安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

高橋多佳子ショパン・ザ・シリーズ VOL.3 (11月12日 上田市サントミューゼ)【特別ゲスト 下田幸二(音楽評論家)】

2021-11-13 19:30:00 | クラシック演奏会

高橋多佳子(p)さんのオール・ショパン・プログラムによる演奏会「ショパン・ザ・シリーズ」(全3回)の最終回を聴きました。特別ゲストとして、音楽評論家の下田幸二さん(高橋さんの旦那様)が出演して、今年(2021年)のショパンコンクールについて語ってくれました。

   

チラシの表。曲目がわかるように下半分を拡大しました。

(出 演)

ピアノ:高橋多佳子
お話:下田幸二

高橋さんは、第12回ショパン国際ピアノ・コンクール第5位。桐朋学園大学卒業、国立ワルシャワ・ショパン音楽院研究科を最優秀で修了。国立ワルシャワフィルをはじめ、国内外のオーケストラと共演を重ねる。既にCDを20タイトル以上リリース。
下田さんは、ショパンやポーランド音楽の研究者。桐朋学園、昭和音楽大学講師。武蔵野音楽大学卒業、国立ワルシャワショパン音楽院修。著者として「ショパンその正しい演奏法」などがある。

(曲 目)

全てショパンの作品で、高橋さんがショパンコンクール(第12回、1990年)で弾いた曲だそうです。

ノクターン 第18番 ホ長調 作品62-2
マズルカ 変ロ短調  作品24-4
即興曲 第2番 嬰ヘ長調 作品36
ソナタ 第3番 ロ短調  作品58より
  第1楽章  アレグロ・マエストーソ
  第4楽章  フィナーレ:ブレスト・マ・ノン・タルト

(感 想)

3回目の今回は、名曲が揃い、高橋さんの演奏も熱を帯びたものでした。とりわけ、僕の好きな「即興曲第2番」を取り上げてくれ、演奏の方も後半の32分音符が続く部分など流麗で美しく、素晴らしいものでした。ソナタ第3番は力強く、3回のシリーズの最後を飾るのに相応しいものでした。

下田さんは、1990年のショパンコンクールから全てのステージをみているそうですが、今年(2021年)は、日本の牛田さんなど正統的な演奏をする3人が2次予選で落ちたのにはびっくりしたそうです。派手にやった人が残っていったので、審査傾向が変わってきていて、審査員が好みでつけたかもしれないと話していました。

下田さんは桐朋学園(高校)で、今回2位の反田恭平さんと4位の小林愛実さんを教えていて、反田さんの高校生時代のエピソードも語ってくれて、会場も和やかな雰囲気になりました。今回、優勝したブルース・リウ(カナダ)さんについては、独特のルバートで、音色も美しく、魅力があると話していました。

一回一時間程度ですが、3回連続したショパン・ザ・シリ-ズはとてもよく、このような企画をまたやってもらいたいと思いながら会場を後にしました。

【高橋多佳子さんの twitter】

高橋多佳子さん (@takako1990) / Twitter

【今回もコンサートのあと演奏された曲を自宅で聴きました。】

   

アルトゥール・ルービンシュタイン「ルービンシュタイン・プレイズ・ショパン」(CD10枚組)で、本日の高橋さんの演奏曲目を聴きました。