山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ラン科の花はやはり美しい・・・  ~山梨県絶滅危惧ⅠA類のラン~

2020年03月13日 | 花・花・花
 花を好きな人たちは普通にラン科植物を追いかけていると思う。華やかでは無いものもあるが、たいていのランの花は美しい花を咲かせるからである。もちろん、私もランの花は好きで追いかけてはいるが、絶対にこの花を見つけてやろう、というまでの意気込みは現在は無い。無理に探して自然環境を痛めてしまうのは問題があるし、むしろ稀少な花たちをいかに守って行くかという方に興味を持っている。2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧ⅠA類のラン科植物は26種類あり、そのうちの20種類を見ているが、残っているのは探すのが難しいものばかりである。1種類は既に場所が分かっているので今年は咲いている花に出会えると思う。また、情報不足(DD類)となっているキンセイランが昨年発見されて次回の書き換え時にはⅠA類になるのが確実となり、またヒメスズムシソウが新たに特定指定種に指定されこれもⅠA類ということになる。おそらくこれからも次々に新しい花が発見されてくる可能性があり、レッドデータブックは書き換えられて行くことになるのだろう。

 アツモリソウ
 言うまでもないがラン科植物の代表的な花である。三ツ峠はランのブームで盗掘が多くなった当初から保護柵を設置して、全国的にもいち早くこの花の保護に乗り出した場所である。ボランティアを募って清掃登山なるものを毎年実施しており、また三ツ峠ネットワークを中心に積極的な高山植物保護活動を行っている先進的な保護地である。別の山域では、保護柵設置の効果が現れてアツモリソウが復活してきた場所があることは嬉しいことである。


    復活した草むらの中で咲くアツモリソウ。右側には昨年の種が見えている。


    保護柵の効果が現れて復活したアツモリソウ

 ホテイラン
 アツモリソウがランの王様ならばこの花はお姫様だろう。針葉樹林の苔の生えた林床を好んで生育する美しい森の妖精である。


    針葉樹林の林床に咲くホテイラン


    可憐なる森の妖精

 ウチョウラン
 岩場の隙間にある草地を好んで生育する薄紫色の花で、大きさは小さいが花が咲くと目立つ。一見するとスミレのように見える。盗掘により激減してしまったが、あまり人が入らない山中では少しずつ個体数を増やしている。


    岩場の草地に生育するウチョウラン


    可憐な薄紫色の蝶が舞う花。

 ハクウンラン
 針葉樹林帯の林床を好んで生育する小さなランである。気象変化か、あるいは鹿の食害による二次的変化のためか森の斜面が乾燥化しつつあり、個体数は減少している。


    ハクウンラン。小さな虫のような白い花を咲かせる。


    これほどたくさん咲くことはきわめて珍しい。

 セイタカスズムシソウ
 草地に生育するのだが、広葉樹林の森と草地の境目あたりに好んで生育している。スズムシソウよりは背が高くなるがさほど大きくなるわけでは無い。


    草むらの中に咲いたセイタカスズムシソウ。富士山北麓の林道脇で出会った。


    こちらは忍野村で出会った個体。あまり大きく無い。


    半透明の唇弁は不思議な魅力がある。

 フガクスズムシソウ
 広葉樹林の苔の生した木に生育する着生ラン。山梨県では富士山麓でしか見かけたことが無い。


    苔の生えた木に着生するフガクスズムシソウ


    高い木の上に居るので見つけにくい。


    超望遠レンズで撮影したフガクスズムシソウ

 クモラン
 山梨県県南部に生育する着生ランである。梅畑の梅の木に着生している姿は良く見かける。まさに蜘蛛のように足を延ばすランである。


    梅の木に着生したクモラン


    もうすぐ咲きそうな小さな小さなクモランの花。

 トラキチラン
 葉緑素を持たない菌従属栄養植物で、半透明の花弁が妖艶な雰囲気を出しているランである。生育地が限られていて個体数も少ない。毎年咲くとは限らず、個体数も減少傾向にある。


    半透明の幽霊のようなトラキチラン。富士北麓で見たものであるが年々数が減少して見つけるのが難しくなっている。

 ショウキラン
 トラキチランと同じく菌従属栄養植物である。決して綺麗なランとは言えず、一見すると奇妙なキノコのように見える。富士山麓に生育しているが個体数は減少しており、最近鳳凰山でも発見された。


    鳳凰山の沢沿いで発見されたキバナノショウキラン。個体数は少ない。


    言われればランのような形をしている。

 コハクラン
 2005年版レッドデータブックでは情報不足(DD類)であったが、八ヶ岳で新たに生育が確認され2018年版からⅠA類になった。個体数はきわめて少ない。


