安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

沼尻竜典指揮 広島交響楽団演奏会(10月30日 上田市サントミューゼ)【メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲、交響曲イタリア】

2021-11-01 19:30:00 | クラシック演奏会

文化庁で行っている事業の「オーケストラ・キャラバン」(当事業へのリンク)の公演の一つとして、広島交響楽団の上田公演があったので、聴いてきました。文化庁の事業の一環とはいえ、広島交響楽団が遠い長野県に来てくれたことに、まず感謝しました。

   

(出 演)

指揮:沼尻竜典
ヴァイオリン:南紫音
管弦楽:広島交響楽団

沼尻竜典さんは、1990年ブザンソン指揮者コンクールで優勝。現在、びわ湖ホール芸術監督、トウキョウ・ミタカ・フィル音楽監督、2022年4月より神奈川フィル音楽監督に就任予定。ドイツ・リューベック歌劇場音楽総監督を務めたほか、ケルン歌劇場、バイエルン州立歌劇場等世界各国のオーケストラ、歌劇場に客演。南紫音さんは、2015年ハノーファー国際ヴァイオリン・コンクール第2位。国内主要オーケストラ、フランス国立管、リール国立管などと共演。これまでに3枚のCDをリリース。詳しくは下記をご覧下さい。

(曲 目)

ウェーバー / 歌劇「オベロン」序曲
メンデルスゾーン / ヴァイオリン協奏曲 ホ短調  作品64
J. S. バッハ / 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番 ホ長調  BWV1006Ⅵ「ジーグ」(ソリストアンコール曲)

〈休憩〉

メンデルスゾーン / 交響曲第4番 イ長調  「イタリア」 作品90
モーツァルト / ディベルティメント ニ長調  K136より第2楽章 (オーケストラアンコール曲)

(感 想)

開演前にパンフレットを眺めていたら、本日の客演奏者として16人が掲載されていたので、驚きました。メインの交響曲「イタリア」のためだと思いましたが、響きがどうなるか興味が湧きます。本日は、指揮者、ソリストともによく見える席です。

このヴァイオリン協奏曲には、嫋嫋とした旋律で心をとらえて離さないというイメージを持っていたのですが、南さんの演奏は、ダイナミックで迫力があり、重音など技巧的にも聴かせどころの多い、スケールの大きな曲だということが伝わる、優れたものでした。

メンデルスゾーンの「イタリア」は好きな曲ですが、沼尻竜典さんの指揮、音造りは重厚で、中低音が充実していて、例えば、明るい第1楽章の第1主題も厚みがあって、全体にドイツの作曲家の作品だと思わせるものでした。エネルギッシュで、また、聴いてみたい指揮者です。

(演奏者の詳しいプロフィール)

   

   

(あらかじめ聴いたCD)

   

メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲。ヒラリー・ハーン(vn)、ヒュー・ウルフ指揮オスロフィルハーモニー(2002年録音)

   

メンデルスゾーン・交響曲第4番「イタリア」。クラウディオ・アバド指揮ロンドン交響楽団(1984年録音)