後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

原発事故賠償政策を迅速に決定した菅直人総理の感性は人間的で良い!

2011年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

大企業密着型の従来の自民党の歴代総理と違い、菅直人総理は社会運動家の市川房枝女史の秘書として政治家の道を歩き始めたのです。大企業からの献金は少なく、個人的な人気で政治家として活躍してきました。その経歴は戦後、保守主流の政界では異色の総理大臣です。父や祖父が政治家でなかったので職業政治家の悪い側面を引き継いでいません。

ときどき変な事をしましが、その感性は個人尊重であり、人間的なものであります。3月11日の大災害発生以来、彼の感性の良い部分が顕著に見えるようになって来ました。

昨日は福島原発事故の被害者への賠償の方策について東京電力側と取り交わす6項目の確認事項を決定しました。

賠償額に上限を設定しないで、どのような被害でも完全に賠償しようとしています。その上、東京電力を株式会社のまま実質的に政府が経営に参加して半分国有会社のようにして賠償責任を果たそうという計画です。東京電力側はこの案を受託する他は無く、昨日の賠償策に従っていずれ賠償金の支払いが進むものと見られます。

この決定は想像以上に迅速であり、菅直人総理の決断を称賛したいと思います。一昨日の浜岡原発の完全停止も総理の感性のお陰と思います。

その延長で、菅さんは今後のエネルギー政策の見直しをして、原発依存率をを次第に少なくして、原発依存体制からの脱却を模索すると言っています。

原発を一つ減らし、二つ減らしして、その代わりに火力発電所を増設して行くようです。

東京電力も今後の火力発電の為の燃料費増加分の一兆円を必要な資金として計上しています。(今日の読売新聞1ページ記事にある)。

何度もこのブログで書いたように今後は火力発電を拡大し、その排気浄化の技術開発をすべきなのです。東京電力も中部電力も現実的に火力発電に動き出したようです。

再生可能なエネルギーを使った発電法は発電量が小さすぎて、残念ながら話にならないのです。はっきり言えば非現実的です。言ってみれば趣味の世界なのです。

日本の社会全体を電力大量消費型社会から省エネルギー型社会へ組変えて行く方向に菅直人総理は考えているようです。それは彼の政治家としてのリスクになります。大企業や経団連が陰で菅直人氏の追い落とし策を繰り広げるからです。

私個人は菅直人総理が、もう2年くらい総理大臣にとどまる事を祈っています。

世論はどのように動くのでしょうか?皆様はどのようにお考えでしょうか?


雑木林のお好きな方々へ送る写真です

2011年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

甲斐駒の山麓には水を張った田圃が広がり、向こう側に新緑の雑木林が輝いています。林の中の小道を行くと、季節の藤の花やヤマナシの花が咲いています。雑木林の梢を見ると若葉がさつきの風に香っています。

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福島原発事故現場収束へのボランティア組織は危機的状態であると危惧しています

2011年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

今朝の読売新聞の18ページ目で4つの原発の対策の進捗状況を明快な図面入りで説明しています。4月17日に東京電力の発表した事故収束の工程表はとても約束通りに進捗しそうもありません。

一番対策が進んでいる1号炉では最近原子炉建屋内へ作業員が入れて、計器類の点検が出来ました。そして原子炉格納容器内を水浸しにする冠水(水棺)作業を始めたという発表をしています。しかしその一方で、タービン建屋の地下と配管用トンネル内に20500トンもの高濃度汚染水が溜まっているとも発表しています。

この事実はタービン建屋内の配管などに割れがあり、炉心や原子炉格納容器へ注入している水が流れ出ている証拠です。

漏れている場所が複数あり、それが人間には見えない地下や部品の陰にあったとしたら漏れ防止策は出来ません。汚染水の垂れ流しが何時までも続くのです。従って循環式冷却は不完全な循環で終わるのです。

このような状態を昨日ご紹介したボランティア組織はもっと深刻に考えています。

福島原発事故現場収束へのボランティア組織結成・・・旧日本原子力研究所で勤務していた27人のグループ

その理由は今回の事故は4ケもの原発の同時大規模破損であり、人類が今まで経験した事の無い大量放射能との壮絶な戦闘になっていると判断しています。

その上、汚染水の漏れている場所を見つけ、その割れや穴をふさぐ作業は強烈な放射能にさらされて実行しなければなりません。その作業は複雑で、とてもロボットでは無理で、人間の手でしなければなりません。その方策や戦略を考える情報すら無いのが現状です。

このような困難な作業の立案、戦術の作成は東京電力単独で行えないと思います。政府の一元的な統括の下で我が国の技術者の総力を集結して、「全日本原発対策特別部隊」を編成して問題の解決に当たらなければいけないと思います。

