先週に続いて八ヶ岳の花散策であるが別の場所である。この場所もここ数年のこの季節の恒例となっている。

登山道脇に1本だけオニノヤガラが生えていた。もうすぐ咲きそうである。

鹿の食害で激減してしまっているエゾスズラン。群生した株は今年は見当たらなかった。

なんとか生き残ってくれているケブカツルカコソウ

この花もまた鹿の食害でだいぶ小さくなってしまった。

ヤマトキソウは食害に遭っているわけでは無さそうだが、今年はあまり見かけない。

葉のみで花を咲かせていない個体が多数見られた。

ヤマサギソウは笹に飲まれて減少傾向にある。

ヤマサギソウの花。上萼片はバンザイするように上向きに開き、距は長く緩く下向きに曲がるものが多い。

クチバシシオガマ。ヨツバシオガマから名前が変わったらしい。

タカネグンナイフウロもだいぶ数が少ない。

ムシトリスミレはもう花が散って結実しかけていた。

ニョホウチドリはほぼ満開。しかし、登山道脇では今年は発見出来なかった。

カモメランはもう終盤である。花が確認できたのは2株のみ、葉の数は年々減少しているように見受けられる。

タカネアオチドリ。これも笹に飲まれつつあり、個体数は少ない。

もう終盤で唇弁はしおれ始めている。

新たな場所で発見したタカネサギソウ。この花は意外と数が多いことが分かってきた。

先週は発見出来なかったコハクランであるが、今回は同行した花仲間が探し出してくれた。

この株は根元が傷んでいて倒れかけていた。

6月に設置した保護ロープ。たるんでしまっているのではないかと心配していたが丈夫なロープでほとんどたるんでいなかった。
保護ロープの修復が必要になるのではないかと思っていたのだが、杭は抜けておらずロープもしっかりと張られていた。ロープ設置の効果はあったようで、今年は草地内の踏み跡はほとんど無かった。しかし、草地内の貴重な花が増えているわけでは無く、今後どうなって行くのか、厳重に経過を見る必要がありそうである。
地味な植物も見て回って来た。

ヒメハナワラビ。ほぼ例年通りであるが、もともと個体数が少ない。

イワスゲ。山上ではあまり珍しく無い。

小穂は茶色でスリムである。雌小穂の鱗片は細くて長い。

ミヤマウシノケグサではないかと思われる。

これはカニツリグサの仲間と思われる。

芒は長く、真直ぐなものと折れ曲がったものがある。

茎には軟毛が密生している。これはリシリカニツリではないかと思われる。
まだ勉強不足のイネ科植物は同定に全く自信が無い。これからの課題であるが、8月に北岳再訪する際には時間の許す限りじっくりと観察してきたいと思っている。おそらく、八ヶ岳も再訪することがあるだろう。

心配していたこの花はもう終わっていた。ロープを張ったが撮影のため周辺の草がむしり取られているのは非常に残念である。