山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

皆既月食の赤い月昇る 猪之頭林道  令和4年11月9日

2022年11月10日 | 月富士
 楽しみにしていた皆既月食の日がやって来た。天気予報も晴れの予報でバッチリと月が見られそうである。何ヶ所か撮影場所をシュミレーションしていたが、富士山との距離を離して空高く月が昇るイメージで赤い月を眺めようと、身延町大城川林道の途中にある展望地に行くことにした。ゲートは静岡側の林道が崩落して通行不能なため1年中閉鎖されており、1時間弱歩かなければならない。おそらく誰も居らずに一人静かに赤い月が眺められるはずである。午後3時半にゲートを出発すれば間に合うはずと思い、ゲートの向かうと、ゲートまで1kmほどの場所で林道法面の崩落があったようで工事車両が止まっていて通過できない。手前には車を止められる良い場所が無く、ゲートまで2kmくらい歩かないと行けない。残念ながらそこまでの根性は無く、撤退して別の候補地、猪之頭林道に移動する。

 この時点で既に心が折れてしまっていて気合が入らない。なんとか5時に猪之頭林道の展望地に到着すると、もう富士山の裾野から月が昇り始めていた。まず1台目のカメラをセットして撮影し、その次に簡易赤道儀をセットする。しかしこの場所は北極星が見えず極軸がしっかりと合わせられず、アストロレーサーを使っておおまかに極軸を合わせるが、この軸合わせが全く合っておらず、最後まで苦労することとなってしまった。さらにレンズが結露しているのに気付かずにインターバルタイマーで撮影した1台はほとんど画像が使えないものになってしまう。


    富士山の裾野から月が昇り始めた。右上には木星が輝いている。


    月が欠け始めた頃の画像。インターバルタイマーでオート撮影していた1台だが、レンズの結露に気付かずほとんど画像は使えなかった。


    皆既した頃の月。結露を拭き取るがまたすぐに結露してしまい、思うように撮影が出来ない。


    肉眼で見ると赤黒い月に見えた。


    なんとか富士山の上に昇る赤い月の撮影は出来た。


    もう1台のカメラはレンズの結露はしなかったのだが、何故か赤い月にならない。


    レンズによるのか、カメラのセンサーによるのか、ずいぶんと違うものである。


    同じレンズを別のカメラに付けて撮影。こちらは赤い月になるので、どうやらセンサーの違いらしい。


    簡易赤道儀に乗せて追尾した月。皆既直前の赤くなった月。


    皆既した赤い月。赤道儀の極軸が合わず、少し流れてしまっていて画像がいまいち。


    皆既を終えた月。


    この日はターコイズフリンジ現象の青いバンドは写らなかった。


    皆既月食の赤い月の行程を合成。


    皆既が終わり輝き出した月。富士山には雲が巻き始めた。


    富士山の上にオリオン座が昇り始めたが、雲に隠れそうである。ここまでで撤退する。

 トラブルが相次ぎ、最後までスッキリと撮影が出来なかった今回の赤い月だった。予定地に行けずに心が折れてしまったのが写真に現れてしまったように思う。一応撮ったには撮ったが、不消化な皆既月食となってしまったのはちょっと残念、かつ反省しなければならない。

コメント (4)
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