    針葉樹林帯の林床だが、少し草の生えた場所を好むコハクラン


    まさに琥珀色のラン

 ヒメスズムシソウ
 全国的にも生育地が極限られており個体数も少ないランである。数年前に発見され、今年山梨県特定指定種、かつ環境省でも保護種に指定されている。


    全国的にも生育地が限られ個体数も少ないヒメスズムシソウ


    ジガバチソウに似ているが唇弁が下向きに反り返る。

 キンセイラン
 薄黄色の美しい花を咲かせる上品なランである。2005年版ではⅠA類だったが自生地から消滅し、2018年版では情報不足(DD類)となってしまった。しかし2019年に別の場所で生育が確認され、さらに別の山域でもそれらしき葉が確認されている。


    スギやヒノキの植林帯を好んで生育するキンセイラン


    薄黄色の上品な花である。

 いよいよハナネコノメソウが咲き出し、山梨県にも花のシーズンが到来である。ランをはじめとする花を咲かせる植物は確かに美しくて可愛らしくて心が和むだろう。今年はそれに加えてシダの調査も同時にやって行きたいと思っている。保護柵の修理ももう待った無しの状態である。時間が足りるのかどうか?その前に自分自身の体力と気力がどうなのか?いよいよ忙しいシーズンの到来である。
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シダは美しい・・・と思う ~山梨県絶滅危惧ⅠA類のシダたち~

2020年03月11日 | シダの仲間
 ランクの高い絶滅危惧ⅠA類のシダはやはりそう簡単には姿を見せてくれない。2018年版山梨県レッドデータブックに登録されているⅠA類27種類のうち2020年3月現在で見てきたのは15種類で、それでも半年という短期間で良くこれだけ見てきたものだと思う。しかし、探すのはきわめて困難と思われるイナツルデンダやミヤマハナワラビ、コタニワタリ等の難しいシダが何種類も残っており、撮影がうまく出来ていないシダも多数ある。シダも花もそうであるが、絶滅危惧種のランクが高いほど綺麗なものが多いというわけでは無いが、なかなか出会えないものに出会うとやはり感動するものである。八ヶ岳で見つけたヤツガタケシノブや最近出会ったタキミシダなどは心が震える感動を覚えたが、その感動が写真にうまく表現されているかどうかは別物である。フジシダはシダ自体も美しかったが、同時にそのシダが生育している苔が生い茂る渓谷の景色に感動した。そんな感動とともに撮り歩いてきたシダの仲間たち、今回はⅠA類の珍しいシダたちの何種類かをご覧いただきたいと思う。

 ヒメスギラン(ヒカゲノカズラ科)
 北岳でコスギラン(ⅠB類)を見てきたが、コスギランとヒメスギランはどこがどう違うのか見比べるために、レッドデータブックの記述を参考にして見つかるかどうか分からない瑞牆山に探索に出かけた。個体数は少ないが沢沿いに点々と生育しているこのシダに出会うことが出来た。


    渓谷沿いの苔に生育するヒメスギラン(瑞牆山) 最初に見つけたのがこの個体で、本物かどうか目を疑った。


    沢沿いから中腹にかけての湿った苔の生えている岩や石に生育していた。

 マツバラン(マツバラン科)
 茎だけで根も葉も持たない原始的な形態のシダである。かつては甲府市近傍の竹林の林床にも生育していたらしいが現在では見当たらず、山梨県で確認されているのは1カ所のみとなっている貴重なシダである。


    木の幹の隙間に生育しているマツバラン(南部町)


    葉も根も無く全てが茎で、茎の分かれ目に丸い胞子嚢が付着している。

 クリハラン(ウラボシ科)
 湿った渓谷や水際を好んで生育する南方系のシダである。形態が栗の葉に似ている。県南部に生育し、群生する。


    沢沿いの斜面に生育するクリハラン(身延町) 円形のソーラスが中央寄りに付着する。


    南部町の沢沿いではこんな用水路のようなところにも生育していた。

 キタダケデンダ(イワデンダ科)
 北岳の特産種である。生育場所も個体数も少なく環境省でもⅠA類になっている。


    岩の隙間に生育するキタダケデンダ(北岳) 登山道沿いで見られるのはおそらくこの場所のみであろう。


    裏側のソーラスには毛が生えている。

 ヤツガタケシノブ(イノモトソウ科)
 山梨県では八ヶ岳と北岳に生育する高山性の小型のシダである。生育場所も個体数も少ない。


    湿った岩に生育するヤツガタケシノブ(八ヶ岳) この場所は比較的個体数が多かったが他の場所では見つからなかった。


    辺縁の葉は巻き込み、その裏にソーラスが付着する。

 タキミシダ(イノモトソウ科)
 渓谷の苔が生えた岩壁を好んで生育する。分布限界種で、生育地が限られ個体数もかなり少ない。


    渓谷の苔生した岩壁に生育するタキミシダ(南部町)


