福島原発の1号炉から3号炉の炉心圧力容器内へ毎日数百トンの水を注入して炉底にある核燃料の塊や粒子を冷却しています。
その数百トンの水は炉心から漏れて、出ています。その出方には2通りの出方があります。
(1)炉心の核燃料物質の大きな崩壊熱で、注入した水が沸騰し、水蒸気として炉心から、外へ吹き出す現象がまず一つです。
この時激しい沸騰で、強い放射能を持った微粒のウラン酸化物の粉末が水蒸気とともに噴き出します。勿論、セシウム137やヨウ素131も一緒に飛び出します。そして最後には建屋の上空へ放散されるのです。この現象は四六時中続くのです。
従って、福島県各地の放射線料は下の表に示すように何時まで経っても減少しません。
(2)もう一つは、炉心から強い放射能を持った水が流れ出ているのです。
毎日、3つの原発の炉心へ合計数百トンの水を注入しているのに、炉心の水位が上がりません。従って毎日、毎日、数百トンもの汚染水が炉心から流れ出て、原発建屋の地下から地中に沁み込み、その一部は海へと流れ出ているのです。
しかし幸いな事に、ウラン酸化物の微粒子を懸濁した汚染水が土に沁み込む時に、土の蘆過作用で放射能強さは随分と低下する筈です。
原発敷地の地下の土は酷く汚染されますが、幸いに海へはそれほど放射能が排出されないと想像出来ます。
さて上の(1)で空中へ毎日、毎日、放散される放射性物質の総重量は一日あたり何キログラム位になるのでしょうか?
また(2)の現象で毎日、毎日、炉心から流れ出る放射性物質の総重量は一日あたり何キログラム位になるのでしょうか?
核燃料の総量に比べると微々たる量に違いありません。しかしその事は炉心から何年も、何年も強い放射性物資が際限もなく漏れ続ける可能性があることを暗示しています。
3つの原発の炉心圧力容器と原子炉格納容器を密閉出来れば問題解決です。しかし強い放射線が放射している現場での作業は至難の技で、原発の密閉が成功するのは何時になるのか誰にも想像がつかないのです。勿論、密閉しながら冷却水の循環を絶対に止められませんから一層困難な作業になるのです。
何方か何か良い解決法をお教え下さいませんでしょうか?
ご参考までに4月1日、2日、3日、4日、5日、そして4月22日と5月12日の放射線量の測定値を下に示します。
東北、関東地方の放射線量の測定値の単位はマイクロ・シーベルト/hour です。そして太字は4月22日と5月12日の値です。
日本各地の正常値は0.02から0.06と考えられています。都市名の太字は正常値以上の場所です。
青森市0.026:0.027:0.027:0.026:0.026 0.026 0.027
盛岡市0.028:0.025:0.025:0.025:0.025 0.023 0.024
仙台市0.093:0.085:0.080:0.077:0.081 0・073 0.074
福島市2.80:2.53:2.34:2.32:2.34 1.71 1.57
会津若松市 0.15
郡山市 1.38
飯館村 3.14
浪江町(赤宇木) 19.0
いわき市0.62:0.60:0.55:0.55:0.50 0.28 0.23
山形市0.063:0.0.061:0.061:0.060:0.060 0・051 0.047
宇都宮市0.092:0.086:0.084:0.082:0.0800.065 0.061
水戸市0.195:0.0.180:0.175:0.169:0.1630.122 0.101
さいたま市0.080:0.075:0.073:0.071:0.0700.058 0.054
東京・新宿0.101:0.094:0.091:0.089:0・0890.073 0.064
市原市0.075:0.067:0.065:0.063:0.061 0.049 0.046
長野市0.049:0.044:0.044:0.043:0.043 0.043 0.040
静岡市0.042:0.045:0.039:0.038:0.036 0.037 0.040
上の測定値の推移を見ると福島県各地は放射線量が高く、あまり減少が顕著でありません。毎日、毎日、水蒸気と共にセシウム137やヨウ素131が空中へ放散されているからと考えられます。
福島原発の完全密閉と循環冷却が一日でも早く成功するように心からお祈り申し上げます。過酷な作業に従事している方々のご健康をお祈り申し上げます。