季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

未来のエネルギー

2012-12-03 22:19:03 | ハンドワーククラブ HandworkClub
ハンドワーククラブにて。

12月に入ってクリスマス会の展示への雰囲気が高まってくる。それぞれ何を展示するか考えてもう持って来てくれる人も。
1年に1回のハレの日。

随分前から計画して作ってきた。
彼女はなかなか来れない。暮らしがなかなか確立しないので朝起きて出かける事がものすごく難しい。そして出てきてもなかなかみんなの中でおとなしく落ち着いている事が難しい。
この頃少しましになって結構続けて来れるようになってきた。(それに何年もかかってます)
それで愛犬の毛を使って愛犬そっくりのポーチを作りたいのだそうだ。
いつもそうなのだけど、自分の使えるエネルギーと時間とみんなと一緒にいるこの空間でどんなものが出来るかと言う想像が多分出来ないのだと思うけど、とてつもない計画ばかり口からでます。
今回の犬のポーチも、その要求がとても不確かで難しいので始めは脚下してたんだけど、やってみる事にした。
いつも来るたびに違う彼女の周りの空気と対峙しながら、おとなしかったり竜巻のように人を巻き込む暴れようだったり、小さな子供のように絶えず気を引こうと騒いだりする中で対処しながら少しずつ進めていく。
時々は喧嘩も。「山あり谷ありやったね!」って言ったら「谷ばっかりやったわ!」って言ってた。

私は医者でも看護婦でもないし、どの患者さんがどんな疾患を持っていてどんな状態かとか知らないで接しています。だから彼女の病名とかもわからない。だからいつも手探りで経験から学ぶ。思ったらすごいと思う。
彼女はアルコールとは違う。これだけわかる。

それくらいの苦労をして作ったのがこれです。

       

残念なことに愛犬の毛は細くて短すぎてその上にハリがあるので、羊毛と混ぜてフェルト化するとどんどん外に出てくる。うまく行かないなあ。
作る間もものすごく周りに散るのでそれでも喧嘩になった。

それでも形になって彼女は満足そう。良かった。首輪をつけてみるそうです。

彼女や他の人を見ていてもいつも思うのは、こうやって精神に疾患を負った人たちと言うのは普通に生きると言うそれだけでそれはそれはたいへんな大仕事になるのだと言う事。
生まれつきのものもあるかもしれないけど、その上に彼らは生まれてからの環境からの要因も強く受けています。それゆえの生きにくさ。
普通に寝て起きてご飯を普通の量食べて、動いてまたは働いて人と関わって生きていく。
そのことそのものがどれ一つとっても大変な難題。

そう思うとその生まれてからの環境の要因が彼らの将来を奪ったと言えると思う。彼らはクリニックに来てそれを取り戻す作業をずっとしている。毎日毎日。
ものすごい負債をかかえているのと同じ。

だから思うのです。子どもを産んで育てる事はとても重大な仕事だと。
そこで子供の未来のエネルギーまで消耗する育て方をしてしまうと。その子どもたちだけではなくて、保護を受ける国や自治体の負担も増える。周りの人たちもたいへんな思いをしてエネルギーを無駄に使ってしまう。

今、エネルギー問題や生活保護の問題や経済の問題などいろいろあるけれど、そのどれとも実は関わっていると思う。本当に未来に無駄なエネルギーをなるべく使わないエコな時代を作りたかったら、子どもを安心して大きくなれる環境に置いて上げる事、それが実際に計算してみるときっとものすごい桁の節約になるに違いないです。

特別な豪華なものや高価なものがいるわけではなくて、本当に基礎的な当たり前の普通の「安心できる暮らし」。「あなたはあなたのままで良い。」と大切に認められること。
その重要さを知って欲しい。
それだけで未来のエネルギーをたくさん作っている事になるってすごい事だと思う。
未来は子どもたちの中に。



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