    網目状の葉脈。ソーラスは確認できなかった。

 オニイノデ(オシダ科イノデ属)
 硬い葉を持つ緑色の光沢鮮やかなイノデの仲間である。根元近くには幅広い鱗片をたくさん付着させる。生育地が限られており個体数も少ない。


    林道脇に生育していたオニイノデ(身延町) 大きな個体に出会ったが残念ながらだいぶ痛んでいた。


    光沢のある緑色の葉、いかにも硬そうな印象を受ける。

 ノコギリシダ(メシダ科)
 光沢のあるやや硬めの葉を持つシダである。辺縁が鋸のようにギザギザしていることからこの名がある。生育地が極限られているが生育場所での個体数は多い。


    ノコギリシダとリョウメンシダが共存する谷(南部町) 素晴らしい谷である。


    濃い緑色が鮮やかな格好良いシダ。


    フモトシダに似ているがソーラスの形は全く違う。

 フジシダ(コバノイシカグマ科)
 苔生した渓谷や森の中を好んで生育する緑色鮮やかなシダ。葉が薄くて全体的に細長く華奢な感じがする。生育地は限られているが生育場所での個体数は多い。


    苔生した渓谷の岩に生育するフジシダ(笛吹市)


    苔の上にしか生育して居なかった。


    長く垂れ下がり、先端には無性芽と小葉が出ている。

 いかがだっただろうか?図鑑で見るシダだけを切り抜いた画像では無く、どんな環境のところにこの美しいシダたちが生育しているかを見ていただけたことかと思う。確かにシダはみんな緑色で花は無いかも知れないが、それぞれの環境の中でそれぞれの個性を放って生育して居るのである。私はこのようなシダたちはたくましくて健気で美しいと思っている。いつか、このような美しいシダたちの画像を集めて、図鑑とは違う写真集が発刊できたらと願っている。

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シダは美しい・・・と思う ~山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダ~

2020年03月11日 | シダの仲間
 2018年版山梨県レッドデータブックに登録されている絶滅危惧のシダはⅠA類(CR)27種類、ⅠB類(EN)22種類、Ⅱ類(VU)10種類である。一方、人気の高いラン科植物では、それぞれ26種類、24種類、14種類で、数からするとシダ植物とラン科植物の数はあまり変わらない。しかし、ラン科の植物を追いかけている人たちはたくさん目にするがシダを追いかけている人に会うことはほとんど無い。北岳で高山植物の写真を撮っている人は見かけても岩壁の隙間や岩棚の下を覗き込んでいる人は見かけないし、西沢渓谷で美しい渓谷の流れに背を向けて岩壁側を覗き込みながら歩いている人など見たことが無い。確かにランをはじめとする花を咲かせた植物は美しいし、見ていて心が和むのは事実である。ではシダはどうなのだろうか?汚いと思う人は少ないかも知れないが、どれを見ても同じに見えるという人は多いだろう。花の図鑑を見ると確かに美しい花がたくさん載っているが、シダの図鑑は緑色のものばかりでつまらないのである。しかし、シダだけでなくそのシダが生育する環境まで目を配って改めてシダを見直してみてはどうだろうか?植物の中では長い歴史を持つシダ植物はその環境に適応するように様々な形に分化し、機能も携えている。ラン科植物のように高い木の上に生活の場を変えた着生植物もあれば、無性芽をつけて自己増殖するシダもあるし、ムカゴを付けるシダもある。いろいろ植物を見ているうちに突き当たるのがこのシダ植物であろうと思っている。そしてそれらの多様性を持つシダ植物はそれぞれの生育する環境の中にあって存在感と美しさを誇っていると思う。今回は山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダのうちの何種類かをご覧いただきたいと思う。撮影にはできるだけ広角レンズを使用して周辺の景色を取り込んで撮影している。そのシダが生育する環境もお楽しみいただければと思う。

 アオネカズラ(ウラボシ科)
 どちらかというと南方系のシダで山梨県では県南部に生育している。沢沿いの木や岩に好んで生育する着生シダである。渓谷の中に垂れ下がるように生育するその姿が格好良く、またやや深い緑色の葉は表面にビロード状の毛を生やしており、渋い色をしている。


    渓谷の岩壁に垂れ下がるアオネカズラ(南部町)


    渓谷の木に垂れ下がるアオネカズラ(南部町) 茶色いソーラスが見える。

 ヒトツバ(ウラボシ科)
 どちらかというと南方系のシダで、県南部に生育している。沢沿いの岩壁を好んで生育しており群生する。ウラボシ科であるが、ソーラスは葉裏一面に茶色く付着する。


