過去の記憶をたどる旅 5日目の6月16日
ザルツブルクからウィーンに向かう途中リンツに立ち寄った
この街の外れにある聖フローリアン修道院は
ブルックナーがオルガニストとして活躍した場所ということだけでなく、
本人の希望でそのオルガンの下に棺が納められているところ
朝比奈隆の録音の中にもこの場所での演奏されたものがある
この旅はノイシュヴァンシュタインへのバス旅行を除けば
ほとんど日本人と接することがなく
リンツ駅に降りる日本人は見かけない
バスステーションから聖フローリアン行きに乗車
約30分ほどで到着
停車場から少し歩くとアルバムジャケットにも使われる修道院の姿が現れる

この場所の昔の記憶は、ただ壮麗なところだったというしかない
いったい昔は何を見てきたのだろう
中に入ると

圧倒的な表現意欲というよりは、壮麗でもどこか控えめの感じのスッキリした感じ
振り返ると

ブルックナーのオルガン
この下に彼は眠っている?
教会内は数人しかいなかった
ふとしたキッカケでおばあさんと話すことになった
「ブルックナーの棺が納められているのですよ」
「ああ、そう!どこからいらしたの?
昨日結婚式があってまだ花が飾られているでしょう。」
「日本から」
「そんなに大きな声を出しちゃダメ。ここは神聖なところ、静かに。
天井を見てご覧なさい、神様は偉いから上の方に登っていくように表現され、
私達人間は下にいるのです」
そんなことを拙いドイツ語でやり取りした
やがておばあさんは教会から出て行って
そこにいるのは自分だけとなった
それから、この空間を体全体で感じるつもりで席に座った
その刹那、先ほどのおばあさんの言葉が頭に浮かんだ
神様は上の方に登っていくように、、、
そうか、それで9番のアダージョの冒頭、
どこまでも上昇するような旋律が生まれたのか
ブルックナーはこの最後の交響曲を
愛する神に捧げるつもりで作曲したとされる
なるほど、心情的な面だけでなく音階も上に上にと向かって、、、
そんな風に自分勝手に思い込んでいると
頭の中でその部分の音楽が鳴り始めた
どんどん上昇していく
天井の絵画もどんどん登っていくみたい
数分間、ボーッとしながら思い込みであったとしても、
奇跡のような充実した時間が過ぎた
まさにこの時間のためにここに来たのだ
と感じるまでの
あとの時間はおまけのようなもの
修道院近くの田舎の風景がよく見えるレストランに立ち寄りビールを

よく見るとグラスには目盛が記されている
ごまかさないためか、ドイツ的な真面目さがそうさせるのか
このレストランからの眺めはとても良い

のんびりとした田舎の風景が遠くまで見渡せる
この辺りの自然を満喫するための
散策の為のコースもあるらしい
予めこのことを知っていたなら
ここでの時間はもう少しとったかもしれない
だが帰りのバスの時間までには余裕が無い
少しばかり残念な気持ちを残しながら
聖フローリアンをあとにした
ザルツブルクからウィーンに向かう途中リンツに立ち寄った
この街の外れにある聖フローリアン修道院は
ブルックナーがオルガニストとして活躍した場所ということだけでなく、
本人の希望でそのオルガンの下に棺が納められているところ
朝比奈隆の録音の中にもこの場所での演奏されたものがある
この旅はノイシュヴァンシュタインへのバス旅行を除けば
ほとんど日本人と接することがなく
リンツ駅に降りる日本人は見かけない
バスステーションから聖フローリアン行きに乗車
約30分ほどで到着
停車場から少し歩くとアルバムジャケットにも使われる修道院の姿が現れる

この場所の昔の記憶は、ただ壮麗なところだったというしかない
いったい昔は何を見てきたのだろう
中に入ると

圧倒的な表現意欲というよりは、壮麗でもどこか控えめの感じのスッキリした感じ
振り返ると

ブルックナーのオルガン
この下に彼は眠っている?
教会内は数人しかいなかった
ふとしたキッカケでおばあさんと話すことになった
「ブルックナーの棺が納められているのですよ」
「ああ、そう!どこからいらしたの?
昨日結婚式があってまだ花が飾られているでしょう。」
「日本から」
「そんなに大きな声を出しちゃダメ。ここは神聖なところ、静かに。
天井を見てご覧なさい、神様は偉いから上の方に登っていくように表現され、
私達人間は下にいるのです」
そんなことを拙いドイツ語でやり取りした
やがておばあさんは教会から出て行って
そこにいるのは自分だけとなった
それから、この空間を体全体で感じるつもりで席に座った
その刹那、先ほどのおばあさんの言葉が頭に浮かんだ
神様は上の方に登っていくように、、、
そうか、それで9番のアダージョの冒頭、
どこまでも上昇するような旋律が生まれたのか
ブルックナーはこの最後の交響曲を
愛する神に捧げるつもりで作曲したとされる
なるほど、心情的な面だけでなく音階も上に上にと向かって、、、
そんな風に自分勝手に思い込んでいると
頭の中でその部分の音楽が鳴り始めた
どんどん上昇していく
天井の絵画もどんどん登っていくみたい
数分間、ボーッとしながら思い込みであったとしても、
奇跡のような充実した時間が過ぎた
まさにこの時間のためにここに来たのだ
と感じるまでの
あとの時間はおまけのようなもの
修道院近くの田舎の風景がよく見えるレストランに立ち寄りビールを

よく見るとグラスには目盛が記されている
ごまかさないためか、ドイツ的な真面目さがそうさせるのか
このレストランからの眺めはとても良い

のんびりとした田舎の風景が遠くまで見渡せる
この辺りの自然を満喫するための
散策の為のコースもあるらしい
予めこのことを知っていたなら
ここでの時間はもう少しとったかもしれない
だが帰りのバスの時間までには余裕が無い
少しばかり残念な気持ちを残しながら
聖フローリアンをあとにした