Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

クイズ感覚、ゲーム感覚

2021年02月13日 06時22分34秒 | Weblog
クイズ番組「東大王」が見せてくれる「努力は必ず報われる」という幻想
 「しわしわ時代、と大雑把に表現して恐縮だが、東大に入った多くの人たちは官僚を目指していた。国を背負う志と能力を持つ人々を養成する、それが東大。であるだけでなく、高い山があれば登るのだと思う。得意だし、登れちゃうから、ってなものではと勝手に想像する。だから国家公務員総合職試験を受け、頂点である財務省=旧大蔵省に入るのが東大の中のエリートの道だった。
 例えば1982年に東大法学部を卒業した片山さつき参議院議員(59)は大蔵省主税局に入った。最近コメンテーターとして「東大を首席で卒業」と紹介される山口真由(35)も、卒業後は財務省主税局に入っている。


 「しわしわ」だか「キラキラ」だかよく分からないが、私は、この手のクイズ番組の話題が出ると、苦々しい思いを抱くことが多い。
 というのも、30年近く前の、「秀才」の言動を思い出すからである。
 その「秀才」とは、父も兄も東大卒のキャリア官僚という家の出身で、小学生のころから「将来の夢は〇〇省の事務次官」と公言していた人物である。
 その夢を実現させるべく、彼がキャリア採用試験の二次試験の面接の準備をしていたときに発したのが、次の言葉である。
面接なんて、〇〇省にも〇〇省にも当てはまるような、汎用性の高い完璧な志望動機を作ってるから大丈夫
 その後、彼は計画どおり〇〇省に入省し、次官コースを歩むものと見られていたが、若くして病のため急逝した。
 この手のクイズ番組を観て思うのは、受験も就職もクイズ感覚やゲーム感覚で乗り切ってしまうと、人間や社会についても同じような発想を抱いてしまう人が、ごく一部ではあっても、出てきてしまうのではないかということである。
 言うまでもないことだが、人生はクイズでもゲームでもない。
 コロナ対策一つをとってみても分かるように、社会においては、次々と出てくる「答えのない問題」に対処する必要がある。
 それだけでなく、政治も行政も、何か与えられた(答えのある)問題に解答すれば済むという仕事ではなく、社会に存在する種々の問題を「発見」することが求められている。
 そういう意味では、副業自由化を考え出した人(学者?官僚?)は、「問題発見能力」を持っていたと思うのである。
コメント
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