山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

沢沿いに咲くネコノメソウとスミレたち他 甲斐市北部  令和2年4月19日

2020年04月20日 | 里に咲く花
 未明3時起きで撮影に出かけたのでさすがに眠い。しかしもう1ヶ所どうしても行ってみたいところがあった。富士山麓から峠を越えて甲府盆地が見えるところまで来た時には時刻は午後3時を過ぎていた。しかし、高速道路を使って移動すれば2時間くらいは散策出来そうな時刻である。ガムを噛みながら眠気と闘いつつ、甲斐市の奥にある沢を訪れてみる。コガネネコノメソウが見ごろを迎えているので見たいということもあるのだが、それ以上に花仲間が山梨県ではほとんど見かけることが無い花を見つけ出してきてくれた。10年くらい前に茅ヶ岳の登山道で一度だけ見たことがあるがその後は絶えてしまったのかお目にかかっていない花である。


    ヒナスミレは満開を少し過ぎた頃で、痛み出している花が多くなっていた。


    エイザンスミレは咲き始めたばかりである。


    葉がギザギザの交雑スミレは残念ながら今年も花芽を付けていない。


    変わりもののヒナスミレが1株だけ咲いていた。花弁の色が薄紫色である。


    距は白い。おそらくはシロバナヒナスミレの一種であろうと思われる。来年も咲いてくれるかどうか?


    コガネネコノメソウは見ごろを迎えていた。


    まばらだが、数は結構あるコガネネコノメソウの花園


    渓流に咲くコガネネコノメソウ


    沢沿いにもそこそこに咲いている。


    沢沿いに咲くコガネネコノメソウ


    ハナネコノメソウはもう終わりかけである。


    渓流の流れに咲くハナネコノメソウ


    かろうじて葯が残っている。

 さて、花仲間に電話して珍しい花の在り処を詳細に聞いて現地に行ってみる。あっさりとその花は見つかったが1株しか咲いておらず、聞いた個体とは別のものを見ているのかも知れない。


    見たかったのはこの花。


    キバナノアマナ。


    絶滅危惧種には入っていないが、山梨県ではほとんど見かけることが無い。


    やや黄緑色がかった黄色い花。花の柄はいかにも華奢な感じがして、この個体も既に倒れていた。


    こちらは既に花柄が千切れて無くなっていた個体


    周辺には花を咲かせていない若葉が数本あった。全部で10株は無いのではないかと思う。

 沢の近くに生育していたのでさらに周辺の同じような環境の場所を探せば生育している可能性は高いと思う。しかしこの花、華奢で細いうえに周辺の景色に溶け込んでいて目立たず、その気で探さないと見つからなそうである。生育していることは分かったので、次からこの界隈の沢に入る時は注意しながら歩いてみたいと思う。貴重な花情報を提供してくれた花仲間に感謝である。
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富士北麓を散策 令和2年4月19日

2020年04月20日 | 山に咲く花
 春先にこれほどの澄んだ青空が広がる日は珍しい。富士山麓を吹く風はまだ少しばかり冷たいが散策するには絶好の日和である。恒例となっている樹海の森に咲く着生ランを見に行ってみる。高い木の上に咲くこの花は午後になると日が陰ってしまい撮影が難しくなる。かつ、風で木が揺れると画像がブレてしまう。超望遠レンズでの撮影は条件が難しい。


