後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

草木染めの世界、その一

2008年09月08日 | うんちく・小ネタ

20080907002929_2  結婚とは凄いものだと思う。妻の影響を受けるのは男性の方で、その逆に妻が夫から影響を受けることは少ないのではないだろうか。

草木染めの布を家人によく見せられた。何か薄汚れた曖昧な色合いの布切れのように見える。しかし長年、見せられているうちにその魅力が分かるようになった。そのせいか、ひかるの さんの「インド ブータン アジアの布 染織美術館」を見て感心したのかも分からない。

http://asiancloth.blog69.fc2.com/)     上に出した写真は、ひかるの さんのブログから転載したアジアの布である。どういう染料を使ったか知らないが、なにか草木染めのように見える。暖かい人間の息使いが感じられる。

日本の昔も同じ。藍染、紅花染、紫根染、蘇芳染、茜染などが1000年以上にわたって布の染め方であった。西洋の近代染織法はつい最近100年位の短い間の歴史しか無い。

日本の文化はアジア文化圏にあるというが、草木染めを少し調べると、つくずく納得する。現在でも草木染めのような布を使っている人々を懐かしく、親しく感じる。それが文化の面白さでしょうか?(続く)

付録:「紫は 灰さすものぞ 海石榴市の 八十のちまたに 会える子や誰」

(注:海石榴市(つばいち)とは市場の名前で、奈良県の桜井市にあった何でも売っていた大きな市場のこと。後半だけに意味があり、広い市場で会った美人はだれであろうか?という他愛の無い歌である。意味だけ考えると単純だが、言葉の響きあいが美しいと言われている。媒染に椿の灰を使っていたことも判る。

参考文献:(1)清水好子、吉岡常雄、監修「源氏物語の色」(株)平凡社、日本の心60、1988年1月9日、初版発行

(2)渡辺 茂 著、「万葉人の技術」、日本書籍株式会社、1978年12月20日初版発行