現在、わたしたちが食べているいろいろな野菜はいつごろ日本へ渡来して来たのでしょうか?そんな事に興味があり調べて書いた記事が、野菜を食べ健康になろう!美人になろう!・・・西洋野菜と日本の野菜です。
それを見ると実に多くの野菜が海外から日本へやってきた渡来野菜なのです。大変吃驚しました。
それでは現在日本で咲いている花々が何処から来たのでしょう?
きっと日本原種のものは大変少ないと思いつつ調べてみました。
そうしたら本格的な文献を発見しました。
慶応大学、磯野直秀名誉教授の発表している「明治前園芸植物渡来年表」です。http://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/download.php?file_id=13125
これは完璧な研究論文です。信用出来る内容です。
下のにその一部をご紹介いたしますが、是非原文をご覧下さい。植物学の素人にも簡単に理解出来る素晴らしい文章で書いてあります。
(1)奈良、平安期
梅、菊、ボタン、シャクヤク、アサガオ、シモクレン、ケイトウ、ジュズダマだどなど。
(2)鎌倉期
ナンテン、フヨウ、ムクゲなど。
(3)室町期から安土桃山期
スイセン、ホーセンカ、ジンチョウゲ、ヒガンバナ、ローバイ、ソテツなどなど。
(4)江戸時代(17世紀)
シュウカイドウ、サルスベリ、レンギョウ、ハクモクレン、オシロイバナ、エニシダ、ヒマワリ、などなそ。
(5)江戸時代(18世紀)
キョーチクトウ、ハボタン、ニチニチソウ、など。
(6)江戸時代(19世紀)
ノボタン、ダリア、オジギソウ、コスモス、カンナ、キンギョソウ、スイートピー、パンジー、ラベンダーチューリップ、ゼラニュームなどなど。
この研究論文の圧巻は30ページから39ページにわたる数百種の渡来園芸植物の年号別の一覧表にあります。
慶雲2年(705年)から始まって、明治1年(1968年)のそれぞれの年号に渡来した園芸植物の名前が明記してあるのです。それはこの研究者のライフワークと言っても過言ではありません。
驚くことにわれわれが普通日本古来の植物と思っていた梅も柿もナスもキューリも皆渡来植物なのです。
是非ご覧下さい。そして植物がこの地球上を移動して繁茂する不思議をお考え下さい。