    沢の流れを見下ろすヒトツバ(南部町) 不覚にもカメラを忘れてスマホで撮った画像。

 ヘラシダ(メシダ科シケシダ属)
 メシダ科とは思えないような形をしているシダである。渓谷沿いの土の斜面や林道脇を好んで生育しており、群生する。山梨県では県南部に分布していて、比較的数は多い。


    渓谷の斜面に群生するヘラシダ(南部町)


    裏側には線状のソーラスが付着し、長さが不揃いである。

 ヒメイワトラノオ(チャセンシダ科)
 水がしたたり落ちるような渓谷の岩壁を好んで生育するシダである。良く似たイワトラノオは沢沿いで普通に見かけるがこのヒメイワトラノオは数が少ない。茎が細くて長いこと、葉の先端部に小さな尖りがあること、ムカゴを付けることが違いであるが、ムカゴはなかなか見えない。


    渓谷の岩壁に生育するヒメイワトラノオ(西沢渓谷)


    水がしたたり落ちるような場所を好んで生育する。

 アオチャセンシダ(チャセンシダ科)
 石灰岩地を好む高山性のシダである。アオチャセンシダの名の通りに軸が緑色をしている。北岳の標高3,000m付近の場所で見られる。


    岩壁に付着するアオチャセンシダ(北岳) この個体は北岳肩の小屋側で見たもので、石灰岩地では無い。


    この個体は北岳トラバース道の中で見たもの。こちら側のほうが発見し易いが、数は多く無い。

 コスギラン(ヒカゲノカズラ科)
 高山性のシダである。2018年の北岳で撮影した画像の中に偶然写っており、2019年に生育を確認してきた。確認できたのは1ヶ所のみであるが個体数はそれなりにあった。森林限界を超えたコケモモやイワヒゲが生える斜面に生育する。


    高地に生育するコスギラン(北岳) 向こうに山並が見えていたのだが光の加減が悪く消えてしまった。


    高山帯の岩の間の土の斜面を好む。

 ヒメカナワラビ(オシダ科イノデ属)
 イノデの仲間らしく小羽片の先端部は鋭く尖っている。羽片の先端部や頂部がすらりと細く伸びる、光沢のある美しいシダである。県南部で見られるが数はあまり多く無い。


    渓谷の岩壁に生育するヒメカナワラビ(身延町)


    すらりと延びる頂部と羽片の先端部が格好良い。光沢のある薄緑色の葉も美しい。

 山梨県絶滅危惧ⅠB類22種類のシダのうち、令和2年3月現在で見てきたものは18種類である。3年間で80%制覇の目標に関しては、約半年にしてⅠB類は達成したことになり、Ⅱ類、準絶滅危惧種に関してはあと2~3種類で終了である。短期間でここまで達成できたのはひとえに良き師匠に出会えてご指導いただいたからである。しかし、これはまだ通過点であって絶滅危惧種を見て歩くことがシダ植物を始めたきっかけでは無い。一番の目的は植物の推移と地球環境の変化を見ること、そしてどうやって植物を含めた環境を保全して行くかということである。決して終わることが無いテーマである。
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山梨県に生育するオシダ科カナワラビ属のシダ

2020年03月10日 | シダの仲間
 山梨県に生育しているオシダ科カナワラビ属のシダは8種類である。いずれのシダも常緑性であることから、今期の冬の間にこれらのシダが多く生育している山梨県県南部に何度か探索に出かけ、カナワラビ属のうちの7種類に出会うことが出来た。これは自分自身の整理のための記事で間違っているところがあるかと思うのでそのつもりでご覧いただきたい。

 8種類のオシダ科カナワラビ属とは以下のシダである。

1.リョウメンシダ
2.シノブカグマ
3.ハカタシダ
4.オオカナワラビ
5.オニカナワラビ
6.ホソバカナワラビ
7.ミドリカナワラビ
8.コバノカナワラビ

 このうち、3、4、7が山梨県2018年版レッドデータブックの絶滅危惧種である。5のオニカナワラビは2007年版ではレッドリストに入っていたが2018年版では登録されていない。

1.リョウメンシダ
 どちらかというと暖地性のシダで、山梨県では身延町から南部町にかけての沢沿いでは普通に見かけるシダである。しかし、北杜市や韮崎市、上野原町にも生育しているらしい。大型のシダで群生し、良く目立つ。


