法曹の増員とレベルの低下(中島・宮本法律事務所の宮本先生のエッセイより)
…だってそりゃそうだろう。昔って、ほんの10年くらい前までは、500人とか600人とかしか合格しなかった。今は、いろいろ試験があるけど1500人くらい合格するらしい。もちろん、500番の人と、501番の人は、そんなに差がない。500番の人と、1000番の人だって、大差ないかも知れない。でもね、問題なのはそんなことじゃない。司法試験というのは、大学入試なんかと違って、一回か二回しか勝負がないわけじゃない。今年の不合格者の多くが、来年も再チャレンジする。再来年もチャレンジ。それで、昔は、上位500番までしか受からなかった。700番くらいまでの人は積み残しになって、翌年までちゃんと勉強して、ようやく合格と。その翌年もその繰り返し。でも、今は、こんな積み残しがなくて1500人、まるまる受かる。2000番の人は、多分、来年、受かっちゃう。昔だったら、実力的に2000番目の人なんて、一生、受からなかったはずだ。新規参入者がいるわけだからね。それにそもそも、2000番目の人なんて、って今年の2000番目の人って、上位の人が既に大量に合格して抜けちゃってるわけだから、合格者数が昔のままだったら、2000番になんて、とてもとても入ってないはずだ。
…法曹のレベルについては、正直に言って、バーディー自身もだんだん分からなくなってきている。試験問題と実務能力とは違うからまあなんともいえないが、差当たり試験について考えてみた。
かつての「一行問題オンパレード」(例えば、「訴因変更命令」(昭和47年度刑事訴訟法)時代の合格レベルの人が、平成10年以降の問題で(出題者が望むような)合格レベルの答案が書けるかといえば、これは大いに疑問である。率直に言って無理だと思う。要するに、試験問題の絶対的な難易度自体は上がっているのである。
これに対して、受験者の全体的なレベルが上がっているかというと、これまた疑問である。弁護士の方によれば、最近の合格者は、基本的な日本語の読解能力や作文能力が劣っている(らしい)。裏返すと、かつては、もともと素質のある優秀な人ばかりが司法試験を目指した、ということになるのだろうか。
…だってそりゃそうだろう。昔って、ほんの10年くらい前までは、500人とか600人とかしか合格しなかった。今は、いろいろ試験があるけど1500人くらい合格するらしい。もちろん、500番の人と、501番の人は、そんなに差がない。500番の人と、1000番の人だって、大差ないかも知れない。でもね、問題なのはそんなことじゃない。司法試験というのは、大学入試なんかと違って、一回か二回しか勝負がないわけじゃない。今年の不合格者の多くが、来年も再チャレンジする。再来年もチャレンジ。それで、昔は、上位500番までしか受からなかった。700番くらいまでの人は積み残しになって、翌年までちゃんと勉強して、ようやく合格と。その翌年もその繰り返し。でも、今は、こんな積み残しがなくて1500人、まるまる受かる。2000番の人は、多分、来年、受かっちゃう。昔だったら、実力的に2000番目の人なんて、一生、受からなかったはずだ。新規参入者がいるわけだからね。それにそもそも、2000番目の人なんて、って今年の2000番目の人って、上位の人が既に大量に合格して抜けちゃってるわけだから、合格者数が昔のままだったら、2000番になんて、とてもとても入ってないはずだ。
…法曹のレベルについては、正直に言って、バーディー自身もだんだん分からなくなってきている。試験問題と実務能力とは違うからまあなんともいえないが、差当たり試験について考えてみた。
かつての「一行問題オンパレード」(例えば、「訴因変更命令」(昭和47年度刑事訴訟法)時代の合格レベルの人が、平成10年以降の問題で(出題者が望むような)合格レベルの答案が書けるかといえば、これは大いに疑問である。率直に言って無理だと思う。要するに、試験問題の絶対的な難易度自体は上がっているのである。
これに対して、受験者の全体的なレベルが上がっているかというと、これまた疑問である。弁護士の方によれば、最近の合格者は、基本的な日本語の読解能力や作文能力が劣っている(らしい)。裏返すと、かつては、もともと素質のある優秀な人ばかりが司法試験を目指した、ということになるのだろうか。