大学時代のことであるが、ローマ法の定期試験で、次のような問題が出た(ややうろ覚えなので表現は不正確かもしれない。)。
「古代ローマにおいて、譲渡担保は禁止されていました。その理由について、自由に論じて下さい。」
大学3年生にとって、今でもこれは相当な難問という気がする。
形式的な回答としては、「流質契約の禁止」(民法349条)の趣旨から説き起こすということが考えられるが、もちろんそれでは不十分である。
主として、「占有」の理解を問う問題だからである。
さて、「譲渡担保は元来違法」と習ってはいたものの、金融機関に就職した1年目から、私は結構な件数の譲渡担保契約を実行してきた。
担保物件は動産に限定されており、典型的には、「借り工場に大型印刷機を設置するが、その資金を融資する際、融資対象物件に譲渡担保権の設定を受ける」というもので、業界用語で「持ち込み担保」と呼ばれていた。
自社工場であれば工場抵当という手段もあるが、借り工場だとこれが使えないので、譲渡担保のお出ましというわけである。
ちなみに、当時(およそ四半世紀前)、ハイデルベルクのオフセット印刷機は、新品で億を超えるものもあったという記憶で、結構リスキーな融資の部類に入る。
「古代ローマにおいて、譲渡担保は禁止されていました。その理由について、自由に論じて下さい。」
大学3年生にとって、今でもこれは相当な難問という気がする。
形式的な回答としては、「流質契約の禁止」(民法349条)の趣旨から説き起こすということが考えられるが、もちろんそれでは不十分である。
主として、「占有」の理解を問う問題だからである。
さて、「譲渡担保は元来違法」と習ってはいたものの、金融機関に就職した1年目から、私は結構な件数の譲渡担保契約を実行してきた。
担保物件は動産に限定されており、典型的には、「借り工場に大型印刷機を設置するが、その資金を融資する際、融資対象物件に譲渡担保権の設定を受ける」というもので、業界用語で「持ち込み担保」と呼ばれていた。
自社工場であれば工場抵当という手段もあるが、借り工場だとこれが使えないので、譲渡担保のお出ましというわけである。
ちなみに、当時(およそ四半世紀前)、ハイデルベルクのオフセット印刷機は、新品で億を超えるものもあったという記憶で、結構リスキーな融資の部類に入る。