    群生するリョウメンシダ。南部町内船で観察したもの。


    大型化するシダで、鮮やかな黄緑色をしており目立つ。


    裏側のソーラス。中軸寄りからびっしりと付く。


    渓谷の中に垂れ下がる姿はそれなりに格好良くて美しい。

2.シノブカグマ
 やや標高の高いところを好んで生育する緑色の光沢が鮮やかなシダである。瑞牆山では普通に見かけるが富士山の樹海や御坂山塊にも普通に生育している。


    瑞牆山の沢沿いで見かけたシノブカグマ。濃い緑色の光沢が美しい。


    富士山の樹海の中で観察したもの。風穴を覗き込むように生えていた。


    風で揺れてソーラスの撮影はいまひとつだった。小羽片のやや辺縁寄りに付着する。特徴的なのは中軸に付着する黒い鱗片である。

3.ハカタシダ
 県南部に多く生育しているが、甲府市でも見ることが出来る。準絶滅危惧種ではあるが個体数は多く生育範囲も広いことから、次のレッドデータブック書き換えでは絶滅危惧種ではなくなるかも知れない。


    南部町内船で観察したハカタシダ。頂羽片がはっきりしており、小羽片辺縁の切れ込みが少ない。


    甲府市武田の杜遊歩道で見たもの。大型化するものもある。


    ソーラス。


    小羽片のやや辺縁寄りにソーラスが付着する。

4.オオカナワラビ
 山梨県絶滅危惧ⅠB類のシダである。県南部で多く見かけるが甲府市中道町でも発見した。県南部での個体数は比較的多い。


    南部町の林道で見たオオカナワラビ。頂羽片ははっきりしている。


    ソーラス


    小羽片の辺縁寄りにソーラスが付着する。ハカタシダと違って小羽片の辺縁が鋸歯状に切れ込む。


    別の林道沿いで見かけたオオカナワラビ。最下羽片の発育は個体差が大きく、この個体のように第3羽片まで発育しているものもあれば全く無いものもある。

5.オニカナワラビ
 絶滅危惧種には指定されていないが、個体数はオオカナワラビよりも少ない印象を受ける。葉は厚くて硬く、触った感じはゴワゴワして葉先の突起が痛い感じがする。オオカナワラビに似ているが頂羽片ははっきりしないか、あるいは無い。


    南部町の林道で見たオニカナワラビ。葉の感じはオオカナワラビに似ているが頂羽片がはっきりしない。


    ソーラス


    小羽片の中肋寄りにソーラスが付着する。小羽片辺縁の切れ込みは浅く、ハカタシダに似る。


    葉を触るとゴワゴワしていて硬い。

6.ホソバカナワラビ
 まだ調査不足であるが、オニカナワラビよりももっと少ない印象を受ける。見つけたのは今回示す個体のみである。群生するらしいので探せばどこかに群落が見つかるかも知れない。


    南部町の竹藪の中で見かけたホソバカナワラビ。見つけたのはこの個体のみ。


    頂羽片が細く、際立って長い。


    ソーラス


    小羽片の辺縁寄りにソーラスが付着する。辺縁は切れ込む。

7.ミドリカナワラビ
 黄緑色の光沢が鮮やかな美しいシダである。個体数はオオカナワラビよりも少ない印象を受け、さほど多くは見かけない。絶滅危惧ⅠB類のシダである。


    南部町の林道脇で見かけたミドリカナワラビ。黄緑色の光沢が鮮やかで目立つ。


    ソーラス


    小羽片の中央に小さめのソーラスが付着する。


    カナワラビ属を代表する美しいシダである。黄緑色のシダの妖精と言っても良いように思う。

 1シーズンで探し出すのは困難であろうと思っていたオニカナワラビとホソバカナワラビに出会えたのは大きかった。さらには、是非見てみたいと思っていたミドリカナワラビとの出会いは嬉しかった。まだまだ実力不足、かつ調査不足のところが多数あり、もっと豊かにシダが生い茂る場所が見つかるだろうと思っている。残るカナワラビ属はコバノカナワラビのみとなったが、もう少し実力と観察力をつけないと見逃してしまうかもしれないし、ひょっとしたらもう出会っているのかも知れない。引き続き探索を進めて行きたい。

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初見のシダに遭遇 山梨県県南部の林道  令和2年3月7日

2020年03月08日 | シダの仲間
 南部町の沢から下山して次の目ぼしを付けていた沢沿いの林道に到着したのは午後3時を過ぎていた。林道は車のGPSには描出されない細い林道で、先がどうなっているのかは分からないが入り口に立っていた看板には「通り抜けできません」と書かれていた。沢に沿って走る細い林道を進むと、やがて沢の水は細くなって林道は沢から離れて山に登るようになっていた。林道脇のスペースに車を止めて沢筋とその先の林道を少し歩いてみる。沢の中は水量が少なく傾斜が緩く、しかも上流は竹藪になっている。これを登ってもあまり目ぼしいものは無さそうである。一方の山側に登って行く林道脇にはオオカナワラビとその近くにヘラシダが生えているのを確認した。撮影器具を車に取りに行き、林道を時間の許すところまで歩いてみることにする。


    古そうな林道だが、車のGPSには出て来ないうえにガーミンGPSでもこのあたりは道が出て来ない。


    林道脇に生えていたオオカナワラビ。少し痛んでいるのが残念。


    しかし、ソーラスはしっかりと観察できる。小羽片の辺縁寄りにソーラスが付着している。


    ヘラシダがあちらこちらに生えている。


    ヘラシダとオオカナワラビ?


