平成22年3月14日
前日は雲と強風吹き荒れる荒れた天候だった八ヶ岳だったが、夜が更けるとともに空には満天の星が広がった。目覚ましを未明3時15分にセットしたが、2時半に目が覚めた。風の音がするが、前日に比べるとかなり穏やかになっている。同室の人たちに迷惑にならないように、そっと布団をたたんでザックを持ち、談話室に下りた。まずは朝食。シュラフとテントは下ろしてきたが、食料はそのまま持ってきてしまったため、約6食分の食料がザックの中に入っていた。いつものラーメンと、コンビニで買ってきたサラダをラーメンの中に入れて煮込んで食べる。アイゼン、スパッツ装着し、3時20分、いざ出陣。
樹氷の森を流れる天の川
さそり座と天の川
穏やかとはいえないが、風はだいぶ収まっており、風が吹いたおかげで霞が飛んできれいな星空が広がっていた。樹氷の情景を入れつつ、かつ南八ヶ岳が見える場所を探しながら山頂目指して歩く。さそり座がちょうど頭を西の方角に傾け始めたところで、その尻尾のところに天の川最大部分が雲のように白く延びている。その帯を追いかけてゆくと、白鳥座と夏の大三角形が北東の空高く昇っているのが見える。毛無山に次いで、今回も願いに叶った良い星空を見ることができた。夜明けが近付くとともに深い青色に写る空、そして二十八夜の細い月が夜明けのオレンジ色の空に昇り、日の出を迎える。山上には私ともう1人、ヒュッテで写真談義にふけった名古屋から来られた常連の方。カメラ技術も経験も私よりも遥かに上で、このような方から写真の話を聞くとまた新しい写真のイメージが湧いてくる。まだカメラを持って5年に満たない私にはこのような出会いが本当に大切なのだ。
樹氷の森に昇るはくちょう座と天の川
天の川流れる八ヶ岳 15mm diagonal fisheye
樹氷の彼方の夜明け
樹氷の森の夜明け 二十八夜の細い月が昇る。フラッシュ同調。
樹氷の森の日の出
朝日射す樹氷の森 左が南アルプス、右が中央アルプス。
嵐去りて 左が八ヶ岳、右が南アルプス。 PL filter使用
天の川流れる八ヶ岳の空と朝の樹氷の情景を十分に楽しんだ後、ヒュッテに戻り談話室に立ち寄る。ご主人さんが温まってゆくようにと暖かく迎えてくれた。十分に暖をとった後、今度は三ツ岳に寄ってみることにした。ご主人さんの写真の中に、三ツ岳にある剣の先のような尖った格好の良い岩の写真が納められていた。これは是非見に行かなくてはならない。7時20分、小屋を出発、前日三ツ岳方向へのトレースがあるのを確認していたのでそのトレースに沿って進む。途中で前夜の強風のためトレースが不明になってしまっている場所があったが、見渡すと木の枝にテープがあり、そちらに進むと再び明瞭なトレースに出くわした。三つ岳直下の鎖場をよじ登ると、その上に道標あり、さらにその先にあの格好の良い岩があった。途中で何度か三脚を立てて撮影しながら来たが、それでも1時間とかからずにこの岩に到着した。
三つ岳山頂付近の岩氷と蓼科山 強風でエビのシッポはだいぶ吹き飛んでしまっている。
三つ岳から見る縞枯山と坪庭。山は左が八ヶ岳、右が南アルプス。
三つ岳の岩と浅間山
同上、角度を変えて。たぶんこの角度なら岩の真上に北極星が・・・
さて、この先どうするか?雨池山を越えて雨池峠まで行けるのだが、小屋の常連さんたちの情報によると、冬季はこの先を歩いている人が少なく、道が不明瞭、かつラッセル覚悟で臨まなければならないという。下を見ると、下りはかなりの急傾斜、登り帰すのは辛そうだ。下りたら先に進むしかない。さらに遠くを見やると、緑色のテントが張ってあるのが見えた。おそらくそこが雨池峠、坪庭のいちばん端のところだ。天気が良くこれだけ眺望が良ければ、さほど迷うことはないだろう。その先に行ってみることにした。
雨池山山頂から見る三つ岳
