鶯宿峠まで林道を車で行くと、標高差約200m、1時間とかからずに到着してしまう滝戸山は、樹木に覆われた山頂で眺望が無く、山梨百名山制覇を目指しているか、キノコ狩りなどの目的でなければこの山頂に登る人はほとんどいないのではないだろうか。6年前に山梨百名山踏破のためにここを訪れたのはまだ本当に登山初心者の頃だった。鶯宿峠からあっけなく到着したこの山頂は何の達成感も無かったように記憶している。今回はめったに人が歩かず、道標も立てられていない右左口峠から日蔭山を経て滝戸山に至る半籔ルートを歩いてみた。
天気予報が週末は雨だったので登山はあきらめていたが、予報が変わって雨ではなくなった。8日の土曜日は夕立ちを恐れていたが結局甲府は雨が降らず、ちょっと損した気がしていた。9日の朝は6時に目を覚ますが、青空が見えるものの低山の山上には雲が巻いている。朝風呂に入って8時過ぎにゆっくり出発、当初の予定は節刀ヶ岳だった。稜線上にマルバタケブキが咲いているはずだ。コンビニで買い物し、精進湖ラインを車で走らせるが、途中で春に歩いた日蔭山を思い出した。そういえば滝戸山への登山道をようやく見つけたもののまだ歩いていなかった。予定変更して右左口林道に入り、右左口峠に向かう。芦川側からだとこの林道に入れるが、甲府側は崩落しているらしく全面通行止めになっている。峠に車を置き、まずは日蔭山目指して10時半に出発。
右左口(うばぐち)峠まで車で入る。
登山道入り口。崩落地だが、木にペンキのマークが着いている。
日蔭山もほとんど登る人がおらず、道はだいぶ荒れており、倒木も目立つ。もともと山頂へは明瞭な登山道が無い山なので、登山道(林業作業道)のいちばん高いあたりから適当に斜面に取り付いて山頂を目指す。峠から1時間とかからずに山頂に到着する。林の中の山頂には三角点と小さな看板が木にくくりつけられている。
登山道の一番高いあたりから斜面に取り付いて山頂を目指す。
三角点のある日蔭山山頂。向こうにちいさな看板が付いている。眺望は無い。
小休止後、反対側のカラマツ林に下りる。林の中は平らになっていて、中央部が広場のようになっている。看板もテープも無く、初めて来るとどちらに行ったらよいか方向が分からなくなるが、今回で3度目なので大丈夫、と思っていたがそれほど甘くはなかった。春に来た時は草も少なく、なんとなく踏み跡らしきものがあったのだが、今回はそれらしきものが全くわからなくなっていた。たぶんこの方角、と進んで行くと、その先に道を発見した。しかし、春に見つけた道とは若干違うような印象を受けた。ひとまずその道を行ってみると、すぐに方向が違うことに気付く。滝戸山方向に向かって行くはずの道が山から遠ざかって甲府盆地側に進んでいる。戻れば良いのだが、この道はどこに続いているのやら??確認のため20分ほど下り、そこで道は崩落していた。回り込んでその先に行くような細い踏み跡があり、その先の尾根に続いていた。どうやら精進湖ラインの登り始めのあたり、甲陽学園あたりに続いているようだ。
カラマツ林の中央部は広場のようになっている。
道発見。しかし、方向がおかしい。
途中で崩落していた。その先は甲府盆地の方向に尾根伝いに道が続いている。
道を登り返して広場に戻るが、ここで1時間近く時間を費やし、汗だくで体力も消耗した。広場で休憩して、今度は日蔭山を背にして先ほどとは90度ほど違う方向に進む。そして見つけた赤テープ、今度こそ間違いなく道は滝戸山方向に続いている。少し下って平らになり、今度は尾根に取り付いて登りになる。登山道は若干窪んでいて道らしくは見えるものの、倒木や木の枝が延びていてかなり荒れている。ほぼ一定な傾斜の尾根を外さないように、赤テープを追いかけてひたすら登ると、やがて尾根が広くなり、山頂部にぽんとたどり着いた。そこにあった古い看板は「千畳敷 1246m」と書かれていた。
登り返して広場に戻り、別の方向に進む。
発見!赤テープ。この先に春に見つけた道があった。
赤テープが付いていて何となく道があるのはわかるが・・・倒木と木の枝の張り出す荒れた道が続く。
山頂部近くなると尾根が広く平らになってくる。赤テープはしっかり付いている。
山頂到着。「千畳敷」・・・ここはどこ??
