詳細な資料をいただいておきながら先日訪問したハコネグミ生育地はとうとう発見することが出来なかった。自宅に帰ってもう一度資料を見直すが場所は間違っていないようである。このままでは気が済まない。資料をプリントアウトして持参しながらもう一度探しに行ってみる。
午前中は我が家の所有する竹林がタケノコの収穫を目前にして倒れた竹でボサボサになっているため、その除去作業を1時間半ほど行い、登山口には午後1時に到着した。天候がいまひとつで既に時々小雨が降って来る。カッパを着ての入山となる。

本日の富士山はご機嫌斜め。最初から時々小雨が降って来る天気である。

咲き始めのミツバウツギ

これは花を終えたヤマボウシであろう。

花はまだ蕾だが、花序に長い柄を持っており、おそらくヤブデマリであろう。

これはミヤマガマズミか?

もうすぐ花が咲きそうなカマツカであろう。

まだ蕾のツクバネウツギであろう。

プロペラ状の5枚の萼に蕾が付いている。

葉の細いイトスゲらしきものが群生している。

葉が細いうえに果胞が少ない。おそらくこれはハコネイトスゲであろう。

別のスゲも生えている。

クサスゲではないかと思うが全く自信無し。

花の状態の時は雄小穂は白くて長い雄しべを伸ばす。

現地に到着してそれらしき木の葉を調べてみる。

これは星状毛だろう、と思ったのだが・・・

木を見上げてみると花が付いていない。ハコネグミならばこの時期に花が咲いているはずである。

同じ木の別の葉を調べてみると、鱗状毛が付いていた。これはマメグミであろう。
探しているハコネグミは前回探した場所でどうやら間違い無いようである。しかし、どう探してもハコネグミの木は見つからない。まさか・・・と思って登山道の反対側、つまり静岡県側を探してみると・・・あった。

やっと見つけたハコネグミの木。しかし登山道の反対側で、県境ではあるが厳密には静岡県である。

マツグミに比べるとハコネグミは葉がやや大きくて細長く、柔らかい感じがする。

花が咲いている。

ハコネグミの花。まだ蕾も多い。

ハコネグミの花

花筒には星状毛がたくさん生えている。

葉の表側。まばらに星状毛が生える。

葉の裏側。鱗状毛の中にまばらに星状毛が混じる。

周辺の山梨県側を探してみる。ブナの大木にドウダンツツジが寄生している。

これは結実したチドリノキであろう。

林縁を散策していたところ、富士山の眺望の良い場所があった。晴れていれば絶景だったであろう。
見つかったハコネグミは厳密には静岡県側に生えていた。山梨県側をそれなりに探してみたのだが、残念ながらハコネグミは発見出来なかった。純粋に山梨県に生えているハコネグミは来年以降に持ち越しになってしまうであろう。少しガッカリしたが、とりあえずは教えていただいたハコネグミの木にはめぐり逢うことが出来た。