    林道沿いにも点々とオオカナワラビ。とこの時は思っていたが・・・葉が厚くてゴワゴワしていて何となく違うような気がしていた。


    この個体のソーラス。撮影に熱中していて観察が不十分だった。小羽片の中肋寄りにソーラスが付着しており別のシダであることに気付かなかった。


    何だか分からないイノデ


    たぶん普通のイノデだと思う。


    ベニシダ


    コシダ


    緑色の光沢が美しいカナワラビの仲間、ミドリカナワラビ。


    まだ若いミドリカナワラビがたくさん生えている。以前に訪れた沢では1株しか見つからなかったがこちらには結構普通にある。


    下がミドリカナワラビ、上に立っているのがオオカナワラビ・・・と思っていたが・・・。


    葉を触ってみるとゴワゴワと固く先端部の突起が痛いほどである。何か違うが、良く見てみれば頂羽片がはっきりしない。

 そういえば、オオカナワラビはハカタシダに比べて葉が少し薄目で柔らかいと師匠が言っていたのを思い出した。こんなに固い葉をしているということは別物なのではないかとこの時に思った。良く観察し直してみると、ほとんどの個体が先端部の葉が傷んでいるものの、オオカナワラビのように細長い頂羽片ではなくて次第に細くなっていることが分かった。そしてソーラスの付き方も全く違う。帰って来てから図鑑とネットで調べてみて、これは初見のオニカナワラビであることが判明した。小羽片の切れ込みもオオカナワラビほどはっきりせず、ハカタシダに近いところも違いである。山梨県では珍しいシダであることは間違い無い。


    頂羽片がはっきりしないこのシダはオニカナワラビと判明した。


    他にこんなのも生えていた。


    オオバノハチジョウシダ。成体を見るのは初めてである。ソーラスはまだ付いていなかった。


    芽立ちの葉が出ているのでまだ若いのだろう。以前に見た幼体は交配して1年目の葉なのではないかと思う。

 時刻は4時半を過ぎて森の中は薄暗くなってきたため、撤退となった。林道の上部のほうではガーミンGPSに林道が描出され、さらに先に行くともう少し大きな林道に抜け出られるようであるが、おそらく崩落か何かで通行止めになっているのであろう。本日最初に入った沢は期待外れだったが、こちらの林道は珍しいシダをいくつも見ることが出来て満足だった。ただ、オニカナワラビは痛んでいるものが多かったうえにその気で気合を入れて撮影していないので、再訪してじっくりと撮り直したいと思っている。次回訪問時はヤマヒルの餌食になること必至であろう。

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南部町の沢のシダ散策とハナネコノメ  令和2年3月7日

2020年03月08日 | 渓谷
 本日予定されていた某記念会がコロナウイルスの影響で中止となった。近場に出かけて早目に帰って来る予定だったのだが会が中止となったので遠出が可能となった。もう3月に入ったのであと2週間もすれば山梨県県南部ではヤマヒルが出てくることが予想される。今回も南部町のまだ入っていない沢を途中まで登ってみることにする。


