山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

沢沿いに咲くチチブシロカネソウに会いに行くが・・・  令和2年5月10日

2020年05月11日 | 渓谷
 5月連休中にどうしても会いたかったのが今回見に行ったチチブシロカネソウである。昨年は櫛形山で咲いたものも確認したが心配しているのは山梨県東部の沢沿いに咲くこの花である。昨年の台風による豪雨で沢が荒れている可能性が高く、果たしてどうなっているのかずっと心配していた。林道ゲートが開いていれば訪問するのはさほど難しくは無いが、緊急事態宣言が延長されてゲートが開いていないうえに入山の自粛がかかっている。しかし何としても見ておきたいので、登山自粛されている登山道を使わせてもらって沢に入る。念のためザイルを持って行くがまず使うことは無いだろう。


    5月7日から登山自粛は解除されて林道も開くはずだったが、いつになったら解除されるのかは未定。しばらくは長い林道歩き。


    林道脇の岩に付いていたイワデンダ


    横の沢沿いに咲いたミヤマキケマン


    沢の入り口に到着した。咲き始めのサンリンソウ。おそらくお目当ての花も咲いているはずだ。


    最初の渡渉点で沢を見て不安が的中していた。倒木だらけだ。


    だいぶ荒れていて沢沿いの登山道は半分近く消失。


    流木の瓦礫。左側には無事だった登山道。


    残った登山道に咲くサンリンソウ


    コチャルメルソウ


    だいぶ流されて減ってしまっていた。


    ツルネコノメソウも


    ニッコウネコノメソウも


    フタバアオイも数が減った。シコクスミレは出会えず。


    なんとか崩れずに残っていたチチブシロカネソウの葉。その向こうは斜面が崩れてしまっている。


    咲いてくれたがかなり危うい場所である。


    よくぞ生き残ってくれた、という感じのチチブシロカネソウ


    かつては10株近く固まって生えていた場所が何ヶ所もあったが、今年はこの3株咲いているのがいちばん多く咲いていた場所である。


    沢沿いに咲く美しいチチブシロカネソウ


    同上。

 心配は的中してしまい、沢は荒れて斜面が削り取られ、多くの植物が流出してしまった。なんとか咲いてくれてはいるがチチブシロカネソウは半減してしまっている。復活してくれれば良いのだが、今年も台風の被害に遭わないとも限らない。今後が心配である。

 シダも見て回って来た。


    何だろうか?さっぱり分からず。左下にゴソゴソと出ている小さいほうはオウレンシダと思われる。


    ツヤナシイノデだろうと思ったがここの個体はずいぶんと毛が多く、葉にも毛がたくさん生えている。これはイワシロイノデかも知れない。


    帰りの林道脇で見つけた白っぽいイヌワラビ、ニシキシダ。イヌワラビの白花品といった感じである。

 シダはまだ葉を十分に展開していないものが多く、写真はたくさん撮って来たが分からないものが多数である。6月におそらく再訪するであろうから、その時にしっかりと見直してきたいと思う。台風恐るべし、これ以上の被害を被らないことを祈りたい。


    林道脇に咲いていたムラサキケマンの群落。なかなか綺麗である。


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櫛形山北伊奈ヶ湖周辺のシダを巡る(その2)  令和2年5月9日

2020年05月11日 | シダの仲間
 新鮮な葉を広げているシダやまだ葉を広げていないクルッと巻いた芽吹きのシダは何だか分からないものばかりであるが、それはそれで面白い。これからどういうふうに変わって行くのかも楽しみである。北伊奈ヶ湖周辺は遊歩道が整備されており、沢沿いに下りる道があったので行ってみる。そちらにはまたちょっと違ったシダが生育していた。