ここから先は情報どおり全くトレースは無かった。急な斜面をズルズルと半滑りしながら下り、一旦緩い登りになってそしてまた急下りだ。下りきったところが雨池山の取り付きになっており、今度は緩くて長い登り、しかも膝あたりまでのラッセルの道が続く。あるのは動物の足跡だけ、しかし、心配していた道迷いは、思ったよりも広く切り開かれた森と、ところどころにつけられたテープのおかげで全く心配はなかった。かなりラッセルした気がしたのだが、1時間とかからずに雨池山の山頂に到着した。立ち枯れの木の向うに北横岳や越えてきた三ツ岳が見える。さらにピークを越えてもその先またラッセルが続く。と思ったら、若者の声が聞こえ出した。雨池峠側からテント泊の2人連れが登って来たのだ。ラッキー、やっと踏み跡を踏んで歩けるぞ。すれ違いざま挨拶し、お互いにラッセルで疲れたなどというたわいない話をして別れる。2人のトレースを踏んで進むと、10分ほどで雨池峠への急下りにさしかかった。ここからは雪が固まっていて歩きやすくなっていて、ほどなく雨池峠に到着した。
雨池峠への下りから見る縞枯山と中央アルプス
ピラタス蓼科ロープウェイ山頂駅。その向こうは御嶽山。
ここから先はスノーシューや一般の登山者が歩いたトレースで道はしっかりと踏み固められていた。左手に縞枯山の美しい樹氷の風景を見ながら進むと、縞枯山荘が右手に現れそれを過ぎるとほどなくロープウェイ山頂駅に到着した。駅の前では前夜ヒュッテで一緒だった中高年グループの人たちと一緒になり、本日の行程を尋ねたところ三ツ岳までピストンして下山してきたという。私の歩いたトレースがあって助かったと感謝され、ちょっとばかりうれしかった。10時50分のロープウェイに乗り、11時無事駐車場到着。
初日はどうなることかと思ったが、山の神様に好かれているのか、今回も素晴らしい星空を見ることができた。そして久々の山小屋泊まり、親切にしていただいた北横岳ヒュッテの皆様、そして小屋の常連の皆様、良い出会いがあり、楽しい山行ができた。感謝である。
前日は雲と強風吹き荒れる荒れた天候だった八ヶ岳だったが、夜が更けるとともに空には満天の星が広がった。目覚ましを未明3時15分にセットしたが、2時半に目が覚めた。風の音がするが、前日に比べるとかなり穏やかになっている。同室の人たちに迷惑にならないように、そっと布団をたたんでザックを持ち、談話室に下りた。まずは朝食。シュラフとテントは下ろしてきたが、食料はそのまま持ってきてしまったため、約6食分の食料がザックの中に入っていた。いつものラーメンと、コンビニで買ってきたサラダをラーメンの中に入れて煮込んで食べる。アイゼン、スパッツ装着し、3時20分、いざ出陣。
樹氷の森を流れる天の川
さそり座と天の川
穏やかとはいえないが、風はだいぶ収まっており、風が吹いたおかげで霞が飛んできれいな星空が広がっていた。樹氷の情景を入れつつ、かつ南八ヶ岳が見える場所を探しながら山頂目指して歩く。さそり座がちょうど頭を西の方角に傾け始めたところで、その尻尾のところに天の川最大部分が雲のように白く延びている。その帯を追いかけてゆくと、白鳥座と夏の大三角形が北東の空高く昇っているのが見える。毛無山に次いで、今回も願いに叶った良い星空を見ることができた。夜明けが近付くとともに深い青色に写る空、そして二十八夜の細い月が夜明けのオレンジ色の空に昇り、日の出を迎える。山上には私ともう1人、ヒュッテで写真談義にふけった名古屋から来られた常連の方。カメラ技術も経験も私よりも遥かに上で、このような方から写真の話を聞くとまた新しい写真のイメージが湧いてくる。まだカメラを持って5年に満たない私にはこのような出会いが本当に大切なのだ。
樹氷の森に昇るはくちょう座と天の川
天の川流れる八ヶ岳 15mm diagonal fisheye
樹氷の彼方の夜明け
樹氷の森の夜明け 二十八夜の細い月が昇る。フラッシュ同調。
樹氷の森の日の出
朝日射す樹氷の森 左が南アルプス、右が中央アルプス。
嵐去りて 左が八ヶ岳、右が南アルプス。 PL filter使用
