渓谷の岩壁や高山の岩礫地に生育する夏緑性の多年草である。細長い匐枝を持ちまばらに生える。葉や茎は著しくざらつくことからこの名がある。葉の裏面には乳頭状突起を密布し、粉白色。果胞は有脈で無毛、嘴は長い。柱頭は3岐。八ヶ岳や奥秩父に生育しているが稀である。
2018年山梨県カテゴリー :なし 2017年環境省カテゴリー:絶滅危惧ⅠA類
ザラツキシラスゲ 2022年6月 北杜市の渓谷で撮影。個体数は数株のみ。
頂小穂は雄性、側小穂は雌性。
果胞は小さくて繊細、嘴が長い。雌鱗片は果胞より短くて小さい。
令和5年7月 西沢渓谷で撮影。この場所の個体数は少ない。
ザラツキシラスゲの雌小穂
勝山輝男先生の著書「日本のスゲ」の中には山梨県甲州市で採取されたザラツキシラスゲの画像が掲載されている。山梨県の数ヶ所に生育しているのは確実であろうが、まだ調査不足の種である。
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