    まだ早いのではないかと思っていたが、もう咲いていたベニカヤラン。


    七分咲きといったところだろうか。


    風が比較的穏やかで陽が当たってくれていたので、シャッタースピードが速くブレも少なくて撮影が出来る。


    トリーミング画像。いつも撮っている株はいつもと同じように花を咲かせていた。上側に子分が増えたようだ。


    こちらもいつも撮影しているツリシュスラン


    花芽が見えていない。周辺の苔が脱落して風前の灯といった様相である。今年は咲かないのかも知れない。

 樹海の森の中にシダを散策に出かけてみる。樹海の森ではまだ春早いこの季節には花はほとんど咲いていない。


    いつもの場所にいつものように1株だけ生えているオオクボシダ。何株か生えている木があったのだが探しても見つからず、脱落してしまったかも知れない。


    木の幹に着生したコケシノブの仲間


    全体的に立ち上がるように着生しており軸から分岐する裂片の角度が広い。ホソバコケシノブと思われる。


    難しいのがこのイタチシダの仲間。


    基部の細い鱗片


    ソーラスはやや大き目


    トリーミング。中間部の鱗片は根元が袋状である。おそらくこれはヤマイタチシダと思われる。


    本日見たかったのはこの苔の生えた岩に生えるシダである。もう芽吹いているだろうと思ったのだが、残念ながら何も出ていなかった。

 見たかったウサギシダ(アオキガハラウサギシダ)の新芽はどうなっているのか見てみたかったのだが、残念ながらまだ何も出ていなかった。コイチヨウランが咲く頃に再訪してみたいと思う。

 もう1ヶ所、この季節にどうしても見に行ってみたい場所があった。まだ見たことが無い少し変わったリンドウが咲くらしいのだが、広大な草原の中のどのあたりに咲くのかは全く情報が無い。見つからない可能性が高いのだが下見だけでもしておかないと探せない。


    広大な草原は野焼きが行われたばかりで、まだいぶ臭さが残っていた。


    それにしても今日の富士山は真っ白で凄い。距離が近付くとなおさらその凄さが際立つ。


    まだ何も咲いていない道路


    ヒロハノカワラサイコの葉


    咲いているのはこのキジムシロくらい。期待していたリンドウは、まだフデリンドウさえ生えていなかった。


    樹林の林床を散策してみる。


    ネコノメソウ属が少し咲いていた。


    どうやらニッコウネコノメソウらしい。

 野焼きが行われたばかりの草原はまだいぶ臭さが残っており、少しだけ草が生えているだけで焼かれていない場所にキジムシロが咲いているだけだった。まだ時期的に早いのであろう。コケリンドウという珍しいリンドウがこの草原に咲くらしいのだが、見つかるのかどうか?日曜日にしか入れない場所なので散策にも制限がある。いつか見てみたいものである。






    
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朝霧高原周辺の春の花散策  令和2年4月19日

2020年04月20日 | 里に咲く花
 田貫湖のダイヤモンド富士を早々に切り上げて朝霧高原に移動する。野焼きで黒く焼けた広大なカヤト野原とその向こうに立つ真っ白な富士山は対照的で、雪を湛えて真っ白になった富士山の白さがさらに際立って見える。この季節にこれだけ白くてクッキリした富士山を眺めるのも珍しい。時刻はまだ7時前であるが、さっそく花散策に出かける。4月初旬にも一度訪問しているがまだ少ししか咲いていなかったスミレを見に行ってみる。


    野焼きしたカヤト野原の向こうに聳え立つ白い富士山


    見たかったのはこの黄色いスミレ。前日の雨で少し泥を被っている。


    満開直前といった感じである。


    鮮やかな黄色のスミレ


    朝日を浴びる


    横顔


    野焼きの後の野原に咲くたくましいキスミレ

 場所を移動して、こちらも4月初旬に訪れている場所を再訪してみる。おそらく、満開になっていると思うのだが?


    この小さくて白い花がだいぶ増えていた。


    セントウソウ


    咲き始めのまだ小ぶりなニリンソウ


    会いたかったのはこの花。しかしまだ陽が低くてお目覚めでは無い。


    半開きのトウゴクサバノオ


    日当たりの良い場所を探すと開いている花があった。


    小さな可愛らしい花


    全開のトウゴクサバノオ


    セントウソウとトウゴクサバノオ


    満開で花数は増えていたが必ずしも花を開いてくれているわけでは無いことが分かった。

 花もなかなか思うようには写真を撮らせてくれないものである。満開で全開のトウゴクサバノオを朝の斜光線で撮ってやろうと思ったのだが、この花は少し気むずかしいところがあって陽が当たらないと開いてくれないようである。またの機会に撮り直してあげたい。
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月とダイヤを追いかけて 田貫湖他  令和2年4月19日

