先週は尾白川のユキワリソウを見に行った。そしてもうひとつ、この季節に咲く可憐な花、クモイコザクラに無性に会いたくなった。予定ではUさんと2人で鶏冠山だったが、当直明け2日目にどっと疲れが出て、とても早起きできそうもない体調になってしまう。難峰鶏冠山は中止させていただいた。そしてクモイコザクラを見るに良い場所を探すが、例年山岳連盟の花調査が地獄谷に行っているのを思い出す。工事のために美しが森のところで林道は閉鎖されているが、2~3時間もあれば出合小屋まで到着できるはずだ。未だに冬のスタッドレスを履いている愛車のタイヤをノーマルタイヤに変えた後、八ヶ岳美しが森に向かう。
午前11時、美しが森駐車場に到着。レンゲツツジやヤマツツジの季節には若干早く、駐車場は余裕で停まれた。川俣林道に進むと、予想通りゲートが閉じていて車は乗り入れできない。林道を道端に咲いている花を見ながら進むと、お決まりのタチツボスミレの他にニョイスミレ、フモトスミレ、ニオイタチツボスミレなどが咲いていた。水の流れる側溝の脇にはサンリンソウも咲いていた。
閉鎖されている川俣林道
ニョイスミレ
ノジスミレかと思ったが、葉を見なおしてみるとニオイタチツボスミレ。
林道脇にコケの生い茂る森が広がっているところがあり、ホテイランが咲く環境に似ているので、荒らさないようにそっと入ってみると、もう実を結んでいるヒメイチゲがぱらぱらと生えている。そっと進んでみると、イチヨウランが数株咲いていた。双眼鏡を取り出してその先を観察すると、イチヨウランらしきものは数輪見られたが、赤紫色の花は見当たらず。八ヶ岳東側は来るたびにホテイランを探しているが見かけたことが無く、南麓とこちら側では植生が異なるようだ。
苔生した森
結実しているヒメイチゲ
ひっそりと咲いていたイチヨウラン
イチヨウラン
さらに林道を進むと八ヶ岳横断歩道と交差する。この道は美しが森から天女山に至る遊歩道で途中に天然記念物のオオヤマツツジの木がある。昨年一度歩いているが、赤岳からキレット・権現岳・三ツ頭を越えて歩いてきたヘトヘト状態で、川俣川を横切ったこと以外はほとんど覚えていない。川俣川林道を歩く人は見かけなかったが、遊歩道を歩いている人はたくさんいた。
八ヶ岳横断歩道と交差する。
さらに林道を進むが、この先は誰も歩いていなかった。クモイコザクラが目当てで行く人が少しはいるだろうと思っていたのだが、通常の人はこの谷には入らず、沢登りかバリアンスルートを歩く上級者しか入らない場所だけに、あまり知られていないのかもしれない。このあたりは鹿の食害が酷く、木の幹を保護するために防護網巻かれている林が見かけられた。そして砂防工事が行われているところに到着する。右側にある大きな岩を見ると、お目当てのクモイコザクラが咲いている。
防護網が巻きつけられたカラマツ林
網が巻かれていない場所は鹿の食害で木の幹はひどい状態になっている。
砂防ダム工事現場
右側(左岸)の水がしたたる大岩。ここにクモイコザクラが咲く。
クモイコザクラ咲く岩
クモイコザクラ
それほど大きな花ではなく、指先よりひとまわり大きいくらい。
ここで昼食、大休憩する。対岸の岩場も調べたが、そちらにもたくさん咲いていた。
これで半分は目的を達成した。しかし、小屋はどこにあるのだろうか?地図では林道沿いにあったように思ったのだがそれらしきものは無い。さらに進むと、砂防堤を越えたところで林道は終わり、河原を歩くようになる。ちょうど一人下山してきた作業員らしき方と出会ったので、小屋までどのくらいか聞くと、まだ1時間くらいかかるという。思ったよりも小屋までは遠いらしい。時間はもう午後2時半をまわっている。しかし、この先にクモイコザクラがたくさん咲いていたと聞いたので、4時まで歩いて折り返すこととして、先に進むことにする。
その先にもクモイコザクラがたくさん咲く。
砂防ダムの脇には道を示す矢印がつけられており、その印やテープサインに沿って沢を何度も渡り返し進む。確かに、その先は両岸の岩にクモイコザクラが咲いており、砂防ダムの隙間にもたくさん咲いていた。途中の岩場には群生してたくさん咲いていた。
