Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ショパン・コンクールの覇者(6)

2024年03月14日 06時30分00秒 | Weblog
モーツァルト
 交響曲第35番 ニ長調 K.385 「ハフナー」
ショパン
《ドン・ジョヴァンニ》の「お手をどうぞ」による変奏曲 変ロ長調 op. 2
 *川口成彦(ピアノ)
藤倉大
 Bridging Realms for fortepiano
(第2回ショパン国際ピリオド楽器コンクール委嘱作品/日本初演)
 *ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)
ショパン
 アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ op.22
 *ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)
ショパン
 ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 op.21
 ※ アンコール曲 前奏曲雨だれ
 *トマシュ・リッテル(ピアノ)

Pleyel 1845 owned by Emma Akiyama

 二人目の「ショパン・コンクールの覇者」は、2018年に開催された第1回「ショパン国際ピリオド楽器コンクール」の優勝者:トマシュ・リッテル である。
 二日目は、彼がショパンのピアノ協奏曲第2番を弾く。
 つい先日もブルース・リウが日本ツアーで演奏していた曲だが(ショパン・コンクールの覇者(3))、ピリオド楽器での演奏を聴くのは私もこれが初めてである。
 HIP(Historically informed performance 歴史的情報に基づく演奏) が彼の特色らしいが、コンクール本選でも第2番を選んだそうである(川口成彦さんも)。
 ピアノ独奏が始まるや否や、別の世界が現れたような感じで、後は快感に浸るだけの時間となる。
 「あっという間に音が減衰する」プレイエルが、彼の手にかかると実に滑らかに”歌う”のである。
 彼いわく、
 「基本的にはピリオドだから、モダンだからということを演奏中は考えていません。作曲家の書いたものを、楽器を通して語るということに集中しています。あくまでも演奏を通してオーセンティックな表現を届けたいのです。」(パンフレットより)
 2楽章は、ショパンが音楽学校で出会ったソプラノのコンスタンツ・グワドコフスカのことを想って作曲したというから、その思いを表現することになるのだろう。
 その意味では、トマシュ・リッテルの演奏は模範的であり、何度も聴きたくなるくらいである。
(ただ、2楽章は途中で暗転して激しい調子になるので、朝の目覚めの音楽(眠くならないクライスレリアーナ)には使えないのが残念。)
 川口成彦さんは、私見では、「世界一気持ちよさそうに演奏するピアニスト」で、私も年に1度は生で聴きたくなる。
 今回も完璧な演奏で、後ろで聴いている18世紀オーケストラのフルート奏者やオーボエ奏者などは、終始ニコニコしながら川口さんの演奏に魅入っていた。
 個人的には、川口さんにも、「ショパン・コンクールの覇者」という称号を贈りたいところである。
 
コメント
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