    本日入る沢の下流。この辺りはまだ沢沿いに車が走れる林道があるが、この少し先で林道が崩落しており通行不能になっている。


    林道崩落部の500mほど手前に車を止めて、崩れた林道を過ぎて沢を渡り、対岸の林道に入る。倒木が多くて荒れた林道が走っていた。


    本日のテーマはこのイノデの仲間だが・・・


    まだ見ても皆同じに見えて分からないので、別の機会に報告したいと思う。


    ハナワラビ属を見つけたが、この辺りはやはりオオハナワラビだ。


    オオバノイノモトソウに似ているが葉の真ん中に白っぽい帯がある。


    丸っこい葉の形、これはマツザカシダではないかと思う。


    スギ樹林帯の林床にはトウゲシバがたくさん生えていた。


    おそらくホソバトウゲシバ。


    森を横切り沢筋に下り立つ。祠が立っていた。後ろの木は大きな御神木だったのだろう。


    このあたりは傾斜が緩くて流れは穏やかだが、登るにつれて急になる。


    もちろん道は無いが、ほとんど靴を濡らさずに登れる。


    小滝が現れる。これは濡れずには登れず、右側を巻く。


    オオイタチシダと、おそらくイワガネソゼンマイ。


    こんなところにエビネの葉が・・・と思ったが根元を見るとどうやらヤブミョウガの葉。


    もうすぐ咲きそうなハナネコノメ。


    右側に建物が見えてきた。そこまで行ってみると、わさび田跡らしきものと廃屋があり、その先で林道が終わっていた。

 イノデの仲間は林道脇の少し湿った斜面のほうが多いのだが、今回はもう一つ、別の沢で見かけたタキミシダやまだ見ていないヒメサジランがこちらの沢にもあるのではないかと予想しての探索である。しかし残念ながら林道終点までの沢の中にはそれらしきものは見当たらず、それほど目ぼしいシダも見つからなかった。ひとつには、この沢は周辺の常緑樹が少なくて日当たりが良く、苔が生い茂るような環境には無いことがあるのだと思う。もう少し上流まで登ってみることにする。


    ここから先に登る人はよほどの物好きな人しか居ないはずだ。ガラガラの荒れた谷である。


    小滝。上に稜線が見えてきたがまだ遠い。


    イワトラノオはあちらこちらの岩にたくさん着いていた。イヌチャセンシダを探したが見当たらず。


    木に着生したシダたち。マメヅタ、ヒメノキシノブ、小ぶりのジュウモンジシダ、イワトラノオ。


    だいぶ傾斜が強くなってきた。


    日当たりの良い岩の上ではハナネコノメが咲いていた。まだ咲き始めたばかりだ。


    数は結構ある。


    これを撮りに来たわけでは無いのだが・・・


    可愛いのでついつい撮ってしまうハナネコノメ。


    大きな岩に突き当たった。右側から通れるが・・・稜線まではまだ遠く、これから先はさらに急傾斜のはず。ここまでで撤退。

 上の稜線までは標高差であと300mほどだが、この先を登るには岩登りの技術が必要になってくるだろう。自分のレベルを考え、かつ、目ぼしいものは見つかる可能性が低く撤退することにする。

 時刻は12時半だった。昼食をとりながら休憩する。下山準備して手袋を装着しようとしてあっとびっくり、右手の指先にヤマヒルが1匹付いていた。まだ目が覚めたばかりなのか動きが遅く、手を振って弾き飛ばす。他に付いていないかどうかチェックし、ザックから消毒用アルコールを取り出して念のため靴の周りと首と袖の周辺に振り撒いておく。まだ大丈夫と思っていたが、暖冬のためかもうヤマヒルが出現する季節になってしまった。これからの季節は要注意である。林道を使って下山する。


    廃屋と鹿除けのフェンス


    岩壁にヤマルリソウ


    ヒカゲノカズラ


    ここにもキヨスミヒメワラビが居た。


    白い鱗片が特徴である。

 課題のイノデはほとんど区別がつかないので、撮って来た画像を良く見て後日報告したいと思う。期待していた沢だっただけに目ぼしいものが見つからず、敗退感の強いシダ散策となった。時間はもう少しあるので目ぼしを付けているもう1本の沢沿いに立ち寄ってみようと思う。
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フジシダ三昧 山梨県北部の沢  令和2年3月1日

2020年03月02日 | シダの仲間
 山梨県ではごく限られた場所にしか生育していないフジシダは常緑性のシダである。師匠から1カ所は生育地の情報をいただいているが、まだ残雪があって登るのが大変なうえに、おそらく状態が良く無いであろう。その場所とは別の場所で、このシダを先日見てきたばかりだという花仲間に情報をいただき、さっそく見に行ってきた。


    本日登るのはこんな巨木が茂っている谷である。


    苔の緑が鮮やかな清涼感あふれる谷。苔の臭いが匂ってきそうである。


    複雑に絡み合った木の根


    苔の生い茂る倒木


    ホソバトウゲシバ


    ここに生えているホソバトウゲシバは一段と葉が細い。


    コケシノブ


    こんな苔が生い茂る豊かな自然の中にこのシダが生えている。


    フジシダ(コバノイシカグマ科)


    小さなソーラスが羽片の辺縁に付着している。


    上品な美しいシダであるが、苔の緑に溶け込んで生えているその姿がさらに美しい。


    細長くたれ下がるフジシダ。先端部には無性芽と小葉が付いている。


    無性芽と小葉


    水滴を湛えた無性芽


    さらに上流へ行くと主のような大木。


    裏側にはオシャグジデンダが着生していた。


    オシャグジデンダ


    ここが沢の源頭。ここから水が湧き出している。


    源頭を越えて水は無くなり平坦地に出た。

 沢を登り切って平坦地に出た。GPSで位置を確認するとそこから標高差で100mほど登ると小ピークに登れるようである。道は無いが登れない斜面では無いので行ってみることにする。稜線まで抜けるとそこには別ルートからの尾根道が付いていた。