砂防ダム脇につけられた道を示す矢印。
こんなところにもクモイコザクラ。
クモイコザクラだが、ここに咲くものはずいぶん葉が大きい。
クモイコザクラがたくさん咲いていた岩。
クモイコザクラ群生
地獄谷の沢。ところどころ道がわかりにくいところもあるが、テープや目印がついている。
沢の向こう岸に目印。
そして午後3時40分、出合小屋に到着。掘っ立て小屋のように見えるがしっかりした小屋で、中には薪ストーブが設置されており、使用するには全く問題無い。小休憩後、もう半分の目的、それはツルネ尾根への取り着き口だ。小屋の先に進むと赤岳沢と本沢の看板はあるがそのほかは何も道標はない。本沢の上流に向かって左側の尾根がツルネ尾根のはず。登れそうなところは・・・と、露出した松の木の根っこを踏んで急斜面を登ると、赤テープ1個発見。さらにその上に行ってみると、半籔コギ状態ながら先までテープがついている。しかし、道と言えるようなものではなく、獣道状態だ。今後登る機会があるかどうかはわからないが、ひとまずルートは発見できた(と思う。登ってみなければその先どうなっているか・・・)。
出合小屋。外見は掘っ立て小屋だが中はきれい。普通に使える。
赤岳沢と本沢を示す道標
4時20分、下山開始。下りはあまり写真も撮らずに下り、30分ほどで林道終点に到着した。登りの時とは別の岩にクモイコザクラがたくさん咲いているのを発見し、三脚を立ててまた撮影を始め、20分ほど時間を費やす。あとはひたすら林道を歩き、美しが森6時10分到着した。
存分に楽しませていただきました、雲居小桜様。来年もたくさん咲いてください。
日が延びてまだ明るかったので、ついでに美しが森に立ち寄る。ここの道は観光化され、全て木道になっていた。山頂には展望台の建物があるが、この時間には既に閉鎖されている。誰もいない山頂のベンチでゆっくり休み、薄暗くなってきた頃に駐車場に下りた。午後6時50分、駐車場到着。
美しが森山頂
レンゲツツジは一部だけ咲いており、ほとんどが蕾。ヤマツツジは蕾が少し膨らみ始めている。
想定外に時間がかかった(それほど遠くないだろうと思って途中で寄り道や写真撮影し過ぎた)が、以前から見に行きたかった地獄谷出合小屋界隈を調べることができて良かった。それにしても、クモイコザクラがこんなに咲いているとは思わなかった。
午前11時、美しが森駐車場に到着。レンゲツツジやヤマツツジの季節には若干早く、駐車場は余裕で停まれた。川俣林道に進むと、予想通りゲートが閉じていて車は乗り入れできない。林道を道端に咲いている花を見ながら進むと、お決まりのタチツボスミレの他にニョイスミレ、フモトスミレ、ニオイタチツボスミレなどが咲いていた。水の流れる側溝の脇にはサンリンソウも咲いていた。
閉鎖されている川俣林道
ニョイスミレ
ノジスミレかと思ったが、葉を見なおしてみるとニオイタチツボスミレ。
林道脇にコケの生い茂る森が広がっているところがあり、ホテイランが咲く環境に似ているので、荒らさないようにそっと入ってみると、もう実を結んでいるヒメイチゲがぱらぱらと生えている。そっと進んでみると、イチヨウランが数株咲いていた。双眼鏡を取り出してその先を観察すると、イチヨウランらしきものは数輪見られたが、赤紫色の花は見当たらず。八ヶ岳東側は来るたびにホテイランを探しているが見かけたことが無く、南麓とこちら側では植生が異なるようだ。
苔生した森
結実しているヒメイチゲ
ひっそりと咲いていたイチヨウラン
イチヨウラン
さらに林道を進むと八ヶ岳横断歩道と交差する。この道は美しが森から天女山に至る遊歩道で途中に天然記念物のオオヤマツツジの木がある。昨年一度歩いているが、赤岳からキレット・権現岳・三ツ頭を越えて歩いてきたヘトヘト状態で、川俣川を横切ったこと以外はほとんど覚えていない。川俣川林道を歩く人は見かけなかったが、遊歩道を歩いている人はたくさんいた。
八ヶ岳横断歩道と交差する。