    新緑の北伊奈ヶ湖


    沢に下りる道、清流水昆虫ゾーンに行ってみる。


    先ほどのヤマヒメワラビと思わしきシダとはちょっと形が違うシダが現れた。


    最下部の羽片が一番大きく張り出している。


    黒っぽい鱗片がいっぱいに付着している。これはあちらこちらで見てきたキヨタキシダだろう。


    こちらがヤマイヌワラビと思わしきシダ。似ているが最下羽片が小さく全体的な形が違う。並べてみると違いが分かる。


    これも一見すると似ている。


    根元を見ると白い毛がたくさん生えている。ハクモウイノデ。


    葉に光沢が無いイノデに出会った。


    水の周りを好むらしい。


    葉を展開した大株。毛深い。


    根元には幅の広い大きな鱗片がいっぱい。


    中軸の部分も鱗片がいっぱい。


    ソーラスは小羽片の真ん中あたりに付いている。これはツヤナシイノデであろう。良く似たイワシロイノデと比べてみないと断定は出来ない。


    沢沿いに黄緑色鮮やかな大型のシダが群生していた。良く目立つ。


    流線型のこの格好良い形はポルシェのボディ(?)のようだ。胞子葉は秋になると出るらしい。クサソテツ。


    沢の岩壁に生えていたイワデンダ。


    カントウマムシグサ


    中軸が黒くて綺麗なシダ。


    真っ黒な鱗片、ミヤマクマワラビ。


    遊歩道は沢の際までで終わっていた。ここで引き返す。


    今は歩かれていない古い道を登ると、シラネワラビとはちょっと感じの違うワラビの類いに出会う。


    シラネワラビに比べて鱗片は薄く、全体的に華奢である。


    ソーラスの形跡らしきものがある。小羽片の葉軸周辺に付着している。


    ひょっとしてこれはテバコワラビか?もう少し成長してからでないと確定は出来ない。

 まだソーラスを付けていない若いシダは新鮮で美しく、何だか分からないのでいろいろと想像しながら観察しているとなかなか面白い。予想はおそらく外れているものが多いだろうがそれはそれで良し、またシダが成長してから見に来る楽しみがあるし、自分自身の成長も楽しみである。


    これはハリガネワラビか?やっぱり分からない。
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櫛形山北伊奈ヶ湖周辺のシダを巡る(その1)  令和2年5月9日

2020年05月11日 | シダの仲間
 櫛形山中腹に生育する花とシダを見たくて出発したのだが、伊奈ヶ湖の駐車場まで行くと大きな看板が目に付いた。「入山を控えてください」という南アルプス市が設置した看板である。さほど危ないコースでは無いので大丈夫とは思うのだが万が一のことがあるといろいろなところに迷惑をかけてしまう。花の時期はすぐに終わってしまうが、ここは我慢して登るのを止め、伊奈ヶ湖周辺を散策してみることにする。伊奈ヶ湖の施設は休館中であるが駐車場は閉鎖されていなかった。何度も利用している駐車場ではあるが伊奈ヶ湖周辺を歩いたことは一度も無い。良い機会である。


    伊奈ヶ湖駐車場のところに立っていた看板。これを見て櫛形山の入山は止める。


    伊奈ヶ湖の案内板。今回は北伊奈ヶ湖の周辺を巡り歩く。さほど珍しいシダは無いであろうが、今の私のレベルにはちょうど良い。


    いきなり出てきた毛むくじゃらの芽吹き。何だか分からない。


    葉軸が黒い。ヤマイヌワラビだと思う。


    同じものだろう。いちばん根元に近い部分の羽片が上記のものに比べて小さいのが気になる。


    小さめの最下羽片、茶色い鱗片が薄めに付着している。正体はソーラスが付着するまでおあずけ。


    猪の手のような毛むくじゃらの芽吹きのシダ


    正体はこれ。イノデでは無くてオシダ。


    幅広の鱗片の真ん中にはこげ茶色の筋が入っている。


    櫛形山の中腹原生林に群れを成して生えているのがこれだろう。


    こちらも普通に群生して茂っているシダ、シラネワラビ。


    芽吹きのシラネワラビ。毛が多い。


    草地にはサクラスミレがちらほらと咲いていた。


    薄ピンク色のスミレ。珍しいものかと思ったが・・・


    周辺に咲いているものを見てみると、ニョイスミレの変わりものらしい。


    新しい葉を展開したばかりのシシガシラ。


    たくさん生えている。パラパラと新緑の葉を出すオサシダとはだいぶ違う感じがする。


    黄緑色鮮やかなこのシダは?


    茶色くて細めの鱗片


    さらにアップで見てみると真ん中にこげ茶色の筋が入っている。これはヘビノネゴザか?


    たくさん生えている。これもソーラスが付くまでおあずけ。


    まだ葉を展開していないトラノオシダ。栄養が良いのか大きい。


    新緑の北伊奈ヶ湖


    湖畔に生えるゼンマイ


    まだ葉を展開していないゼンマイ

 芽吹いたばかりでまだ葉を展開していないシダやまだ葉を展開したばかりの新鮮なシダを多数見て歩いてきた。ソーラスが付いていないので分からないものが多いのだが、おそらくはソーラスを付けても判別できないものが多数あるだろう。今のレベルではこの程度であるが、焦らずに観察して行けばそのうち答えは出てくるだろうと思う。絶滅危惧種のシダも良いのだがこういう普通に生えているシダの観察が今の自分には向いている。北伊奈ヶ湖周辺を1週して今度は沢のほうに下りてみる。(その2に続く)

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