    すぐ上に見える小ピーク。


    山頂到着。小さな山頂の看板が付いていた。


    その先の急斜面を下りてみるが・・・これがかなりの難コース。


    下りてきた急斜面。ところどころ大岩があって迂回しながら通過。滑り易くてちょっとばかり危なかった。


    傾斜が緩くなったところには炭焼き釜の跡があった。


    GPSで位置確認しながら登って来た沢に下りる。踏むのが申し訳ないような一面の苔。


    こちらにもたくさん生育していたフジシダ。


    岩に垂れ下がるフジシダ


    山盛りのフジシダ三昧。


    この木が見えてくると沢はもうすぐそこだ。

 予定では沢をちょっと登ってシダだけ見てくるはずだったが、結局は沢を登り詰めた上にある小ピークを周回することになってしまった。そのおかげで、沢沿いだけでなく山の斜面にある山盛りのフジシダに出会うことが出来た。周辺にある他の沢もちょっとだけ覗き込んでみたが、この沢のように苔がびっしりと生い茂っている場所は見当たらなかった。今回の渓谷は特別な場所であるように感じた。素晴らしい場所を教えてくれた花仲間に感謝である。
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アオイスミレほころぶ 藤垈の滝  令和2年2月29日

2020年03月02日 | 里に咲く花
 ミズバショウが咲くことで知られている藤垈の滝であるが、ここには山梨県ではあまり見られないアオイスミレが咲く場所でもある。まだ早いのではないかと思ったが近くまで来たので立ち寄ってみた。


    藤垈の滝。滝というよりも庭園である。


    ミズバショウが咲くにはまだ早かった。


    ここのミズバショウは植栽のもの。手前に生えているシダはオクマワラビ。


    気の早いミズバショウが一株だけ咲いていた。内部の付属体が見えず、これはちょっと変わり者らしい。


    まだ早いだろうと思っていたのだが、日当たりの良いところではもう咲いていた。


    アオイスミレ。


    薄紫色の綺麗なスミレである。花弁は薄く痛みやすい。


    普通に見かけるヤブソテツ。


    ソーラスはたぶん4列。


    清流の脇に咲くヤブソテツ。これは光沢が無いタイプ。ヤブソテツは何種類か種類があるが、まだ手付かずの状態である。

 今年は記録的な暖冬の影響で花の咲くのが早い。春の花は早め見に行かないとあっという間に花期を過ぎてしまいそうである。そろそろ忙しい時期が始まりそうだ。シダも見に行かなければ。
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やっと咲いたセツブンソウ  令和2年2月29日

2020年03月02日 | 里に咲く花
 世間では新型コロナウィルスが拡散しており、幸いにして山梨県ではまだ感染者は出ていないものの、いつ見つかってもおかしくない状況にある。私の働く病院でも厳戒態勢が敷かれており、来院者は全員に検温が行われ、熱がある場合は感染室という別の部屋で診察が行われている。院内で行われる会議は基本的に全て中止となっており、人ごみの中に入るのは少しばかり怖い気がする。人の居ない山の中がいちばん安全なのかも知れない。

 今年になってから2度訪れている昨年偶然発見したセツブンソウの群落であるが、2月10日の時点ではまだ葉も何も出ていなかった。この場所はあまり知る人がおらず滅多に人に会うことが無い。2月も本日で最終日である。いくらなんでも、もう咲いているはずだ。


    ツララが垂れていた岩にはもうツララは無い。


    3度目にしてようやく咲いているのに出会えたセツブンソウ。


    あるのはほんの一角だけ。


    しかし、三珠のセツブンソウに比べると密度はこちらのほうが高い。


    満開のセツブンソウ


    今年は出ないのではないかと心配していたが、きっちりと咲いてくれた。


    こちらは林道脇に生えていたミサキカグマ。


    下向き第一最下小羽片が大きいことと、下方の羽片が弯曲しているのが特徴。


    ソーラスは中軸寄りから付着し始めるが、この株はもう全体に広がっていた。


    滝に立ち寄る。


    沢沿いにはネコノメソウ属がほころび始めている。


    赤い葯が顔を見せている。これはヨゴレネコノメソウか?


    岩壁にはクモノスシダ


    滝の近くにはやや大型のシダが生えていた。たぶんオオイタチシダ。


    黒くて細長い鱗片、袋ははっきりせず。オオイタチシダだと思うが、確信は持てず。


    こちらはまだ固い蕾。

 昨年セツブンソウを見つけた時はもう落花していてどのくらい花を咲かせたのか分からなかったが、かなり密にしっかりと花を咲かせてくれることが確認できた。かつての三珠のセツブンソウもこんな感じだったように思う。花を咲かせてくれてひとまずは安心である。
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