人生には不幸がつきまといます。不孝の最大の原因は親子関係の崩壊です。夫婦関係の破綻です。
親子関係が良くて、夫婦仲さえ良ければ、その他の不幸の原因は解決するものです。少なくともそれ程気にならなくなるものです。
そのようにする秘訣を私は20年程前にアメリカで覚えました。親子関係と夫婦仲を改善する為の訓練会で覚えました。秘訣を習いました。生活の考え方を変える実践的な方法です。宗教とはまったく関係ないと教わりました。その教え通り20年間ほど試して来ましたが、その効果は抜群です。
秘訣はたった一つです。不幸になった原因を考えない。不幸をあるがままに受け止めなさい。仲の悪い相手と仲良くしようとしないで、さりげなく一緒に生活をします。相手に干渉してはいけません。感謝していることを少しだけ言いなさい。
これだけが秘訣です。
一番大切な事は、「不幸になった原因を考えない」ということです。
夫婦仲が悪くなると自分でその原因をあれこれ考え始めます。その行為が決定的に間違っているのです。原因を考えると普通は相手の悪いところを沢山思いつきます。自虐的な人は自分の悪い所をこれでもかと考えます。相手を傷つけます。自分も傷つきます。これこそ不幸の始まりなのです。
原因を考えると、結果的には夫婦仲がますます悪くなり、最悪の場合は破綻という結末まで進みます。
親子関係でも同じことです。怠け者の父を持ったお陰で、貧乏になりロクに学校へも行けなかった。大学を出なかったので一生つらい思いをした人は案外多いものです。この文章の何処が決定的に間違っているのでしょうか?
自分が不幸な人生を送った原因を考えたのが間違いなのです。
事実は上の文章に書いたような因果関係があったのかも知れません。しかしそれを忘れて、何故不幸な人生になったかの原因を考えないようにすることが幸せになる秘訣なのです。
そうする努力をはじめると家庭内の雰囲気が変わってきます。急に夫婦仲や親子の仲を良くしようと焦ってはいけません。さりげなく一緒に生活を続けながら少しずつ自分の生活態度を変えるのです。相手への干渉を減らします。時々は相手に感謝の気持ちを伝えます。それだけで良いのです。驚くほど顕著な効果が現れます。
私自身も人間なので上に書いた事を忘れます。忘れると夫婦仲が途端に悪くなります。育った環境のまったく違う2人の他人が同居するのが夫婦関係なのです。時々、仲悪くなるのは自然な現象です。そのような場合に私は上に書いた事を思い出します。思い出した途端に問題が解消します。
このアメリカでならった幸福になるための秘訣は実は仏教の教えなのです。人生は空(くう)なのです。夫婦仲も親子関係も空なのです。空ではありますが注意深く維持しないと一番危険なものなのです。注意深く維持する秘訣は自分への執着心を捨てることです。
キリスト教国のアメリカではこの教えを一言も仏教の教えとは言いません。あくまでも生活術のノウハウとして教え込みます。
詳しくは、外国体験のいろいろ(46)アメリカの仏教的セミナー という以前の記事に説明してあります。
今日の挿絵は上と下にあります。夫婦関係を象徴するような写真を選びました。新婚の頃は上の写真の花のように甘い関係です。年老いて来ると下のススキの原のような風景が夫婦を温かく包んでいます。秋の末ですがススキの穂が陽に輝き、少し華やかな雰囲気です。
それはそれとして、
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人