明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『猛虎図』を猫を撮らせてていただいた飼い主に送信する。この猛虎、まりちゃんというメスだったことはともかく。 子供の頃、頭に浮かんだことは何処へ行ってしまうんだろうと思っていた。特に友達とか周囲の人に話せたらまだしも、一人でいるの時に浮んだことはなかったことのように消えて行く。『猛虎図』を眺めて、私はいったい何を作っている?と思いながらも確かに頭に浮かんだのはこんな感じの虎ではあった。さすがに自由に歩き回る猫だけに、ポーズは全然違っていたけれど。いう通りにならない猫はともかく、じっと黙って立ち続ける人形に関すれば、頭に浮かんだおおよそ、その通りの画ができるようになったが、独学ということが大きいのか、こんなに時間がかかる物だとあらかじめ判っていたらやらなかっただろう。ただ将来こんなことをやりたいなどというビジョンもなく、行き当たりばったり、目の前に落ちているパンを一つずつ拾って食べて来たような感じで、足下しか見てないから先の長さまで考えることはなかった。目標などない方が良い。100メートル先はともかく、足下の20センチ先のパンぐらいなら拾える。 それにしたって虎とはなんだ。唐突ではあるけれど、ここに至った経緯はいちいちブログに書いているから。多分そうなんだろう。頭に浮かんだ物は確かめたくなる。しかし虎などという邪念?だろうと浮んだ物は等価であり、そこが問題ではある。なんで個展に虎があるのか。寒山拾得があるならともかく。しかし周囲の人に話せたらまだしも。というわけで、なかったことにしないで出品しよう。邪念といってしまってはまりちゃんが可哀相だし。それに私の作品は虎に限らずすべて邪念だろ、といわれれば返す言葉はない。だいたいお前よく龍を作って龍虎図にすること我慢したな、と自分を褒めているのだから話にならない。

銀座青木画廊「ピクトリアリズム展Ⅲ』5月12日(土)〜5月25日(金)20日(日休)

2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtubeより

『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載7回「“画狂老人葛飾北斎”」

HP

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