さらに林道を進むが、この先は誰も歩いていなかった。クモイコザクラが目当てで行く人が少しはいるだろうと思っていたのだが、通常の人はこの谷には入らず、沢登りかバリアンスルートを歩く上級者しか入らない場所だけに、あまり知られていないのかもしれない。このあたりは鹿の食害が酷く、木の幹を保護するために防護網巻かれている林が見かけられた。そして砂防工事が行われているところに到着する。右側にある大きな岩を見ると、お目当てのクモイコザクラが咲いている。
防護網が巻きつけられたカラマツ林
網が巻かれていない場所は鹿の食害で木の幹はひどい状態になっている。
砂防ダム工事現場
右側(左岸)の水がしたたる大岩。ここにクモイコザクラが咲く。
クモイコザクラ咲く岩
クモイコザクラ
それほど大きな花ではなく、指先よりひとまわり大きいくらい。
ここで昼食、大休憩する。対岸の岩場も調べたが、そちらにもたくさん咲いていた。
これで半分は目的を達成した。しかし、小屋はどこにあるのだろうか?地図では林道沿いにあったように思ったのだがそれらしきものは無い。さらに進むと、砂防堤を越えたところで林道は終わり、河原を歩くようになる。ちょうど一人下山してきた作業員らしき方と出会ったので、小屋までどのくらいか聞くと、まだ1時間くらいかかるという。思ったよりも小屋までは遠いらしい。時間はもう午後2時半をまわっている。しかし、この先にクモイコザクラがたくさん咲いていたと聞いたので、4時まで歩いて折り返すこととして、先に進むことにする。
その先にもクモイコザクラがたくさん咲く。
砂防ダムの脇には道を示す矢印がつけられており、その印やテープサインに沿って沢を何度も渡り返し進む。確かに、その先は両岸の岩にクモイコザクラが咲いており、砂防ダムの隙間にもたくさん咲いていた。途中の岩場には群生してたくさん咲いていた。
砂防ダム脇につけられた道を示す矢印。
こんなところにもクモイコザクラ。
クモイコザクラだが、ここに咲くものはずいぶん葉が大きい。
クモイコザクラがたくさん咲いていた岩。
クモイコザクラ群生
地獄谷の沢。ところどころ道がわかりにくいところもあるが、テープや目印がついている。
沢の向こう岸に目印。
そして午後3時40分、出合小屋に到着。掘っ立て小屋のように見えるがしっかりした小屋で、中には薪ストーブが設置されており、使用するには全く問題無い。小休憩後、もう半分の目的、それはツルネ尾根への取り着き口だ。小屋の先に進むと赤岳沢と本沢の看板はあるがそのほかは何も道標はない。本沢の上流に向かって左側の尾根がツルネ尾根のはず。登れそうなところは・・・と、露出した松の木の根っこを踏んで急斜面を登ると、赤テープ1個発見。さらにその上に行ってみると、半籔コギ状態ながら先までテープがついている。しかし、道と言えるようなものではなく、獣道状態だ。今後登る機会があるかどうかはわからないが、ひとまずルートは発見できた(と思う。登ってみなければその先どうなっているか・・・)。
出合小屋。外見は掘っ立て小屋だが中はきれい。普通に使える。
赤岳沢と本沢を示す道標
4時20分、下山開始。下りはあまり写真も撮らずに下り、30分ほどで林道終点に到着した。登りの時とは別の岩にクモイコザクラがたくさん咲いているのを発見し、三脚を立ててまた撮影を始め、20分ほど時間を費やす。あとはひたすら林道を歩き、美しが森6時10分到着した。
存分に楽しませていただきました、雲居小桜様。来年もたくさん咲いてください。
日が延びてまだ明るかったので、ついでに美しが森に立ち寄る。ここの道は観光化され、全て木道になっていた。山頂には展望台の建物があるが、この時間には既に閉鎖されている。誰もいない山頂のベンチでゆっくり休み、薄暗くなってきた頃に駐車場に下りた。午後6時50分、駐車場到着。
美しが森山頂
レンゲツツジは一部だけ咲いており、ほとんどが蕾。ヤマツツジは蕾が少し膨らみ始めている。
想定外に時間がかかった(それほど遠くないだろうと思って途中で寄り道や写真撮影し過ぎた)が、以前から見に行きたかった地獄谷出合小屋界隈を調べることができて良かった。それにしても、クモイコザクラがこんなに咲いているとは思わなかった。