明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨日、猫を飼っているお宅にお邪魔し、撮影させてもらった。もう一匹いたと思ったら死んだそうである。大変な思いをしたらしい。今は休止中だが、熱帯魚を飼っている友人と盛り上がっていた時、もう一人にお前も飼わないか、といったら、子供の時に金魚に死なれ、それ以来そんな気になれないという。「お前金魚に名前つけてたろ?」子供向けの金魚の飼い方の本に、名前をつけてはいけない、と書いてあった。彼は中古のバス釣り用ボートを買ったが、それにその金魚の名前を付けたといっていた、恐くてボートの名前を訊かないまま今は廃船となったが。 そのせいかどうか、夏目漱石は猫に名前は付けなかったそうである。それに引替え、弟子の内田百閒は猫に去られて泣きっぱなしである。本物の猫を使い百閒の人形を作って『ノラや』の制作を考えたことがある。 撮影はというと、気難しく、飼い主にも抱かせない、と訊いていたが、なかなか優秀なモデルであった。昔、一瞬目があっただけで犬に2ヶ月べったり付きまとわれたことがあるが、私は同じレベルと見なされるのか動物には嫌われないようである。膝の上に一匹でいいではないか、と思いつつ計4匹に。明日は永井荷風に取りかかる。

※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載4回「哀しい背中」
みそろぎ人形展9月13日(水)〜19日(火)丸善丸の内本店4Fギャラリー
※深川江戸資料館にて九代目市川團十郎像を展示中。11月12日まで。

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