パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

案外面白かった歌舞伎「忠臣蔵」(素人による)

2009年11月15日 21時23分27秒 | Weblog
なるほど日本人に人気があるのがわかる気がする
それが今日地元の文化会館ホールで行われた
新城歌舞伎での「忠臣蔵」の印象

この地元の素人の歌舞伎公演
第22回とチラシには載っているのだから
ずっと続いているのだろうけれど
見たのは今回が初めて

今日は少年サッカーの練習もなく
ポッカリ時間ができたので
暇つぶしに出かけたという訳だが、、、

初めてづくしなので
話、内容に関心がいくのか
それとも素人の一生懸命さに目がいくのか
と思ったが、素人でもなかなかの熱演だったおかげもあり
話自体に集中できた

見たのは
忠臣蔵三段目「松の廊下刃傷の場」
忠臣蔵七段目「祇園一力茶屋の場」
元禄忠臣蔵「南部坂雪の別れ」

それほど期待していった訳でもなく
つまらなかったら途中で抜け出したり
寝てしまってもいいや
くらいの感じだったが
最初の有名なシーン「松の廊下」
ここでの若い人たちの初々しさが、
なんともかわいらしく
ついつい真面目に見てしまった

次の三段目は見所いっぱいの演目のようで
時々耳にする事はあるけれど
今日、一番楽しめたのはこれ

演じる時間も1時間くらい
名前だけは聞いた事のある「お軽」を中心にした物語
蔵之介(由良介)も当然の様に登場するが
ここでのお軽とその兄の物語、やり取り、感情の行き来
そうしたものは思わずジワッと来そうだった

父の様子を訪ねるお軽に、
丈夫にしていると答える兄
しかし、それは見ている人には嘘だと分かる
勘平の事についても同じ事
正直に話せない辛さ

そして仇討ちの計画の手紙を読んでしまった為に
お軽を抹殺しなければならなくなったが
どうしてもできない
ならばお軽が自分で、、、

そうなかなかドラマティックで
忠臣蔵が江戸時代から庶民の間で
どんなに愛されてきたか

それは仇討ちという本懐を遂げたからではなく
こうした普通の人たちの感情が
いつの時代も、どのような立場の人にも
同じ様に感じられるからだ

実際の赤穂事件は
自分は浅野内匠頭が一番評価できない人物で
仇討ち自体も47人もの犠牲者を出した現実は
それほど好きではない

しかし、物語としての
いや歌舞伎としての忠臣蔵は、やはり傑作に違いない
こんな風に素人が演じても面白かった

だが一番おもしろがっていたのは
演じていた連中かも?

「南部坂雪の別れ」は見ているこちらのスタミナ切れ
やはり一気にたくさん見るのはしんどい

だが機会があったら本当の歌舞伎も見てみようか
という気になったのも事実
という訳で、今日は「文化の秋」の一日だった
コメント
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