いったいここはどこなのか?林の中で眺望は悪いものの、あたりをぐるりと廻って見渡してもここより高い山は見当たらない。地図を持ってこなかったので滝戸山がどちらになるのかわからないが、しかし、このピークで方向を直角以上に曲げて、尾根沿いに赤テープが点々と付けられているのが見える。そちらに進んでみることにする。高度を少しずつ下げながら、小コブをいくつか越えて尾根伝いに赤テープを追いかけて行くと、35分ほど歩いたところで左側から来る道と合流し、その合流点に「滝戸山頂上まで 0.14km」と書かれた道標が立っていた。間もなく見覚えのある石柱に到着、そのすぐ先に滝戸山の山梨百名山標柱が立っていた。午後1時50分、滝戸山山頂に到着。ここは標高1,221mで、先ほどの千畳敷よりも25mほど標高が低かった。どうやら滝戸山界隈の最高点は千畳敷のようだ。
方向を左に変えて赤テープが点々と続いているのが見える。
左側から来る道と合流し、そこに滝戸山山頂を示す道標が立っていた。
山頂裏にある石碑。ここは以前に来た時に見覚えがある。
滝戸山山頂到着。標高差は450mほどしか無いが、想定外に苦労した。
ここは山梨の森百選に選ばれている。
ミズナラの巨木が立ち並ぶ森
山頂で記念撮影。初登頂の時は登山用ズボンを忘れ、どうせ誰もいないからとスパッツだけ穿いて登って来た。3段腹と下半身のモッコリが格好悪くてとても人に見せられず、未掲載になっていた。いつか撮り直そうと思っていた1カット。
昼食をとって休憩、さらに1度目の登頂以降は山頂の標柱と記念撮影することはめったに無いのだが、前回の写真がとても人に見せられるようなものでは無かっただけに、撮り直す。あとは登って来た道を間違えないようにひたすら下るだけだ。滝戸山から千畳敷までは40分ほどかかり、想定していたよりも遠かったことがわかった。3時40分、カラマツ林、4時5分、右左口に到着した。空はどんよりとした曇り空に変わっていたが、なんとか雨に降られずにすんだ。
下山時に気付いたが、こちらには「登山道」の看板があり、正規ルートは途中で合流した道がそうらしい。
簡単に登れるルートもある滝戸山・春日山(いずれも山梨百名山)だが、ルートを選べば魅力的な登山が楽しめる山と言える。しかし、富士山の展望にはあまり恵まれず、どちらかといえばマニアックな山だろう。
右左口峠ー日蔭山ー滝戸山ルート
高低差
天気予報が週末は雨だったので登山はあきらめていたが、予報が変わって雨ではなくなった。8日の土曜日は夕立ちを恐れていたが結局甲府は雨が降らず、ちょっと損した気がしていた。9日の朝は6時に目を覚ますが、青空が見えるものの低山の山上には雲が巻いている。朝風呂に入って8時過ぎにゆっくり出発、当初の予定は節刀ヶ岳だった。稜線上にマルバタケブキが咲いているはずだ。コンビニで買い物し、精進湖ラインを車で走らせるが、途中で春に歩いた日蔭山を思い出した。そういえば滝戸山への登山道をようやく見つけたもののまだ歩いていなかった。予定変更して右左口林道に入り、右左口峠に向かう。芦川側からだとこの林道に入れるが、甲府側は崩落しているらしく全面通行止めになっている。峠に車を置き、まずは日蔭山目指して10時半に出発。
右左口(うばぐち)峠まで車で入る。
登山道入り口。崩落地だが、木にペンキのマークが着いている。
日蔭山もほとんど登る人がおらず、道はだいぶ荒れており、倒木も目立つ。もともと山頂へは明瞭な登山道が無い山なので、登山道(林業作業道)のいちばん高いあたりから適当に斜面に取り付いて山頂を目指す。峠から1時間とかからずに山頂に到着する。林の中の山頂には三角点と小さな看板が木にくくりつけられている。
登山道の一番高いあたりから斜面に取り付いて山頂を目指す。
三角点のある日蔭山山頂。向こうにちいさな看板が付いている。眺望は無い。
