パンセ(みたいなものを目指して)

好きなものはモーツァルト、ブルックナーとポール・マッカートニー、ヘッセ、サッカー。あとは面倒くさいことを考えること

フルトヴェングラー、3種類の「運命」

2011年12月10日 22時08分40秒 | Weblog

昨日は1937年の録音のもの
そして今日は1943年の戦時中のものと
1954年の彼の最晩年の演奏である「運命」を
真面目に聴いた
演奏は全てベルリン・フィル

聴く前は、聴こうと思ったものの正直なところ
「運命」は押し付けがましくてゲーテじゃないが
少しシンドいかなと思ったのだが、
昨日の1937年の演奏を聴いて結構楽しめた

それで今日はまとめて2つの演奏を聴いたわけなのだけれど
せっかくなのでサラっと印象などを

まず1937年の演奏
大きな把握で、ルーベンスの絵のような豊満な重量感のある音色
そして流石に若い時らしくリズムが弾んでいる
このころのフルトヴェングラーをもっと聴いてみたいものだ
もっと古いトリスタンの前奏曲と愛の死も
理由がよくわからないが何故か惹きつけられる演奏だった

1943年 この有名な冒頭
その音の暗さは何だろう
同じ楽譜からとは思えない
違った曲を演奏しているみたい
とにかく暗い、そして気合は入っているのだろうけれど
何故か音楽が流れていくだけ
曲が頭に入ってこない
そういえば戦時中のコリオランの演奏も
冒頭の緊張感、緊迫感と言ったらなかったが

そして再晩年の演奏は
戦時中とは全く反対で、この曲は
こんなにニュアンスが豊富だったけ
こんなフレーズあったかな?
みたいな印象が聞いている間ずっとしていた


これはチェリビダッケがゆっくり演奏して
あらゆるパートを聴き取れるようにして
ニュアンスを高めようとしているのとは違う
もっと実演の勢いに任せて
まさ、聴衆と演奏者の一期一会の出来事のように
思われる演奏だ

それにしてもベルリン・フィルの重量感のある音
もうこんな音を出す(出させる)指揮者はいないだろうな
それは指揮者の違いと言うより
時代のせいなのかもしれない

と言いつつベルリン・フィル聴いてみたいな
メジャーなオケでこれだけ聴いていない
余り来ないしチケットは高いし、、、
死ぬ前に一度は聴いてみたいな
佐渡裕みたいにオーケストラの音だけで感動するかな

コメント
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