山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南部町のシダを探索 令和2年10月4日

2020年10月08日 | シダの仲間
 天気予報では本日は雨の予報で、朝起きると小雨が降っていた。ゆっくり寝て9時過ぎに起きた頃には雨は上がっていたが午後にはまた降って来そうである。山に登るにも渓谷を探索するにもあまり良い天気では無い。確認しておきたいシダがいくつかあったので、あまり歩かなくて済む場所を選んで南部町に出かける。


    南部町内船にある内船寺(ないせんじ)の参道。この界隈にはいろいろなシダが茂っている。


    ヒガンバナが見ごろだった。


    内船寺のヒガンバナ


    ほぼ見頃でたくさん咲いていた。身延町から南部町を走ると道路脇にたくさんヒガンバナが咲いている。


    気になっていたシダのひとつがこの参道脇に茂っているシダ。


    カタヒバだと思っていたのだが全体に平べったい。これはイヌカタヒバだろう。先端部には無性芽が付いている。


    もうひとつ別のカタヒバの仲間が近くに生えている。この季節は少し青みがかっていて目立つ。


    コンテリクラマゴケ。いずれも園芸種として持ち込まれたものが増殖したものである。


    以前訪問した際にはハシゴシダだろうと思っていたのだがどうも違うようである。


    中央から上の羽片に付く最下部上向き小羽片は大きいが最下羽片の上向き第一小羽片は大きくなっていない。


    ソーラスはハシゴシダに似ているが、これはヤワラシダのほうであろう。


    光沢のある見かけないシダを発見。最下羽片の下向き第一小羽片が大きく、イタチシダの仲間のようである。


    包膜のある大きなソーラスが付着している。


    真っ黒な鱗片は普通のイタチシダよりも幅が広い。リョウトウイタチシダに良く似ている。


    中間部の葉軸にも黒い鱗片が付着し、ソーラスがやや辺縁寄りに付着していることから、これは初見のヒメイタチシダと思われる。


    もう1種類、これも初見のシダである。


    見た時は何だかさっぱり分からず、図鑑を何冊か調べて判明。


    ソーラスはまだ未熟だが長楕円形で包膜が無い。これはシケチシダであろう。


    昨年見た時はもう枯れていて何だか分からなかったシダ。


    周辺にキヨタキシダが生えており同じものかと思ったが違うようだ。


    キヨタキシダとは裂片の形が違うしヤマイヌワラビとも違う、ソーラスは楕円形でやや長いが既に成熟して脱落し始めている。


    決定的だったのがこの鱗片である。細めの鱗片だが真ん中にこげ茶色の帯が入っている。これはカラクサイヌワラビであろう。

 図鑑で見るとカラクサイヌワラビとヒロハイヌワラビは良く似ているが鱗片に帯が入るのがカラクサイヌワラビで入らないものがヒロハイヌワラビのようである。ヒロハイヌワラビにはまだ出会っていない。


    種になりかけたヤブミョウガの花

 場所を移動してもう1ヶ所立ち寄る。以前に訪問した際は一眼レフカメラを置き忘れてきてしまい、スマホで撮った画像しか無くずっと再訪したいと思っていた場所である。


    やっと訪れることが出来たノコギリシダの生育地。


    ノコギリシダ。羽片の辺縁が鋸の葉のようにギザギザしていることからこの名がある。左はリョウメンシダ。


    この場所にはたくさん生えているが生育地は極限られている貴重なシダである。


    裏側から透かして見るノコギリシダのソーラス


    包膜のある細長いソーラスが付着している。


    渓谷の流れが見えるこの場所でやっと際写することが出来た。

 午後は雨の予報だったのだが結局雨は降らなかった。時刻は午後3時半、もう1ヶ所立ち寄れないことも無いのだが本日はどうにも気乗りがしない。初見のシダに何種類か出会えたことだし、本日はこれまでで撤退することにする。もうひとつの探し物だった菌従属栄養植物は発見できなかった。


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