明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ブログは日を跨いで翌日に書くことが多い。夜中に『ゲンセンカン主人』が完成したが、その場合、すぐ合成画像を統合し、よけいなものは削除してしまうことが多い。しかし夜中は気分も違うし、予定より一日早く完成した。念のために、一眠りしてからでも遅くない。ラブレターは一晩寝てから投函すべしである。ブログを書いた後、寝ようと思ったが何か物足りない。つい先日まで雷鳴を背景に男はおかみが待つ部屋に現れる、と思い込んでいたので、その雷光がなくなったとなると、当然物足りないことになる。外はゴーゴーと風が鳴り、洗濯物が宙を舞っている状態である。そこで風を加えることにした。 原作ではそんな暴風なのに戸締まりはどうしているのか、男は障子を開けて、風とともに部屋に入って来る。室内は行灯一灯なのにそのわりに陰影がなく、行灯や煙草盆の遠近感は歪んで嘘臭く配置されている。いまさら斜線による風といっても違和感はない。ついこの間まで、風を線で描いてしまうことになるとは考えもしなかった。このまま行けば『寒山拾得図』もいけそうな気が増々してきた。 午後二時に美容関連雑誌の取材。不気味の谷について。現在我が家は坂口安吾と永井荷風が同棲しているかのような状態なので、古石場文化センターの一室を借りる。カラオケ大会に使われていそうな広い和室で、旅館みたいになりそうなので、緞帳の下がった舞台の上での取材となった。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)『ゲンセンカン主人』出品予定
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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