こんな内容の事を原研OBのボランティア組織が提案しています。

私も同感です。東京電力の原発事故現場へ民間のボランティア組織を一切寄せ付けないという体質が問われているのです。原子力研究の経験が30年以上ある専門家は放射能への防御方法も熟知しています。そのようなグループへ現場検証をして貰って、より客観的な対策と戦術を作るべきではないかと信じています。


こんなつまらない趣味を38年間も続ける私の愚かさ

2011年05月11日 | 日記・エッセイ・コラム

趣味は人それぞれです。それにしても私の趣味は淋しい山林の中の小さな粗末な小屋へ通う事です。風光明媚な別荘地に洒落たログハウスを作るような甲斐性も経済的な余裕もありません。自分のふがいなさと、詰まらない小屋にこだわる根気を自慢したい気持ちが入り混じった複雑な気持ちです。

小さな小屋に一人で泊る辛い夜には、昔学校で習った方丈記を思い出して自分で慰めています。いささか自虐的な趣味かも知れません。時々家内が一緒に来て泊ってくれます。そんな時は方丈記を思い出しません。

下の写真はその小屋を西側から見たものです。右に6畳間、左が4.5畳間です。小屋の向こう側には一年中水の枯れない小川が流れています。その向こうの崖を登ると白樺も混じった雑木林が広がっています。その林を抜けると牧草地があり、そこからは甲斐駒岳や八ヶ岳がよく見えます。

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この粗末な小屋は1973年に作りました。38年前の事です。毎年何十回も通いました。

下の写真のような小川のほとりにテーブルと椅子を待ちだして一日中時を過ごします。朝はコーヒーを淹れ、ベーコン・エッグを作り食べます。新緑の木々を見ながら食べる朝食は都会では味わえない最高の気分です。

お昼は大体簡単な麺類を作って食べます。

夕方になると持参したビールを小川で冷やして、水の流れを眺めながらゆっくり飲みます。

春は小鳥の声、夏には日暮蝉の合唱、秋には紅葉の梢を渡る風の音を聞きながらビールを飲み続けます。

夕食は自宅から作って持って行ったシチューの鍋を卓上コンロで温めてメインデッシュにします。

ビールを飲みながら、昔子供達と小屋に泊ったことや、数年前に孫達と泊った時の事を思い出しています。随分前には研究室の学生さん達とも一緒にビールを飲んで、雑魚寝をしたものです。そんな頃の事も思い出します。あの頃はまだ若くて元気があったのです。

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また近所の別荘の人々と仲良くなり、一緒にワインを醸造したり、素人作りの彼の小屋で囲炉裏を楽しんだ事などを思い出します。素人の作った小屋では囲炉裏の煙が出て行かないのです。2人で煙がけむくて、涙を流しながらビールを飲んだ事も忘れられません。

少し離れた鬼家さんの山荘へはよくお邪魔をして一緒に飲んだものです。庭に山野草の花々を沢山咲かせていました。シイタケを栽培したり、モリアオガエルを育てていました。

一人で20年近くも山荘に住んでいます。このブログは彼に勧められて始めたのです。PCの使い方も丁寧に教えてくれました。

この趣味は粗末な小屋の前の小川が決定的に重要なのです。小屋は夜寝る為だけの所です。寒い冬の夜のために簡単な薪ストーブがあります。

春夏秋冬、どのような季節でも小川の傍で食事をし、ビールを飲みます。

先日、家内と一緒に泊った時、思い立ってこの小川の水源を探しに行くことにしました。小屋の南側の暗い針葉樹の林の中を登って行くのです。途中、親子の鹿が白い尻尾を立てて走って行きます。猿はよく見ますが鹿は時々しか見えません。

鹿の逃げて行った方向へ道なきヤブを通って登りました。そうしたら下の写真のような水源地帯の小さな水の流れがありました。

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さらに周囲を見回すと、下の写真が示すような樹木の無い草地も広がっています。足を踏み入れるとグチャッとぬかります。靴の中に泥水が入りそうです。湿原なのです。山林の中に隠れたささやかな湿原なのです。

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小屋の庭先を流れている小川の源は、大体1000mほど上流の山林の中の湿原だったのです。

山奥の岩の間からコンコンと湧き出している泉が水源と思いこんでいた家内がガッカリしています。南アルプス白州の天然水のテレビコマーシャルを信じていたのでしょう。

それにしても水源探しの山登りのお陰で周辺の地形がよく分かりました。水源地帯は小さな国有林らしくて営林署が植林をし、保護しているという看板もありました。昔は、下流の里の人々の飲み水だったに違いありません。田圃に引く水だったに違いありません。現在は水道が完備し、稲作用の水は大きな川から引いています。

その遺産として、一年中小川の水が枯れないのです。その理由も明快に分かったのです。小屋を作って以来の大きな謎が解けました。

詰まらない自分の趣味の話を長々として失礼致しました。

それはそれとして、

今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人