Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

誤解を招く

2021年03月23日 06時37分37秒 | Weblog
家庭の法と裁判 2020年4月号 vol.25 離婚訴訟における関連損害賠償請求の範囲と審理 丹羽敦子(東京家庭裁判所判事)
 「慰謝料請求の認容額について、認容率が37%であり、平均認容金額が153万円、最高認容金額が700万円、最低認容金額が10万円、最も多い認容金額が100万円(27件)、次に多いのが200万円(13件)であったと報告している。」(p45)

 離婚事件に限らず、慰謝料の見通しについて依頼者に説明するのは結構難しい。
 交渉・調停及び訴訟上の和解における慰謝料額は一般には公表されていないし、判決では裁判官の裁量で金額が決まるため、予測可能性が低いからである。
 また、あまり正確でない情報がネットなどで飛び交っていることもある。
 例えば、ある行政書士事務所のサイトに「モラハラ事案:慰謝料は〇〇万円~〇〇〇万円」などとあるのを見て、「私の場合、最低でも〇〇万円くらいの慰謝料をもらって当然だと思う」とおっしゃる依頼者がいて、出来るだけそれに沿う内容の訴状を書いたところ、家裁の裁判官が、第1回期日で「本件のような事案では慰謝料は認められない」と断言した事件があった(最終的には数十万円の解決金で和解)。
 上で引用した記事は、判決に至ったケースに関するものなので、あらゆる事案で妥当する話ではないが、不要な誤解を生じさせないための、依頼者への説明用資料としては有用だと思う。
 

 
コメント
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