2020年04月20日 | ダイヤモンド富士
 前日と本日は長者ヶ岳でダイヤモンド富士になる日だった。しかし前日は天候悪く朝から雨、午後になって雨が上がり青空が広がった。明朝はおそらく絶好のダイヤモンド富士日和になるだろう。しかし、テントを担いで山頂泊するほどの元気は無く、かといって車中泊して未明から登るほどの気力も出ない。コロナの感染リスクは単独で山に登るのならば安全だろうとは思うのだがやはり気が引けてしまう。ならば下から狙ってはどうか?ということでダイヤの位置を調べてみると、田貫湖の左端でギリギリでダイヤモンド富士が狙える。撮るならば、もちろん剣ヶ峰から昇るティアラ狙いである。その前に月齢26の細月が昇って来るので、朝霧高原道の駅付近から剣ヶ峰に昇る細月を撮影してから田貫湖ダイヤモンド富士を狙うという作戦をとる。未明に起きられるかどうかが一番心配だったが、11時に寝てなんとか未明3時に目が覚めた。


    朝霧霧高原道の駅に行く前に精進湖に立ち寄る。ちょうど月が昇り始めたところだった。


    富士山の上に輝くのは右から木星、火星、土星である。右側には天の川が見える。

 薄明の精進湖の景色が素晴らしく、ちょっと立ち寄りのつもりが少し長く居過ぎた。急いで場所を移動するが途中から見る月はもう富士山の山頂と同じくらいの高さまで昇っているように見える。現地到着して大急ぎでカメラとレンズを揃えて撮影地に向かうが、残念無念、その途中で剣ヶ峰の脇に月が姿を現してしまった。数分の差で月の出に間に合わず。


    月齢26の月が剣ヶ峰の上に現れた。この月を剣ヶ峰と重ねて撮るはずだったが、数分の差で間に合わず。


    地球照の月になるはずだったが、暗めに撮ってもこの月は微妙に地球照の月にはならない。時間的なことと少し太めの月であることもあるだろう。


    それなりに良い情景ではあるが、狙った獲物は逃してしまった。

 次の田貫湖ダイヤモンド富士まではまだ1時間以上時間がある。コンビニに立ち寄って朝食をとってから現地に向かう。まだ真ん中までは太陽が来ないことと非常事態宣言であまり人は来ていないだろうと思っていたのだが、想定外に駐車場は満車で止まれず道路までずらりと車が並んでいる。手前にある神社の駐車場が辛うじて空いていたのでそこに車を止めて撮影地に向かう。座標点には既に先客あり、装着している装備から見てティアラ狙いでは無いようである。わずかに位置がずれるがその脇でカメラ3台をセットする。ちょうど前方に桜の花が垂れ下がっていてこの場所はカメラマンが避けたようである。ならば、その桜を前景に入れてダイヤを撮ってみよう。


    桜と富士山。太陽は右端の剣ヶ峰から昇って来る。うまくダイヤが撮れますかどうか?


    Borg200mm。雪煙が多過ぎる。おそらくティアラは無理だろう。





    やはり雪煙に阻まれて光芒は出ず。




    1140㎜は装着するフィルターを間違えたこともあるが全く光芒は出なかった。


    普通に撮ったダブルダイヤはそれなりに写った。インターバルタイマー3秒の連続撮影。


    桜とダブルダイヤモンド富士。左側のコブシの花のように見えるのは若葉。

 ティアラは富士山を見た時の予想通りに失敗に終わった。天候だけでなく風や霞などの気象条件に大きく左右されるティアラはやはり撮影は難しい。これから本格的な田貫湖のダイヤモンド富士が始まるのであるが、例年通りに大混雑するのだろうか?屋外だから感染リスクは低いかも知れないが肩を触れ合うほどに混雑するのは怖い気がする。
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