小休止後、反対側のカラマツ林に下りる。林の中は平らになっていて、中央部が広場のようになっている。看板もテープも無く、初めて来るとどちらに行ったらよいか方向が分からなくなるが、今回で3度目なので大丈夫、と思っていたがそれほど甘くはなかった。春に来た時は草も少なく、なんとなく踏み跡らしきものがあったのだが、今回はそれらしきものが全くわからなくなっていた。たぶんこの方角、と進んで行くと、その先に道を発見した。しかし、春に見つけた道とは若干違うような印象を受けた。ひとまずその道を行ってみると、すぐに方向が違うことに気付く。滝戸山方向に向かって行くはずの道が山から遠ざかって甲府盆地側に進んでいる。戻れば良いのだが、この道はどこに続いているのやら??確認のため20分ほど下り、そこで道は崩落していた。回り込んでその先に行くような細い踏み跡があり、その先の尾根に続いていた。どうやら精進湖ラインの登り始めのあたり、甲陽学園あたりに続いているようだ。
カラマツ林の中央部は広場のようになっている。
道発見。しかし、方向がおかしい。
途中で崩落していた。その先は甲府盆地の方向に尾根伝いに道が続いている。
道を登り返して広場に戻るが、ここで1時間近く時間を費やし、汗だくで体力も消耗した。広場で休憩して、今度は日蔭山を背にして先ほどとは90度ほど違う方向に進む。そして見つけた赤テープ、今度こそ間違いなく道は滝戸山方向に続いている。少し下って平らになり、今度は尾根に取り付いて登りになる。登山道は若干窪んでいて道らしくは見えるものの、倒木や木の枝が延びていてかなり荒れている。ほぼ一定な傾斜の尾根を外さないように、赤テープを追いかけてひたすら登ると、やがて尾根が広くなり、山頂部にぽんとたどり着いた。そこにあった古い看板は「千畳敷 1246m」と書かれていた。
登り返して広場に戻り、別の方向に進む。
発見!赤テープ。この先に春に見つけた道があった。
赤テープが付いていて何となく道があるのはわかるが・・・倒木と木の枝の張り出す荒れた道が続く。
山頂部近くなると尾根が広く平らになってくる。赤テープはしっかり付いている。
山頂到着。「千畳敷」・・・ここはどこ??
いったいここはどこなのか?林の中で眺望は悪いものの、あたりをぐるりと廻って見渡してもここより高い山は見当たらない。地図を持ってこなかったので滝戸山がどちらになるのかわからないが、しかし、このピークで方向を直角以上に曲げて、尾根沿いに赤テープが点々と付けられているのが見える。そちらに進んでみることにする。高度を少しずつ下げながら、小コブをいくつか越えて尾根伝いに赤テープを追いかけて行くと、35分ほど歩いたところで左側から来る道と合流し、その合流点に「滝戸山頂上まで 0.14km」と書かれた道標が立っていた。間もなく見覚えのある石柱に到着、そのすぐ先に滝戸山の山梨百名山標柱が立っていた。午後1時50分、滝戸山山頂に到着。ここは標高1,221mで、先ほどの千畳敷よりも25mほど標高が低かった。どうやら滝戸山界隈の最高点は千畳敷のようだ。
方向を左に変えて赤テープが点々と続いているのが見える。
左側から来る道と合流し、そこに滝戸山山頂を示す道標が立っていた。
山頂裏にある石碑。ここは以前に来た時に見覚えがある。
滝戸山山頂到着。標高差は450mほどしか無いが、想定外に苦労した。
ここは山梨の森百選に選ばれている。
ミズナラの巨木が立ち並ぶ森
山頂で記念撮影。初登頂の時は登山用ズボンを忘れ、どうせ誰もいないからとスパッツだけ穿いて登って来た。3段腹と下半身のモッコリが格好悪くてとても人に見せられず、未掲載になっていた。いつか撮り直そうと思っていた1カット。
昼食をとって休憩、さらに1度目の登頂以降は山頂の標柱と記念撮影することはめったに無いのだが、前回の写真がとても人に見せられるようなものでは無かっただけに、撮り直す。あとは登って来た道を間違えないようにひたすら下るだけだ。滝戸山から千畳敷までは40分ほどかかり、想定していたよりも遠かったことがわかった。3時40分、カラマツ林、4時5分、右左口に到着した。空はどんよりとした曇り空に変わっていたが、なんとか雨に降られずにすんだ。
下山時に気付いたが、こちらには「登山道」の看板があり、正規ルートは途中で合流した道がそうらしい。
簡単に登れるルートもある滝戸山・春日山(いずれも山梨百名山)だが、ルートを選べば魅力的な登山が楽しめる山と言える。しかし、富士山の展望にはあまり恵まれず、どちらかといえばマニアックな山だろう。
右左口峠ー日蔭山ー滝戸山ルート
高低差
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