天の川流れる八ヶ岳の空と朝の樹氷の情景を十分に楽しんだ後、ヒュッテに戻り談話室に立ち寄る。ご主人さんが温まってゆくようにと暖かく迎えてくれた。十分に暖をとった後、今度は三ツ岳に寄ってみることにした。ご主人さんの写真の中に、三ツ岳にある剣の先のような尖った格好の良い岩の写真が納められていた。これは是非見に行かなくてはならない。7時20分、小屋を出発、前日三ツ岳方向へのトレースがあるのを確認していたのでそのトレースに沿って進む。途中で前夜の強風のためトレースが不明になってしまっている場所があったが、見渡すと木の枝にテープがあり、そちらに進むと再び明瞭なトレースに出くわした。三つ岳直下の鎖場をよじ登ると、その上に道標あり、さらにその先にあの格好の良い岩があった。途中で何度か三脚を立てて撮影しながら来たが、それでも1時間とかからずにこの岩に到着した。
三つ岳山頂付近の岩氷と蓼科山 強風でエビのシッポはだいぶ吹き飛んでしまっている。
三つ岳から見る縞枯山と坪庭。山は左が八ヶ岳、右が南アルプス。
三つ岳の岩と浅間山
同上、角度を変えて。たぶんこの角度なら岩の真上に北極星が・・・
さて、この先どうするか?雨池山を越えて雨池峠まで行けるのだが、小屋の常連さんたちの情報によると、冬季はこの先を歩いている人が少なく、道が不明瞭、かつラッセル覚悟で臨まなければならないという。下を見ると、下りはかなりの急傾斜、登り帰すのは辛そうだ。下りたら先に進むしかない。さらに遠くを見やると、緑色のテントが張ってあるのが見えた。おそらくそこが雨池峠、坪庭のいちばん端のところだ。天気が良くこれだけ眺望が良ければ、さほど迷うことはないだろう。その先に行ってみることにした。
雨池山山頂から見る三つ岳
ここから先は情報どおり全くトレースは無かった。急な斜面をズルズルと半滑りしながら下り、一旦緩い登りになってそしてまた急下りだ。下りきったところが雨池山の取り付きになっており、今度は緩くて長い登り、しかも膝あたりまでのラッセルの道が続く。あるのは動物の足跡だけ、しかし、心配していた道迷いは、思ったよりも広く切り開かれた森と、ところどころにつけられたテープのおかげで全く心配はなかった。かなりラッセルした気がしたのだが、1時間とかからずに雨池山の山頂に到着した。立ち枯れの木の向うに北横岳や越えてきた三ツ岳が見える。さらにピークを越えてもその先またラッセルが続く。と思ったら、若者の声が聞こえ出した。雨池峠側からテント泊の2人連れが登って来たのだ。ラッキー、やっと踏み跡を踏んで歩けるぞ。すれ違いざま挨拶し、お互いにラッセルで疲れたなどというたわいない話をして別れる。2人のトレースを踏んで進むと、10分ほどで雨池峠への急下りにさしかかった。ここからは雪が固まっていて歩きやすくなっていて、ほどなく雨池峠に到着した。
雨池峠への下りから見る縞枯山と中央アルプス
ピラタス蓼科ロープウェイ山頂駅。その向こうは御嶽山。
ここから先はスノーシューや一般の登山者が歩いたトレースで道はしっかりと踏み固められていた。左手に縞枯山の美しい樹氷の風景を見ながら進むと、縞枯山荘が右手に現れそれを過ぎるとほどなくロープウェイ山頂駅に到着した。駅の前では前夜ヒュッテで一緒だった中高年グループの人たちと一緒になり、本日の行程を尋ねたところ三ツ岳までピストンして下山してきたという。私の歩いたトレースがあって助かったと感謝され、ちょっとばかりうれしかった。10時50分のロープウェイに乗り、11時無事駐車場到着。
初日はどうなることかと思ったが、山の神様に好かれているのか、今回も素晴らしい星空を見ることができた。そして久々の山小屋泊まり、親切にしていただいた北横岳ヒュッテの皆様、そして小屋の常連の皆様、良い出会いがあり、楽しい山行ができた。感謝である。
冬の天の川も良いですよね。
やっぱり高いところから見る満天星は違いますね。
冬は厳しいかと思っていましたが、この天気なら、心配ないですね。
良い写真です。
北横岳ヒュッテもよさそう、、、。
Y-chan
樹氷の夜明けも三つ岳の岩もいいですね~
小屋で良い方と出会える、これも山ならではのことと思います。
この季節の靴はどんなのを使用されているのですか?先日寒かったので新しい靴の購入を検討しているので参考にさせていただければと思います。今のところはモンベルのツオロミブーツのみです(冬用の寝袋はモンベルの#1を買おうかと思っています)
硫黄岳のほうがよほど厳しそう。