山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

夏の北岳へ(2日目後編) 令和3年8月29日

2021年09月03日 | 高山に咲く花
 早朝5時半に北岳肩の小屋を出発し、花を見ながら9時に北岳山荘に到着した。休憩して水をいただいて、これからが本日の本番、トラバース道に向かう。目的のサンプクリンドウやアカイシリンドウが咲いているはずである。それと6月下旬に訪問した際はまだ葉を展開していなかったヤツガタケシノブやイワウサギシダも見ごろになっているはずである。


    雲に浮かんでいる富士山


    この季節の北岳トラバース道を代表する花、キタダケトリカブト。


    キタダケトリカブト。葉の切れ込みが深い。


    花柄に生えている毛は屈毛である。もしも直毛だったら、それはホソバトリカブトであろう。


    お目当てのサンプクリンドウが咲いている。


    サンプクリンドウ


    天候に恵まれて花は全開である。


    咲いているのを見るのは初めてである。


    アカイシリンドウ


    アカイシリンドウの花


    岩の隙間を覗き込んでシダを探す。やっと見つかったヤツガタケシノブ。この株しか見つからなかった。


    トガクシデンダ。小型のものばかりだった。ナヨシダとの区別がまだいまひとつである。


    タカネシダ。個体数は少なく、減っているように見える。


    イワウサギシダ。確認できたのはこの1ヶ所のみ。


    石灰岩の隙間から生えるキタダケデンダ。


    キタダケデンダは、発見以来あまり変わっていないように見える。


    たぶんヒゲハリスゲ。種が丸く無く扁平である。


    クロミノウグイスカグラ。右上に茂っているのはクロマメノキ。


    見たかったのはこの黒紫色の実。もう少し大きい実が成るのかと思っていたがギンナンの実くらいの大きさだった。

 見たかったサンプクリンドウとアカイシリンドウは想定していた以上にたくさん咲いていた。しかし、もう1種類のリンドウの仲間、ヒメセンブリはまだ時期が早かったようで1株も見つからなかった。ここでもまたメンバーから大幅に遅れをとってしまう。八本歯のコルを12時に下山開始すれば最終バスには余裕で間に合うはずであるが、ほぼ予定通りの時間に通過となった。


    赤い実が成っていたオオヒョウタンボク


    オオヒョウタンボクの実


    少し枯れ始めたカラフトメンマと鳳凰山


    ソーラスは小羽片の葉軸と辺縁の中間あたりに付着する。


    草を食べ尽くしてよほど食べ物が無いのか、食害に遭ったカラフトメンマ。

 稜線上は涼しい風が吹いていたが大樺沢に下りてくると風が無く蒸し暑い。汗だくになって途中で水が尽きてしまい、沢の水を2度汲んで飲んだ。上流側の沢の水は雪解け水が入っているのか、冷たくてとてもおいしかった。最終バス出発の30分前に広河原バス停に到着した。メンバーの足を引っ張ってしまい申し訳なかったが、たくさんの花やシダや植物に出会えた充実した山行となった。星空も素晴らしかった。しいて言うならば、イネ科やカヤツリグサ科の植物はこの時期だと既に遅く、8月初旬がベストシーズンなのではないかと思う。来年また訪問できるならば、キタダケカニツリとリシリカニツリをしっかりと見分けてみたいと思う。

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夏の北岳へ(2日目前編) 令和3年8月29日

2021年09月03日 | 高山に咲く花
 前夜は筋肉痛のための痛み止めと、睡眠薬を飲んで寝た効果が出てぐっすりと眠れた。そしてほぼ予定通りの未明3時半に目が覚めた。寝具を片付け、出発の準備をして4時に小屋の外に出る。


    薄明の空に昇って来たオリオン座と冬の大三角形


    仙丈ケ岳と夏の天の川


    仙丈ケ岳の上に天の川が立ち昇っているが、半月くらいの明るい月が照らすため星はあまり写ってくれない。


    富士山の上に昇るオリオン座と冬の大三角形


    日の出を山頂で迎えるために既に出発している人たちがたくさん。


    テント場と夜明けの富士山


    朝の空のグラデーション


    夜明けの富士山

 朝食は5時からでちょうど日の出の時間と重なってしまうため、日の出目前にしてカメラを撤収し朝食のために順番をとって並ぶ。本日は山頂を越えて北岳山荘まで行き、折り返してトラバース道を通過し八本歯のコルから左又を下るコースを辿る。行程が長いうえに見る花がたくさんあるので、5時半に集合して出発である。


    日の出を少し過ぎた頃に出発する。


    タカネマンテマはもう終わっている。


    今年は当たり年だったようで、たくさんタカネマンテマに出会った。


    筒状の萼が割れて種が見えていた。


    風で揺れてなかなか撮らせてくれないが、コモチミヤマイチゴツナギではないかと思う。


    北岳山頂付近に咲いていたタカネビランジの白花


    もう終盤のミヤマアシボソスゲ


    ミヤマアワガエリはあちらこちらにたくさん生えていた。


    コメススキ


    出会うのは難しいだろうと思っていたこのコメススキも見ることが出来た。


    ヒゲナガコメススキ。風に揺れてなかなか撮らせてくれない。


    岩の隙間から生えているナヨシダ


    終盤のハハコヨモギ


    葉が白っぽいキタダケヨモギ。こちらももう終わりかけである。


    タカネシオガマはミヤマシオガマに比べると地味に見える。


    シコタンハコベが満開


    雲の彼方の富士山


    雲が湧く間ノ岳


    振り返って見る北岳


    キンロバイと中白根山

 足が遅いうえに三脚を出して写真を撮るので、どうしても他のメンバーから遅れてしまう。だいぶ遅れてしまったが北岳山荘に9時ごろ到着した。ほぼ予定通りの時間である。天候に恵まれてたくさんの植物に出会うことが出来た。しかし、風が強くてなかなか撮れない花も多く、特にカヤツリグサ科やイネ科の柄の長い植物はほとんどがブレブレの画像になってしまった。

 さて、ここから先のトラバース道に咲く花とシダ類が本日のメインイベントである。北岳山荘はコロナ対策で閉鎖中であるが知り合いの小屋番は常駐している。水をいただいて先に進む。

コメント (2)
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