Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

自然人と法人

2021年03月28日 06時27分29秒 | Weblog
 法人の破産事件(申立て代理人、管財人)を受任すると、いつも大学2年生のころの民法の講義を思い出す。
 それは、大村敦志先生による、「自然人と法人の違い」についての解説のくだりである。
 自然人(これを先生の奥さんは、「ターザンみたいな人」と解釈したそうである。)というのが「ヒト」であり、「法人」は「ヒト」以外の法によって人格を与えられた主体なのだが、先生によれば、両者の主な違いは、① 成熟する(すなわち行為能力を獲得する)のに時間を要するか、② 「死」を概念出来るか、にあるという。
 自然人の場合、成熟に時間を要するため、「成人」という儀礼を経なければ行為能力を獲得できないが、法人は設立と同時に行為能力が認められる。
また、自然人は「死すべき存在」だが、法人は永続的なもの、すなわち「不死の存在」と想定されている。
 ところが、現実の社会では、法人も死を迎えることが珍しくなく、その典型が破産なのである(厳密に言えば、清算決了時が死亡時ということになる。)。
 要するに、「法人の永続性」はフィクションに過ぎないのである。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする