岳小屋に到着した。他のメンバーは山頂付近のお花畑の観察に出かけていた。まずは脱水の補正に水を買って水分を十分に補給して休憩する。かなりのゆっくりペースだったので足はさほど疲れていないが水分が足りないようでなんとなく体がだるい。問題なのは明日のキレット小屋往復である。

 6時に夕食となり、おいしいカレーをお腹いっぱいいただく。日が暮れた7時過ぎに小屋の外に出ると明るい月が昇ってきていた。右に木星、左に土星を従えている月だが、明るすぎて天の川は見えない。


    権現岳の月。右に見えるのが木星でその斜め下にいる星がさそり座アンタレス、月の左に輝く星が土星である。天の川はちょうど月の位置に重なっていて見えない。


    権現岳小屋の上に輝く夏の大三角形


    ギボシと北斗七星、さらに春の大曲線。ギボシ左上の明るい星はうしかい座アルクトゥールス。月が明るすぎて星の輝きはいまひとつである。

 存分に花を楽しみながら登ってきた権現岳。山梨県では初見のリンネソウにも出会えて大満足である。明朝は月が沈んだ未明3時ごろからが星の観察に好条件になる。1日早いペルセウス座流星群も期待できるだろうし、薄明の空に昇って来るオリオン座も富士山と一緒に撮れるはずである。目覚まし時計は2時50分にセットして8時半に寝る。



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マツノハマンネングサは少し遅かった 富士山麓の森  令和1年8月10日

2019年08月14日 | 山に咲く花
 この季節の富士山麓は午後になると雷雲が発生することが多く、何度かこのマツノハマンネングサを見に行こうとしたのだが雷鳴が轟き引き返している。この日も甲府を出発した時は晴れていたのだが登山口に到着した頃には霧が出始めていた。そして山の中腹あたりまで登ったところでゴロゴロと遠雷が轟き始める。急いで登って急いで写真を撮って・・・と思いつつも気が焦るばかりで傾斜のきついこの山はなかなか目的地に到着できない。幸いなことに雷雲の直撃は避けられ、1時間ほどで雷鳴は止んだ。


    この倒木に着生しているマツノハマンネングサを期待していたのだが・・・


    もう大部分が散ってしまっていた。


    咲き残りの花。


    もう1ヶ所、木の高いところに着生している株は見頃だったが・・・


    蜘蛛の巣がたくさん張っていていまいち。


    とりあえず見られただけでも良かった。


    オシャグジデンダが着生する木。真ん中あたりには別のシダが着生している。


    イワオモダカ。胞子嚢はまだ見えない。

 なんとか雨に降られずに撮影を終えて山から下りる。林道脇の草むらをのぞき込みながら歩いていると、まだセイタカスズムシソウが咲き残っていた。


    林道脇に咲いていたセイタカスズムシソウ。


    この場所に咲く株は大きくて立派である。


    上から接写

 もっと濃い黄色の花を期待していたのだがマツノハマンネングサの花の色はこんなものなのだろうか?来年にまた期待したい。


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