後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

若者よ、博物館や美術館の学芸員という職業の重要さや素晴らしさを知れ!

2011年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム

素晴らし職業や人気の高い職業は時代によって変わります。また人それぞれ自分に合った職業もいろいろです。戦前の日本では軍人になったり官僚になる事に人気があり、多くの優秀な若者がその職業についたものです。しかし、それは敗戦とともにすっかり変わりました。

そして経済の高度成長の間は民間の大会社のサラリーマンになる事が素晴らしい事と思う人が多かったのです。それも1990年前後のいわゆるバブル経済の崩壊で様変わりをしました。

あらゆる職業の差別が無くなり、転職も普通の事になりました。

その頃から博物館や美術館の学芸員が魅力的な職業として脚光を浴びるようになって来ました。私はその頃から学芸員という職業へ強い興味を持っています。

美術館や博物館へ行く度に学芸員のお話を聞くようにします。すると自分の理解して居なかった分野の事が簡単に理解できるのです。

学芸員の職務は様々ですが、一言で言えば、「学者の発見した事を素人に理解易く展示したり、説明する事」です。例えば、つくば市にある地質標本館の展示は地球45億年の地層の変化が明快に展示してあります。数多くの優秀な学芸員が展示方法を真剣に研究している様子が目に見えるのです。

美術館へ行けばそこの学芸員の芸術性の高さが分かります。有名な画家の失敗作だけを展示して、画家の有名さだけに頼っている美術館もあります。有名な画家でも失敗作は安価なのです。ところが一方では、無名の画家でも藝術的深みのある絵画を展示している場合もあります。その上、その画家の一連の絵を、画風の変化の順序に展示してあります。学芸員の独創性と芸術性が偲ばれます。

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最近、町田市立自由民資料館に行ったとき2度ほどお話を聞いた学芸員には感動しました。その方は杉山 弘さんという方です。歴史家です。歴史的研究の仕方は民衆の立場にたった歴史研究で有名な色川大吉先生の研究室へ3年間通って勉強したそうです。

杉山さんの歴史的視点が独創的なのです。

一般に日本の学校教育で習う歴史は時代、時代の権力者のした事の羅列です。その時代に生きた普通の人々がどんな思いや考えで生きていたかという歴史的事実を教えません。人々は何を考えて生きていたか?

その問題へ私は以前から非常に興味がありました。それが分かれば現在の我々の生き方に大きく参考になります。生きる勇気も湧いてきます。

自由民権運動は幕末が終り、明治政府が出来、第一回の総選挙があり帝国議会が開催される明治23年頃まで全国で展開された民衆による民主主義運動です。その運動に参加した人々は何を行い、何を考えていたかを研究して、その研究成果を展示してあるのがこの自由民権資料館です。全国を見渡してもこのような展示館は珍しい存在です。

自由民権運動は日本各地に起きたので地方、地方の歴史的事情でその内容が異なっています。それを研究することは郷土の歴史研究でもあるのです。

町田市立自由民権資料館の学芸員の杉山 弘さんは明治時代の神奈川県と現在の東京都の多摩地方の歴史を研究し、その成果を展示へ反映させています。そして歴史学者の専門的な論文を素人へ分かり易く説明してくれるのです。

学芸員は学者と素人の間をつなぐ通訳なのです。芸術家と素人の間をつなぐ翻訳家なのです。とても重要な仕事です。そして美術館や博物館の優劣は学芸員の働きによって決まるのです。日本の文化レベルは美術館や博物館の優劣によって決まります。

決してGDPや経済力でのみ決まるものではありません。

ですから学芸員は素晴らしい職業なのです。是非、若い皆様が学芸員という職業を選択するようにとお祈りしています。

杉山 弘さんがお時間をさいてお話し下さった事へ感謝いたします。


盆栽の手入れはどうしますか?

2011年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム

府中市、郷土の森公園には見事な盆栽が並んでいます。市民の故、村越氏が約百鉢寄付したそうです。しかし手入れをする専門職の人が居ないので根張りが浮き上がり、葉が茂り過ぎています。近所の盆栽好きな人がボランティアでしてくれるのが良いと思いますが、何方か良い手入れの方法をお教え下さい。そうすると公園の管理事務所も助かると思いますが。どんなものでしょうか?

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福島原発事故をめぐる国民の知る権利・・・報道規制の大間違い

2011年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム

資本主義社会においては株式会社の法人としての権利が法律で守られています。会社の建物、工場や敷地内へは社長の許可なく何人といえども立ち入りは禁止出来ます。当然のことながら新聞記者やカメラマンの立ち入りも禁止出来ます。法治国家としては当然の事として国民がこれを守っています。しかしこの権利は株式会社が負うべき義務を果たしているか否かによって意見が別れるのは当然です。社会の安寧と秩序を守り、人々の健康へ危険を与えないというのが法人としての最低の義務です。福島原発の大事故ではこの義務を果たせていません。このような場合にはどのように対処すべきでしょうか?

少し、根本的に考えてみましょう。

今回の原発事故は社会の安寧を乱し、数多くの人々の健康を危険にさらしたのです。その上、国際的にも混乱を招き、多くの外国人が帰国してしまったのです。貿易にも大きな風評被害を出しています。

東京電力は法人としての義務を果たせなかったのです。その自覚も反省もありません。もし有ったら、自ら新聞記者やカメラマンを招き入れ、原発事故の現場を明快に紹介し、復旧作業の実態の映像を国民へ公開すべきです。

政府も東電へ新聞記者やカメラマンへ原発事故の現場を公開しなさいと要請できる立場にあります。浜岡原発の完全停止を要請したのですから。それをしないのは経済産業省としても何か具合の悪い事があるのでしょうか?

福島原発事故の現場は放射能が強くて、新聞記者は危険で、入れられない。そうです。このような理由で断って来たのでしょう。

しかし5人や6人の記者に防護服を着てもらい、放射線専門家を付き添いとして受け入れることは簡単に出来ることです。東京電力株式会社の面子と利益を守る為に記者やカメラマンを受け入れないのです。

東電内部の個人の自由と尊厳については別の記事で書きたいと思います。

それはそれとして、

今日も皆さまのご健康と平和をお祈り致します。藤山杜人