「特定性」の要件に寄り道したのは、そもそも「集合物」に担保権、ましてや譲渡担保権を設定することがおかしいという問題点を指摘するためであった。
さて、本題に戻るとして、譲渡担保の違法性はどこにあるかだが、まず譲渡担保が狙いとするものを見極める必要がある。
差し当たりは、「私的実行」、つまり、裁判所による執行手続を排除して、権利を実現してしまおうという狙いが挙げられる。
だが、それ以上に、譲渡担保は、もっと根本的なところで、法の基礎を覆すことを狙っていると思われる。
その狙いは、端的に言えば、「占有原則」の脱法である。
「占有原則」については、木庭先生の以下の説明が分かりやすい(但し、表現は私が若干アレンジしている。)。
「占有とは、『主体と対象物との間の、排他的に密接な関係』を意味します。この主体は独立の個人であり、対象物との間に『帰属』という観念はありません。この『占有』を侵害してはならないというのが占有原則です。占有は、所有権とは違い、いったん失えば他者に移ってしまい、取り戻すことは出来ません。取り戻したい場合には裁判に訴えるしかないことになります。」(「憲法9条の適用問題 ー 改憲論に備えて」2021年11月10日第二東京弁護士会)
さて、本題に戻るとして、譲渡担保の違法性はどこにあるかだが、まず譲渡担保が狙いとするものを見極める必要がある。
差し当たりは、「私的実行」、つまり、裁判所による執行手続を排除して、権利を実現してしまおうという狙いが挙げられる。
だが、それ以上に、譲渡担保は、もっと根本的なところで、法の基礎を覆すことを狙っていると思われる。
その狙いは、端的に言えば、「占有原則」の脱法である。
「占有原則」については、木庭先生の以下の説明が分かりやすい(但し、表現は私が若干アレンジしている。)。
「占有とは、『主体と対象物との間の、排他的に密接な関係』を意味します。この主体は独立の個人であり、対象物との間に『帰属』という観念はありません。この『占有』を侵害してはならないというのが占有原則です。占有は、所有権とは違い、いったん失えば他者に移ってしまい、取り戻すことは出来ません。取り戻したい場合には裁判に訴えるしかないことになります。」(「憲法9条の適用問題 ー 改憲論に備えて」2021年11月10日第二東京弁護士会)