明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨日のブログで、私が13歳で谷崎やヘンリー・ミラーを読んでいたことになり、確かに幼い頃から読書好きではあった。だがしかし、ここで正直にいうこともないが、単に手の届く範囲でのエロを探索した結果にすぎない。拙著にも書いたが、教科書にも乗っている作家だからと授業中にも谷崎を読んでいたが、教師に見つかり、読んでいた『卍』を急遽朗読させられた。関西弁に対する嫌悪感はこの日に始まり、収まるには漫才ブームを待たねばなならなかった。動機きっかけはともかく、後に谷崎を作ることになったのだから無駄ではなかったろう。 ところでそのまた数年前の小学生の時の話しである。書店で漫画本を選んでいた時、大人向け漫画本『ガロ』をめくっていて、白土三平の『カムイ伝』のくノ一が殿様をかどわかすシーンのリアルに釘付け。『ハレンチ学園』とはレベルが違う。『カムイ伝』をエロ本扱いとは失礼な話しだが、結果つげ義春と佐々木マキにはまってしまった。おかげで一連の名作をガロ誌上で堪能したことになる。 やたらと長いフリとなったが、今月30日から、南青山ビリケン商会にて『拝啓つげ義春様』というトリビュート展が始まる。前期、後期と様々な作家が様々なアプローチでつげ義春の世界を描くことになるだろう。私は前期となるが、当時土俗的エロテイシズムに目眩がした『ゲンセンカン主人』の1場面を写真作品で、と考えている。動機きっかけはともかく。こうして参加できるのだから無駄ではなかったろう。

※『拝啓つげ義春様』
 (前期)2017年9月30日(土)~10月15日(日)
 (後期)21017年10月21日(土)~11月5日(日)
ビリケンギャラリー
 住所:〒107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101
 TEL:03-3400-2214
 営業時間:12:00 ~19:00(月曜休)
 ホームページ:http://www.billiken-shokai.co.jp/

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )