筆者は1936年、仙台の生まれ。24歳の夏まで、その多感な少年時代、青年時代を過ごした。
当時は、まだまだ生活が貧しく、苦しい思いをした。広瀬川の瀬の上を彷徨し、わけも無く寂寥感をあじわっていた。昔は青春とは悲しく、苦しいものだと本で読んだので。寂しくなければ青春ではないと思い込んでいた愚かさが懐かしい。
8月26日、飯田市のそばの天竜川の川べりへ下りて行った。瀬音を聞きながら仙台の広瀬川をさまよった頃のことを思い出す。
全国に、故郷の川の瀬音と、わけもなく悲しい少年の頃の思い出をもっている方々も多いかも知れない。そんなことを考えつつ、青葉城恋歌をお送りします。
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青葉城恋歌、星間船一作詞・さとう宗幸作曲(出典:http://www.geocities.jp/tabibito324/page045.html)
広瀬川流れる岸辺 想い出は帰らず
早瀬(はやせ)躍(おど)る光に 揺れていた君の瞳
時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ 流れの岸
瀬音(せおと)ゆかしき 杜(もり)の都
あの人は もういない
七夕の飾りは揺れて 想い出は帰らず
夜空輝く星に 願いをこめた君の囁(ささや)き
時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ 七夕祭り
葉ずれさやけき 杜の都
あの人は もういない
青葉通り薫る葉緑 想い出は帰らず
樹(こ)かげこぼれる灯(ともしび)に ぬれていた君の頬
時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ 通りの角(かど)
吹く風やさしき 杜の都
あの人は もういない
時はめぐり また夏が来て
あの日と同じ 流れの岸
瀬音(せおと)ゆかしき 杜(もり)の都
あの人は もういない
(終わり)