コロナで鮮明になった中国の脅威 「制御する態勢が必要」エマニュエル・トッド氏が指摘〈AERA〉
「トッド:家族構造と社会の関係を分析してきた人類学者としての視点でいうと、中国の全体主義的な体制は単に悪い指導者がいるからという話ではないのです。中国人自身も教育による伝統などの継承によって、権威主義的な気質を身につけています。
それは共産党とは関係ありません。共産党や軍や警察はその恩恵に浴していますが、体制を創造したわけではないのです。
その起源を探ろうとすれば、紀元前200年から紀元後200年ごろの中国での共同体的な家族構造の登場にまで遡(さかのぼ)る必要があります。」
巨人が棲む洞窟の中にとらわれた人たちを救出しようという、「洞窟からの脱出」作戦が、おそらく米国の対中政策ブレーンの考え方だろう。
ところが、エマニュエル・トッド氏は、この考え方に懐疑的である。
人民は、洞窟の中の方が居心地が良いと思っているかもしれないというのである。
「紀元前200年から紀元後200年ごろの・・・家族構造」がいまだに決定的な影響を保っているというのであれば、過去の重みは恐ろしいと思う。
「トッド:家族構造と社会の関係を分析してきた人類学者としての視点でいうと、中国の全体主義的な体制は単に悪い指導者がいるからという話ではないのです。中国人自身も教育による伝統などの継承によって、権威主義的な気質を身につけています。
それは共産党とは関係ありません。共産党や軍や警察はその恩恵に浴していますが、体制を創造したわけではないのです。
その起源を探ろうとすれば、紀元前200年から紀元後200年ごろの中国での共同体的な家族構造の登場にまで遡(さかのぼ)る必要があります。」
巨人が棲む洞窟の中にとらわれた人たちを救出しようという、「洞窟からの脱出」作戦が、おそらく米国の対中政策ブレーンの考え方だろう。
ところが、エマニュエル・トッド氏は、この考え方に懐疑的である。
人民は、洞窟の中の方が居心地が良いと思っているかもしれないというのである。
「紀元前200年から紀元後200年ごろの・・・家族構造」がいまだに決定的な影響を保っているというのであれば、過去の重みは恐ろしいと思う。